ストーリー「小純マアメ」
唐突だが私には応援しているアイドルがいる。
その1人が今回のnoteに書く「小純マアメ」(読み:こずみマアメ)さんだ。
アイドルとは「成長過程をファンと共有すること」とも言われる通り、彼女の歩んできたストーリーには本当に惹きつけられるものがある。
しかしこれを語ろうとすると、どうしても「前世」と言われる存在に触れざるを得ない。ここではほぼ100%包み隠さず書いていく(※)ので、そういった内容は知りたくないという方はブラウザバックを強く勧める。
※関係者から削除要請があればこのnoteは即消します ご本人からぜひ読んでほしいとの御言葉をいただきました
念のため補足しておくと、彼女自身も前面に出している情報ではないものの前世の存在を認めており、その生まれ変わりだということを公言している。
それであれば読んでもいいか、という方はどうぞお付き合いください。
※見返して自分でもイヤになるくらいとてつもなく長文になりました。
それでもいいよと言ってくれる方、お時間があるときにどうぞ。
「これは貴方の来世の物語」
「えるすりー」というイベントをご存じだろうか。
バーチャルエイベックスが主催する「Life Like a Live!」の略称で2020年からおよそ年2回開催される世界最大級のバーチャルアイドルイベントで、先日8回目となるえるすりー8が行われたばかりだ。
企業や所属グループはおろか、ときには国を越え、多種多様なバーチャルアイドルたちが出演。
大手と言われるグループからも参加者がいるほど世界最大級を謳うにふさわしい規模のイベントだ。
えるすりー7からはレジェンドアイドルともいえる元モーニング娘。の後藤真希さんがVの身体を得て参戦したことで話題になったことも記憶に新しい。
今からさかのぼること2020年7月。
初回となる「えるすりー」が開催されることが発表、それと合わせてひとつのオーディションが開催されることも発表された。
エイベックス バーチャルアーティストプロダクション「AVALON」
第一期生オーディション企画「ReVorn」
見出しはこのオーディションの副題である。
エントリー者は約600人。
その中に彼女はいた。
「古住ナナシ」
彼女はあるバーチャルアイドルに憧れ、その背中を追いかけてバーチャルアイドルに転生することを夢みた幽霊の女の子。
ニックネームは「こずみん」。
およそ察しはつくと思うが、後に「小純マアメ」となる女の子だ。
彼女はえるすりーを主催しているバーチャルエイベックスの顔ともいえるアイドルグループ「まりなす(仮)」(現:まりなす)のメンバー「奏天まひろ」(読み:かなめまひろ)がカバーしたファンサ/HoneyWorksをみて強く憧れると同時に決心する。
600人の中から10人が選ばれる狭き門に挑み、彼女の背中を追い駆けると。
オーディションはSHOWROOMで行なわれ、視聴者から贈られるポイントで予選ブロックを戦う。
彼女のアイドルが好きな気持ちに呼応した視聴者から背中を押され、予選ブロックを全体で9位となるポイントを集め見事突破。
決勝ブロックでもブロック内では2位だったものの全体でも2位というポイントを集め、最終面接までたどり着いた。
ここを突破し、最終選考の10人に残れば。
夢にみた転生まであとひとつ、憧れたバーチャルアイドルの背中を追う第一歩が踏み出せる間際までくることができた。
オーディションの結果発表
AVALON仮所属となりバーチャルの身体を得ることのできる10人の発表は、第一線で活躍するアイドルたちが華々しいパフォーマンスでファンたちを魅了していたえるすりー公演中のステージに出演・お披露目することで代えられた。
…そこに、彼女はいなかった。
あと一歩、ほんの少し届かなかった。
彼女は最終選考の10人が発表され、自身が落選したあとも3日間のえるすりー期間中は「伝えたいことはたくさんあるけど、今はえるすりーを一緒に楽しもう!」とイベントの成功を願い、ファンたちを気遣うツイートしていたのがとても印象的だった。
そして、えるすりーが終わったあと彼女はこうツイートした。
※以下の画像は非常にセンシティブな内容で転載していいものか非常に悩んだが、当時のツイートもそのまま残っており、何より彼女のストーリーを語るには飛ばせないため記載させていただいた。
彼女はオーディション期間中からこれがダメなら成仏する(古住ナナシとしての活動を辞める)ことを決めていた。
そして有言実行、彼女は成仏してパッタリと消息を絶った。
ファンは彼女が戻ってくる保障のない、苦しい日々を迎えることになる。
バーチャルアイドル人魚姫「小純マアメ」
2020年10月31日、突如こんなツイートがタイムラインに流れてきた。
バーチャルアイドル人魚姫「小純マアメ」誕生の瞬間だ。
振り返ってみると2か月にも満たない期間だったが、今考えてもそんなに短かったとは思えず悠久の時を超えてきたかのような、そんな長い期間に思えたが、彼女は帰ってきた。
ファンとしては戻ってきてくれただけでも嬉しいのに、彼女は成仏していった今はもう名も無き女の子の魂を胸に、夢に向かい力強く歩み出した。
えるすりーへ2度目の初挑戦
「小純マアメ」として活動をスタートし一年も経たないころ、再びバーチャルエイベックスが「えるすりー2」の開催を発表する。
それと同時に彼女にとっては衝撃的なオーディションが告知された。
奏天まひろと共演!Life Like a Live!2出演権獲得オーディション!
