デザフェス後日録2:振り返りと今後について

ひとつ前の記事(デザフェス後日録1:アンケート結果について)の最後に挙げた3つの点について、こちらの記事で詳細に書いていきたいと思います。今後のことについては、最後にまとめています。乱文・長文ですが、何卒ご容赦ください。

< 目次 >1、タイムテーブルについて2、整理券の事前配布について3、15時の列形成について4、今後について


◇◇◇


1、 タイムテーブルについて


まずは当日のタイムテーブルをおさらいします。こちらは、うさぎ帝国のtwitterや公式サイト、公式LINEで事前にお知らせしていた内容です。

・11時〜12時:先着20名さまご案内・12時〜14時:整理券をお持ちの方のみご案内 (※整理券は事前に抽選のうえ配布済)・14時〜15時:ブース全体休憩・15時〜:整理券不要のフリー入場

はっきり言ってこのタイムテーブル自体が問題でした。これが原因で色々な問題を発生させることになってしまいました。まるっと見直す必要があります。


・なぜこのタイムテーブルにしたのか

ここで、過去のデザフェス出展について振り返らせてください。初めて出展したのは2017年5月のデザインフェスタvol.45です。知人に勧められて出展を決めました。うさぎ帝国としても、また作者である私自身も、こういったイベントに出展するのは、これが初めてでした。「20人くらい来たらいいかな……」くらいの気持ちで、Sブースを1つだけ借りて、余ったのを持ち帰るのも大変なので大した在庫も用意しなかったのですが、なんと長蛇の列ができてしまい、グッズは2時間ほどで完売してしまいました。初めてのイベントで完全に想定外の規模になってしまったので、全く対応が追いつかず、会場のスタッフさんや、来てくださった方々には本当にご迷惑をおかけしてしまいました(若干トラウマ)。2回目の出展の際にはきちんと準備をしなければと思い、物販や列整備の経験がある方のアドバイスに基づきタイムテーブルを作りました。それが前回、2017年11月の出展です。整理券や先着のご案内、フリー入場などはこのときに作った仕組みでした。

当然ながら1回目に比べ、2回目はかなりスムーズな運営ができました。よって3回目の出展となった今回も、「前回うまくいったから」という理由でほぼ同じタイムテーブルを採用しました。


・振り返りと改善点

もちろんこのタイムテーブルにも利点はあります。整理券を導入すれば、待ち時間を有効に使ってもらえる。フリー入場時間を設ければ、整理券を持っていない人にも来てもらえる。先着制度を作れば、早朝から並んでくれた人を優先的に案内できる。

しかし、あまりうまくいきませんでした。後述する15時の列形成の問題についても、マナー云々の前に、そもそも「15時から一斉にフリー入場スタート」という仕組み自体に無理がありました。先着を狙って来たけど間に合わなかった、という方にとって、その後15時まで待たなければいけないというのも、不親切なルールになってしまったと感じています。

また、事前にお知らせしているとはいえ、当日になってうさぎ帝国の出展を知ったという方も多くいらっしゃいました。そういった初見の方々へ説明する際にローカルルール感が出てしまい、参加しづらい雰囲気を作ってしまった可能性もあります。デザフェスというオープンな場所にはあまりふさわしくないなと、ルールを作るにしても、もう少しシンプルでわかりやすいものが望ましいかもしれない、と感じています。


◇◇◇


2、 整理券の事前配布について


・なぜ整理券を事前配布にしたのか

前回、2回目の出展のときは、整理券を当日手配りしました。開場の11時から先着順だったのですが、10分足らずでなくなってしまい、「早朝から並んでいたけどブースの場所がわからず、迷っている間に終わってしまった」「地方から行くので早朝から並べない」「急いで向かったが目の前で終わってしまった」などの声も多くいただき、改善の余地を感じていました。1回目のときのように、ただただ皆さんを長時間並ばせてしまうことは避けたいので、整理券の導入は必須でした。より来場者の負担が少なく、できるだけ平等な整理券の配布方法はないかと考えた結果、今回は事前に抽選を行い、電子版を配布することにしました。抽選なので遠方の方が不利ということもありませんし、あらかじめ整理券が手に入るかどうかわかっていれば、一か八かで早起きする必要もなく、他のブースを回るための計画なども立てやすいのではと考えました。画像でお送りするため紛失の心配も少なく、時間通りに来て画面を提示すれば良いので、来場者にとっては負担が少ないかなと。ただし調べても似たような例が見つからず、前例がないため、実験的な試みでもありました。


・振り返りと改善点

結果として、めちゃくちゃ良い試みだった!……とは言い難いと感じています。主に3つの問題点があります。

まず1つ目に、大きな反省点として、発行した整理券の数が少なかったことが挙げられます。これは配布方法以前の問題です。今回は直筆のグッズを多く販売していたため、選ぶのに時間がかかることを踏まえて発行数を決めました。しかし思った以上に回転が早く、誰も買い物をしていないのに整理券を持ってないと買えない、という状況を作ってしまいました。実は前回も整理券の数が少なく、今回はその倍の数だったのですが、それでも少なかったです。

