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コスパ世代:現代若者の学びと働きへの視点

近年、学ぶことや働くことに対する価値観が変化してきていると内田樹さんは言っている。現代の若者たちは物事の価値を「コスパ」で判断し、短期的な効果や利益を重視する傾向にあること言うのだ。

例えば、1000円の買い物をし、後に500円に値下がりした際に「損をした」と、瞬時にコスパを評価するようになりました。この思考は仕事にも及び、インターネットやYouTubeなどで楽して稼げる方法を見つけると、苦労して稼ぐ意義や価値を見失うようになってきます。また、大学教育に対しても「すぐに効果が見えない」と疑問を持つ傾向にあります。

このような現象は、ショートスパンで物事を考え、最小限の努力で最大の成果を期待するという、ポンジ・スキームという高利回りを謳って投資家から出資を募る詐欺的な手法に似た思考パターンだと言うのです。短期的な利益に飛びつくが故に、長期的な人間力の向上や深い学びがおろそかになる傾向があります。

さらに、仕事の分業化が進んだ現代社会では、個人が製品の作成から販売までの全過程を経験することは難しく、充実感や達成感が得られずに、多くの人々が「仕事はつまらない」と感じています。家庭に帰っても「家族のために我慢して働いている」と自然につぶやきます。結果的に、お金を稼ぐことが苦労の対価となり、若者たちが会社に魅力を感じなくなる一因ともなっています。

これらの考え方が、学びや働きに対する意義の喪失につながっているのです。短期的な利益や楽を求める思考が、本来の学びや働きの価値を見失わせ、長期的な成長や充実感から遠ざけているのではないでしょうか。人間としての成長とは、短期的な利益追求ではなく、長期的な視点での努力と学びによって得られるものです。大丈夫なのでしょうか日本の未来。

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