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勢い優位の曲における歌声のポジションとは~アンジュルム「君だけじゃないさ…Friends」ピアノ伴奏verを聴いて

こんなことを考えたのは、先日公開されたアンジュルム「君だけじゃないさ…Friends(通称君フレ)」ピアノ伴奏バージョンを聴いたから。

アンジュルムの曲ってとにかく「勢い優位(=強い)の曲」が多い。
しかしこの君フレはその真逆をいく曲だ。
とても素晴らしい動画だと思う。
メンバーの歌声がわかりやすく、そして印象に残りやすい。なによりも歌いやすそうに聴こえる。(なお、あくまで「歌いやすそう」としないのはメンバーの努力が「歌いやすそうに聴こえさせているから」と解釈しているため)
序盤に各メンバーのソロパートがあり、その後は左右4人ずつに分かれてユニゾンで歌っている。

この動画を見て、アンジュルムが歌っている大半の楽曲は歌声を印象づける楽曲ではないんだなと思った。
もちろん推しの歌声はどの楽曲でも脳内再生余裕なほどに聴き込んでいる自信はあるし、他のメンバーにも私個人のお気に入りソロパートはある。
ただそれは私がこのグループのファンだからだ。ファンだから既にメンバーの歌声に敏感な耳を持っているだけ。

だけど初見やライトな層はどう思うだろう。アンジュルムの楽曲には確かにメンバーの歌声が吹き込まれているはずなのに、ただ漠然と、賑やか。激しい。っていうだけにしか映らないんじゃないか。
アンジュルムはかなりバラエティ豊かな楽曲が揃っているので、私が言ったような「勢い優位の曲」ばかりじゃないんだけど、アンジュルムをなんとなくしか知らない人にはその勢いだけが印象に残りやすいよなーってね、思うわけ。

それってすごく勿体ないことではないかと思う。君フレの動画を聴いてわかるように、メンバーたちはそれぞれ素晴らしい声を持っている。
中には普段アンジュルムを聴かない人には驚きを与えるぐらいの歌声もあったように思う。

もっとアンジュルムも歌声を全面に出すことはできないのだろうか。

薄々というかとっくのとうに気づいていたけど、アンジュルムは「歌声を売り出している」のではなく「勢いを売り出している」とこの動画でなおさら実感した。
彼女たちのライブは例に漏れず歌って踊ってのパフォーマンスだ。
歌だけに集中力を割いていられないほどダンスは激しく、見せ場は歌だけではない。これも「勢いを優先した」結果だと思う。

ハロプロのグループにはそれぞれのカラーや楽曲の雰囲気がある。
その中で「アンジュルムはそういうもの」といってしまえばそれまでなのかもしれないが、この普段の楽曲の「歌声の印象の薄さ」をグループのカラーで割り切れるほど、私はアンジュルムの歌声を諦められない。だってこんなに綺麗なんですけど、歌声。

そもそも私が「歌声」で人を推している人間だからこんなことを考えるんだろうが、君フレピアノverを聴いて、やっぱり歌はなによりも「歌声」の優先順位が前のほうだと私は嬉しいなって思う。メンバーのソロパートもっとたくさん聴きたい。できれば長尺で。言いたいのはぶっちゃけそこだけ。以上。


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