2つ目は、当選者をリスト化してチェックしていたのですが、来なかった方が意外と多かったことです(当選者の3分の1ほど)。確かに事前配布にすれば、当日配布に比べて来ない確率が高いというのは、少し考えればわかることでした。なお、予想外のトラブルや体調不良など、事情は様々あるかと思いますし、来なかった方々を責めるような気持ちは一切ありません。

3つ目は、整理券に落選した時点で、デザフェスに来るのを諦めてしまう方がいたことです。これも考えれば予想できたことでした。参加されなかった方のアンケートで「整理券が当たらなかったので行かなかった」という意見もちらほら見かけました。うさぎ帝国ブースに限らず、デザフェスはとても楽しい空間なので、そこに参加する機会を奪ってしまったことを申し訳なく思っています。

アンケート結果を参照すると、整理券の事前抽選・配布について「良いと思った」が64.4%だったので、この方法が大失敗というわけでは決してありません。今回の学びを踏まえて、改善のための工夫が必要だなと強く感じています。


◇◇◇


3、 15時の列形成について


・なぜ14時〜15時の間、ブース自体を休憩にしたのか

タイムテーブルの通り、14時〜15時の間、1時間の休憩をいただきました。ブースでの販売自体を休止し、スタッフはほぼ出払っている状態です。

この1時間のブース休憩は、先述の通り前回と同じ仕組みを採用したため盛り込まれたものです。では、そもそもなぜブース自体を休憩にする必要があったかというと、そうでもしないとスタッフの休憩時間が取れない可能性が高かったからです。

前回、前々回の様子から、列がいつ途切れるのか、ブースがいつ頃落ち着くのかが全く予測できない状態だったので、交代で休憩をするタイミングを見計らうのは困難だと判断しました。また15時からのフリー入場がもっとも混雑するため、スタッフにはその前にしっかり休憩を取ってほしいという意図もありました。ちなみに今回は列整備スタッフが3人、在庫管理スタッフが1人、レジスタッフが1人、合計5人+作者という体制でした。もう少し人数が多ければ交代で休憩できたかもしれません。


・当日、何が起きたのか

こちらとしては前回同様、15時から列形成をし、フリー入場をスタートしようと考えていました。しかし15時より早い段階で、独自に待機列が形成されていました。もちろんこちらは15時以前に案内はしていなかったのですが、かなり長い列になってしまい、時間通りに来た方からその場でクレームが入ったりもしました。


・なぜ防げなかったのか

正直に申し上げると、「前回、特に問題なかったから」という理由で楽観視しており、結果としてこちらの対応が間に合わなかったからです。本当にごめんなさい。

しかし、一応理由があります。なぜ、前回は起きなかった問題が、今回は起きてしまったのか。言い訳がましくなってしまいそうですが、良かったら聞いてください。


・振り返りと改善点

まず、ブースの位置です。前回も今回も、ブースの規模は同じ(Mブースを2つ)でしたが、場所が大きく異なりました。前回は他のブースに挟まれた場所だったため、待機列はブースから離れた壁際で形成していました。しかし今回はブース自体が壁際にあり、左右に他のブースもなく完全に独立した場所だったため、待機列はブースから直で形成できる状態でした。

画像1

↑前回のブース位置。列は少し離れた壁際(画像では“C”に重なる横の点線沿い)に形成。

画像2

↑今回のブース位置。列はすぐ横の壁際(画像では“G”に重なる縦の点線沿い)に形成。

よって、前回はスタッフの指示がないと並ぶ場所がわからない状態でしたが、今回は来場者から見てもどこに並べば良いか一目瞭然でした。また、前回のように他のブースに挟まれていれば、ブース付近にたむろしていると迷惑になりますし、人通りが多いためすぐに解散させることができました。しかし壁際は人通りも少なく、ブースの裏側に当たる場所なので、他のブースに迷惑をかける心配もありません。心理的にも並びやすい場所です。

また、休憩中はスタッフがほぼ出払っていましたが、誰かしらは必ずブース内に待機していました。しかし独自の列が形成されていた場所が、ブース内からは完全に死角になっていたため、気付くのが遅くなってしまいました。

画像3

↑画像のように、L字パネルの裏側に列が形成されていました。

さらに、ここが難しいところなのですが、ただ壁際に長蛇の列ができているという理由だけでは、私たちが解散させるには限界がありました。何の列なのかがはっきりとわからないためです。

独自の列ができていると気付いた時点で、パネル付近に並んでいた方にはスタッフが声をかけ、何度か解散させていました。しかしブースから離れたところを先頭にして壁沿いに列ができてしまうと、果たしてうさぎ帝国の列なのか、わからなくなってしまうのです。うさぎ帝国単体のイベントではなく、あくまでデザフェスなので、ブースの外のことには必要以上に関与できません。