彼女がこの世界に踏み込むキッカケとなったアイドルと、彼女が立ちたかったステージで共演ができるオーディション。
遠く彼方で輝き、たどり着くための道筋も朧気で、それでも活動していく中であらためて実力をつけて挑むはずだった2つの夢。
そこに向かって最短で真っ直ぐ繋がる光の道が、か細いながら確かに示された。
「小純マアメ」にとって「成仏した幽霊の女の子」とは
少し話題が反れるが「小純マアメ」にとって「成仏した幽霊の女の子」、つまり「古住ナナシ」をこう表現している。
自分が死なせてしまった、と。
確かにあのReVornオーディションで勝ち抜くことができていれば「古住ナナシ」は新たに身体を得ることで成仏することはなかった。
この表現には成仏させる決心をさせてしまったことに対する自戒の念も含まれているんだと思う。
彼女はバーチャル業界でいう「転生」や「前世」を大切に考えている。
俗に言う「魂」が同じであろうとも「前世」もまたひとりの人間であり、そこには「前世」としての感情があり、決して同一人物ではなく、ひとつの生命であり、絶対に無かったことにはできない存在であると。
だからこそ彼女は配信などで軽々しく「成仏した幽霊の女の子」について語ることはないし、まるでこの世界から姿を消す道を選んだ幽霊の女の子の意思を尊重するかのように、その子の名前を口にすることもない。
自分がこのnoteを書くのに悩んだ要因の最たるところでもある。
それでも彼女にとっては間違いなく大切な存在で、彼女があげる歌ってみたには強く、本当に強く表れており、言葉では言えない思いを歌に乗せている。
以下がその例だ。
・ReVornオーディション公募の約1年後
【Henceforth】
歌詞
あぁ 君はもういないから 私は一人で歩いてる
・古住ナナシが成仏した1年後
【幽霊東京】
古住ナナシが1番だけ歌ってアップしていた幽霊東京、それを小純マアメが最後まで歌った
背景にも隠された数字がある
・1stオリジナルカップリング曲
【popstars】
歌詞
ねぇ 忘れてないよね 古くからある夢見た住処
大切な自身のオリジナル曲、歌い出しに込められたもう呼ぶことのない名前
・古住ナナシが成仏した2年後
【踊る幽霊】
歌詞
君は大丈夫 僕みたいになるなよ 踊れないしね じゃあな、また会おうぜ
古住ナナシから小純マアメに語り掛けるような作品
・サマーウォーターコレクション 5作目
【あの夏が飽和する。】
歌詞
君がそばにいてくれたからここまでこれたんだ
だからもういいよ もういいよ
死ぬのは私一人でいいよ
・古住ナナシが成仏した3年後
【Ghost of a smile】
歌詞
そして僕がいなくなっても 君はきっと一人で生きていけるよ
映像の最後にもぜひ注目してほしい作品
いろいろ並べたが、これ以外のカバー曲もメッセージが含まれているととれる楽曲も数多くある。
小純マアメから古住ナナシ、古住ナナシから小純マアメへの思いを想像しながら聴くとまた一味違ってくるので、またあらためて聴いてみてほしい。
オーディションでの激闘
少しのつもりだったが話題が大幅にオーディションから反れてしまった。
話を戻すと「Life Like a Live!2出演権獲得オーディション!」は彼女にとって夢を叶えられる、しかもそれが2つ同時に叶うオーディションだ。
このオーディションは俗にガチイベと言われる視聴者から集まったポイントが一番多い演者が合格となるタイプであり、逆の見方をすれば視聴者にも負担を強いる内容のため参戦を悩んだが、こんなチャンスが将来二度とこない可能性もあるため決意したと本人も語っている。
オーディションは前回と同じSHOWROOM。
詳細は省くが最大限効率的にやろうとすると演者にもかなり不定期な睡眠が強いられる。
それでも視聴者に負担を強いる以上、自分でできることはなんでもやった。
決して安いものではない定刻起床装置も買った。
また参加条件にある3Dモデルは持っていなかったので、慣れないながらも自作した。当然オーディションが終わってから作り出したのでは間に合わないため、その前から使用できないかもしれない3Dモデルの製作に着手していた。
