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3,500万溶かしたフィットネスアプリを撤退した話

久しくSNSを止めていました、ふってぃーこと二村祐介です。

実はご報告がありnoteを書くことにしました。

最近の皆さんが書く綺麗で工夫されたnoteとは違って、目次もなければ写真もデータもないクソ文章ですが、お付き合いください。


去年の大学4年の春頃?からいくつかプロダクトを作り、同年7月に法人化し12月に自宅ワークアウトアプリZEEHAAをリリース。

今年初め頃から撮影スタジオ兼オフィスを借り、インターン含め15名程度のメンバーでチームを組成し運営していました。

インストラクターの方々にご協力いただき、1日に5~10本の動画を撮影/編集できる体制を整え、最終的には150~200本程度のワークアウト動画を確保し、アプリも数万DL程度までは伸びていました。

資金調達に関しても、個人投資家様を中心に15名ほど、融資も含めて3,500万円ほどリリース前後で調達し、かなりバーンを踏んでいた月もありました。

じゃあなぜ撤退を決めたのか。


①圧倒的なユニークネスの無さ
②数値的なスパイクが見えねえ
③俺、普通なもの作ってるな


大体こんなです。
結局この3点をまとめて、何が撤退の理由かと言うと、

単純に、1プロダクトでグローバルユニコーンにならなそうだからです。

多分これに尽きます。

詳細を少し説明すると、


ZEEHAAはヨガ/ピラティス/ダイエットなどのジャンルで1本5~20分ほどの動画が用意され、YouTubeでは不可能な「フィットネス」というジャンルに特化したUXを追求したプロダクト、というのが構想でした。

さらに言うと、アプリ内で広告、サブスクリプション型の追加機能、オフラインジムなどへの送客などのモバイルでの体験での収益化で小さくまとまるのではなく、基本的には自社物販により、ZEEHAAの動画⇄ZEEHAAの器具、つまりonline⇄phisicalという1つの統一された世界観での体験を届けることを長期的に考えていました。

他の領域で言うと、家具でいうクラシコムさんのような、自社メディア(online/集客)⇄物販(phisical/収益)というようなイメージです。https://preview3.newspicks.com/news/6467106/body/?ref=user_3664953


海外特にUSではフィットネス領域でのソフト×ハードは群雄割拠の様相で、特に2019~2020年は、PelotonのIPOだったりMirrorの買収、コロナによる「自宅で〜」「おうちで〜」効果によりかなり盛り上がってたと思います。

USなどに比較するとフィットネス後進国の日本ですが、コロナ初期は特に健康問題が叫ばれYouTubeを中心に自宅トレーニングを始めた方も多いのではなかろうか?

自宅の大きさや、フィットネスに対する関心度的に考えると、最初からハードウェアでユーザーセグメントを狭く切ってアプローチするのではなく、日本の自宅に相性の良い、自重トレーニング・スマホ動画というある程度間口の広いところで一気にアプリで集客し、とにかくPV数/DL数/粘着性などで競合をふるい落とした後に、phisicalな物販で収益をあげていくという、すんごい適当に書くとこんな感じの計画でした。

初期から、ユーザーが少しずつ集まってきても小さくマネタイズしたりで顧客をハックしてしまうことはなく、とにかく「ユーザー数=power」という考えでいました。

そこからの「②数値的なスパイクが見えねえ」に行き着くんですが、やっぱり今僕がだらだらと書いた戦略は全て会社側のエゴで、ユーザーからはまじでどうだっていいことなんですよね。
ユーザーが集まってからハードで収益化だ!とか、セグメントがどうとか。

プロダクトとしてのユニークネス、つまり尖りというのは死ぬほど重要で、日本でさえもこれだけ資金や人材の調達環境が良い中で、同じようなサービスはグロいほど出てくるわけです。(US、中国ならさらに日本の数十倍は出てるはず)

そんな中で、自分たちのエゴな長期戦略ありきで、尖りが丸まり切った、すんごいパンチ力のないプロダクトを最初に作ってしまった。ってのが①。

(逆に、長期視点がありつつも先に尖ったプロダクトで集客を進めるのは良いと思う)

ほんで、そのユニークネスの欠如ゆえの数値的なスパイク、俗にいうPMFみたいな爆発的な伸びがなかったというのが②っていう感じです。


そして、スタートアップとか全く関係のない友達から、飲んでるときにふと「ふってぃーの割には普通なもの作ってるな」と言われたのが③、それでトドメという感じです。僕はもっと変態的な、面白いものを作りたい。



それで今年夏~秋にかけてピボットすることを決定し、株主全員に経緯と今後を説明。

チーム15名は全員解散。

オフィスは1人で片付け撤去→1人暮らしの家に戻る


この時期はぶっちゃけ死にたかった。

まじで情けないし、銀行残高が二桁万円になった時あったし、チーム誰も残らねえし。

たった数ヶ月の中で、1000回くらい自分に対して舌打ちしてたと思う。

ただ、人間というのは一番死にたいときから数日~数週間だけでも生きてみると希望が見えてくるもので、その秋には

・次何をやるのかを決定する
・新チームを集める
・新規の資金調達

を走らせ始め、なんとか数ヶ月で全て完了した。

優秀かつ気の許せる仲間も見つかり、今はステルスですが良い感じに進めてこれてます。

事業内容の決定や、今後のことを考えて、実は10月にアメリカに行ってきました。現地の会社の方と話したり、スタートアップ本家の空気を吸ったり吐いたりしました。

アメリカ本土は初めてで、かなり衝撃的な体験だったので、また年明けに別のnoteにでも書きたいと思います。


結局何が言いたいかというと、調達資金ほぼ全部溶かしてメンバーも全解散しましたが、全然諦めてません。直近のキャッシュもあるし、良いチームもできた。そして何よりも今回のプロダクトはまじでパンチ力強いので、早く公にできるように頑張ります。


今度こそ、必ず。








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