「いやいや、どう考えてもうさぎ帝国の列だろう」と思われるかもしれません。いや、確かにそうなんです。おっしゃるとおりです。上に書いたのは言い訳に過ぎません。気付いたときには解散させられない規模の列になってしまい、どう対応したらいいかわからず判断が遅れてしまいました。「壁際なのにその程度のことも予測してなかったのか?」と思われた方、返す言葉もありません。デザフェスは某同人イベントとは違い、ブースの位置も抽選ですし、そもそも長蛇の列ができることをあまり想定していないイベントではありますが、多忙にかまけてリサーチを怠ってしまいました。

その場凌ぎではありましたが、既成の列を無視して、15時に全く別の位置から改めて列形成をし直す、というのが、こちら側の精一杯の対応でした。

仮に「15時まで並ばないでください」という旨の張り紙をしていたとしても、結局壁際にたむろしてしまうことは避けられなかったように思います。普通に考えて、早い時間に来て並ぶのは当然のことですし、完全にこちら側の落ち度です。先述のとおり、15時から一斉にフリー入場をスタートさせるという仕組み自体が問題でした。


◇◇◇


4、 今後について


諸々の問題を解決するために、具体的に何をやっていくべきなのか。一部スタッフも交えて反省会を行い、色々と考えました。

・事前抽選問題事前に抽選するなら、整理券ではなくファストパスのようなものを作ったらどうだろうか。知らなかった人が損をするような仕組みになるかな。でもファストパスってそういうものだし、全員を幸せにするのは不可能だから、知っている人が優先されるのは仕方ない。ファストパスを作るとして、個数に制限がつくので抽選になって、結局落選した人が来ない可能性も。当日出展を知った人も買えなくなってしまうかな。……
・ルール問題何かしらルールを作るなら、できるだけ広く発信していく必要がある。twitterは流れてしまうので、公式LINEの認知が必要。メルマガ等も検討?仕事が増えるので、誰かにやってもらわないと手が回らないかも。……
・整理券問題先着制度はなくして、ある程度の列ができたらその場で整理券を配布しよう。結局先着順になるから、遠方の人からの苦情がまた増えてしまうだろうか。でもそればっかりはわかってもらうしかない。遅い時間でも完売しないように潤沢な在庫を用意すればいいかな。そんな余裕あるかな。……
・在庫問題在庫の用意。出展のたびに来場者が増えているので、予測よりかなり多めに準備しないと足りない。前と同じものだと飽きるし、ある程度の新作は出さなければ。たくさん作っても在庫の保管場所が足りないかもしれない。事前の出費も増えるので、ちゃんと回収できるようにしないと。直筆グッズは個数制限を設けたとしても、ちょっと準備が大変かも。……
・スタッフ問題ブース休憩は廃止して、ずっと開けておくようにしよう。スタッフを交代で休憩させるためには、今の人数では難しい。単純計算で倍は必要?そこまでじゃなくても、事前にしっかりとミーティングが必要だし、ある程度の事態を想定したマニュアル的なものも必要かもしれない。できれば場慣れしている人がいいけど、どうやって募るか。人件費も考えなければ。……
・運営方法問題他のイベントやブースのやり方を参考にしたい。でも、同人イベントとはお客さんも運営側の都合も違うし、デザフェスはそもそも長蛇の列ができることを想定していない。デザフェスに出ている人で、同じような状況の人っているのかな。調べた限りでは見つからなかった。あんまり規模が大きくなりすぎると、デザフェス自体の雰囲気を損なったり、出展するだけで他のブースの人たちに迷惑がかかるかもしれない。……

まだまだ色々あります。現段階ではっきりと、今後こうします!と断言できることが少なく、がっかりさせてしまったでしょうか。

しかし1つだけ結論として言えることは、「今の規模のままでは対応できそうにない」ということです。もしかしたら、デザフェスへの参加自体を考え直す必要があるかもしれません。

もちろん、上にも書いたとおり、明らかに問題だった仕組みは廃止していきます(ブース自体の休憩など)。しかし全体的に、ざっくり言うと「大人数に対応する方法」を考えなければいけない状況です。言い方を変えれば、できるだけスピーディーかつスムーズにお客さまを捌く方法。でも、デザフェスってそういう場所じゃないんですよね。

今まではうさぎ帝国として、個人規模で出展しているという気持ちでいましたが、それ自体が問題だったかもしれません。皆さまと直接お会いできる機会がなくなるのは寂しいですし、とても勇気付けられるので、今後もイベント自体は続けていきたいと思っています。ですが、デザフェスにこだわらなくても、もっとうさぎ帝国ならではの良い方法が他にあるのかもしれないな、と考えているところです。次回、5月のデザフェスに出展するかどうか(そもそも応募するかどうか)は未定ですが、イベント自体は何かしらの形で今後も継続していきますので、どうか見守っていただければ嬉しく思います。

長々書いた割にはいまいち結論付けられず、せっかくここまで読んでくださった皆さまには申し訳ない気持ちです。ですが、正直に書きました。

今回のデザフェスについて、出展側からは以上です。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

◇◇◇

今回アンケートを実施した意図や、個人的な想いについて、おまけの記事を書きました。興味のある方、よろしければお目通しください。

→次の記事『デザフェス後日録3:おまけ