オーディションは苦戦続きの日々だった。
なんとか3位で上位2名に食らいついていくものの差は最終日に近づくにつれ徐々に徐々に広がっていった。
私も期間中は極力応援していたが、ファンとしても差が縮まるどころか広がっていく日々に焦燥感がつのっていった。
これは後日語られた内容だが、実のところオーディション期間中は何度も何度も心が折れかけていたようだ。
それでも最後の最後まで小純マアメは配信でもTwitterでもネガティブなことは一度も口にしなかった。
挫けそうになる度に前述のファンサをみて心を奮い立たせていた。
後に「不屈のアイドル」と言われるまでになった、この最後まで諦めない姿勢にファンが応えることになる。
オーディション突破!憧れのアイドルと共演
下の画像は有志がまとめたグラフ(二次利用連絡不要のためお借りしました)だが、これがガチイベの怖さとも言うべきか最終日、最後の最後で上位3名のルームで猛チャージがかかる。
その中で誰よりも飛び抜けていったのが小純マアメのルームだった。
こうして古住ナナシとして叶えられなかった、えるすりーのステージに小純マアメとして立つこと、憧れて背中を追い続けたアイドル奏天まひろと共演する権利をつかみ取ったのだ。
一人の少女がその身が果てても再び立ち上がり、険しいオーディションを勝ち抜いて掴みとったテージで歌い踊る姿、応援してきた女の子がまさに夢を叶えた瞬間をみた多くのファンが涙したのは想像に難くなかった。
現在に至るまでの小純マアメ
ここまで4000文字程度書いてきたが、この時点でまだ活動開始から1年と少しの出来事である。
ここから現在に至るまで個人Vtuberグループ「いまぴーす」加入・解散、音楽プロダクションサークルRe:fAceのユニット「StarryWink」加入やRe:fAce正式加入、様々なライブイベントへの出演、そして奏天まひろの活動休止など書きたいことはまだまだ尽きないが、このnoteを書き始めて4時間30分、このペースでは全てを語りつくすには時間が全く足りない。
時間なんかいくらでもあるんだから書けばいいじゃないか、とも思われるかもしれないが、このnoteで一番伝えたいのは次の見出しにあることだからである。
1stワンマンライブ開催!
そんな軌跡を残してきた彼女が誕生日でもある来月10月31日に初の現地ライブが開催する。
ちなみに上にも貼った小純マアメとしての初ツイートも10月31日であり、まさに産まれた日だ。
そう、なんにせよライブに間に合うようにnoteを仕上げたかったのだ。
平日木曜ではあるが、お近くの方はぜひ現地へ、お遠くの方はお休みが取って行こう。どうしても難しければ配信もあるのでぜひそちらで。
おわりに
今回なぜこのタイミングで長々と「こずみん」こと「古住ナナシ」や「小純マアメ」を語ったかというと、どうやらこのライブ、物語形式で進むようなのだ。
またライブの配信サイトであるZ-anのページにはこんな文言があった。
「この物語は泡沫で終わらせない」
そう決意し、4年間歩み続けた小純マアメはとある""街""に辿り着く。
その”街”はどこかで見たことがあるような、でも何も思い出せない街。
誰からも忘れ去られた深海の街、”ロストシティ”だった。
「どうか、あの音楽を思い出してー」
欠け落ちた記憶と音楽を探す旅が、今始まる。
もしかしたら何か当時のことを匂わせるようなシーンもあるんじゃないか、そうなると最近「小純マアメ」を知ってライブを観てくれた方には伝わり切らない情報が入るんじゃないか、という1ファンの勝手なお節介な面でもある。
もしライブの構成がそうでなかった場合は本当にただただ空回りしたnoteでしかないが、そうでなくてもいつかは文字に残しておきたかった内容なのでそれはそれでヨシとする。
一人でも多くの方に「小純マアメ」の1stライブを観てもらえることを願って。
もしもここまで読んでいただいた方、長文駄文に貴重なお時間を割いてお付き合いいただき、本当に感謝します。
ありがとうございました。
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