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【ステップアップ】トナメ戦術③~M値とパワーナンバー~

M値とパワーナンバー。トーナメントに参加する人の会話で、聞いたことのある人は多いだろう。はっきり言って、この2つを理解せずにトーナメントで成績を出すのは、かなり難しい。あまりに強力な戦術なので、覚える前後でトーナメントスキルが大幅に上昇する。

私はKKポーカーのトーナメント戦績でプラス収支だが、それはM値とパワーナンバーのおかげだ。

あなたがもしも知らないというならば、大幅なスキルアップのチャンスとなる。周囲の駆け出しプレイヤーに大きく差をつけるためにも、トーナメントで素晴らしい結果を出すためにも、ぜひともマスターしてしまおう。



~M値って何??~

M値、それは「天国へのカウントダウン」。

あるブラインドレベルで、SB、BB、Antiの支払いがあるとする。あなたのスタックであれば、何周分まで支払えるか、という指標がM値だ。つまり、「あと〇〇周すれば、あなたのスタックがゼロになっちゃう。だから、急ぎポット獲得してね」という話だ。残りスタックが20BBになったあたりから、焦る必要がある。

<問題1>
以下の条件だとM値はいくらか。
あなたのスタック:15BB
SB+BB+アンティ:2.5BB

<答え1>
「15÷2.5=6」のため、「M値=6」となる。つまり、「このまま何もせずに6周してしまうと、スタックがゼロになっちゃう」ということ。



~M値の大小~

あなたは、M値の計算方法を理解できるようになった。

次に、M値の大小でどのような違いがあるのか、を考えてほしい。

〇M値が大きい
 スタックに余裕がある。強いハンドを待つことができる。リスクをとる必要が少ないため、オールインを控えて、オープンレイズがメインとなる。

〇M値が小さい
 すぐにスタックがなくなってしまう。そのため、かなり焦らなければならない。まず、参加ハンドを増やす。また、オールインを活用して、SB、BB、アンティのスチールを積極的に狙う必要がある。


残りスタックが20BB以下ならば、上記の「M値が小さい」を中心にプレーする必要がある。



~パワーナンバーとは?~

M値が小さいと、参加するハンドを増やさないといけない。しかし、M値に応じて参加ハンドをどこまで増やすのか、そこが難しい。それ以前にハンドの強さランキングがわからない。

そんな悩みを解決する最強ツール、それがパワーナンバー表だ。

パワーナンバー表とは、プリフロップの各ハンドについて、強さを数字で表したものだ。左下部分がオフスート、右上部分がスーテッドとなる。「∓」については、「M値が低ければ、ポジション関係なくオールイン」できるハンドだ。

パワーナンバー

例えば、「A6oとK8sだと、どちらが強いか」と聞かれたとする。今までのあなたなら、「わからない」で終わっていたかもしれない。しかし、これからは答えられる!! 「パワーナンバー表によると、A6o⇒18、K8s⇒17だから、A6oの方が強い」となる。



~M値とパワーナンバー~

今までの内容で、あなたは以下を理解しているはずだ。

・あなた自身のスタックについて、M値がいくらなのか。

・あなたがプリフロップで配られたハンドのパワーナンバー

そして、M値に応じて、オールインが許されるパワーナンバーは変化する。その計算方法は以下のとおりだ。

オールインに最低限必要なパワーナンバー(有効M値と呼ばれる)
= M値 × 後ろにアクションを控えている人数


<問題2>
残りスタックが15BBのため、あなたはオールインをしたい。オールインに最低限必要なパワーナンバーはいくらか。
M値:6
ポジション:CO(後ろに控えている人数は、3人)

<答え2>
「6×3=18」のため、オールインに必要なパワーナンバー(有効M値)は、「18」となる。つまり、「あなたのハンドについて、パワーナンバーが18以上であれば、オールインするべし」ということ。


<問題3>
残りスタックが10BBのため、あなたはオールインをしたい。以下のうち、どのハンドであればオールインをしてもよいか。
M値:4
ポジション:CO(後ろに控えている人数は、3人)
ハンド:①A2o ②K4s ③76s

<答え3>
「4×3=12」のため、オールインに必要なパワーナンバー(有効M値)は、「12」となる。つまり、「あなたのハンドについて、パワーナンバーが12以上であれば、オールインするべし」ということ。

各ハンドのパワーナンバーについて、①A2o⇒15、②K4s⇒11、③76s⇒15となる。パワーナンバーが12以上の①③は、オールインをするべし。



~M値とパワーナンバー使用のメリット~

・パワーナンバーに従ってオールインすることで、相手をフォールドさせるチャンスが生まれる。そのため、ハンドの強さ以上の価値となる。

・フロップ以降のアクションがないため、ミスがない。難しいシチュエーションでのミスを防止できる。

・パワーナンバーに従うだけであるため、誰でも簡単に実行できる。



~M値とパワーナンバー使用時の注意~

・インマネやバブルに関係する、特殊な状況では使用できない。

・あなたよりも前に、他のプレイヤーがアクション(レイズやオールイン)したときには使用できない。前のプレイヤーがフォールドしており、あなたが最初にアクションするときに使用する。

・スタックが20BB以下(M値が8以下)のときに使用する。

・あなたより後ろに、ショートスタックがいる場合、M値の計算方法が異なる。あなたのスタックで計算するのではなく、後ろに控えている最小スタックをあなたが持っているものとして、M値を計算する。


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