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俺と、結婚してください。

陰性

R-1グランプリを見た翌日からデタラメに体調を崩して、映画を見るしかねえとなったので病床に伏しながらDisenchanted(魔法にかけられて2)を見、ビバリウムを見た。高熱の時に見る映画として抜群の並び。あとストレンジャーシングスのシーズン1を見返してやっぱ面白すぎる!!とはしゃいだりもした。
もうずっとDisenchantedのこと考えてる。
・続編を、やるぞ(続編は、楽しい)
・作曲はアラン・メンケンに決まっている
・ディズニー映画のセルフオマージュをたくさんやるぞ
・イディナ・メンゼルに歌ってもらうしかねえ!
みたいなお祭りの映画だった。まあ~~曲とビジュが良い。

転生ガチャに勝ちましたわ♪みたいなミュージック、おもろいし美しい。

これは芸歴制限のない世界線のR-1グランプリ最終決戦↓

そう、R-1グランプリ2023が終わってしまい、寂しいですね。寂しさからの高熱だったのかもしれない。
私がYes!アキトに足を踏み入れたのとちょうど同じくらいのタイミングで芸歴制限事変があり、R-1グランプリ(カタカナ)が始まりました。
今年は3回目のカタカナグランプリであり、私が予選に通った3回目のR-1。
アキトがラストイヤーなのでこんなに真剣に見るのも今年が最後かなあと思っていたけど、相変わらず2回戦とアフタートークが楽しすぎたので来年も見てしまいそう。R-1グランプリは2回戦とアフタートークが楽しすぎる。

漫才、コント、ピン芸、ギャグ

Yes!アキトは新ギャグ50ほん配信という無観客ライブを毎月やっていて、これを初めて見た時衝撃だった。
みなさんはギャグを50本、ギャグを見るためだけに時間を割いて、集中して見たことはありますか?
宇宙が50個あるんですよ、ほんとにほんとに。
もうちょっとカジュアルに言うとこれ。

サイコーのご飯のお供をたくさん並べてもらって俺は白飯の茶碗を持ち……みたいなイメージです

出典:俺の過去ツイ

いかの塩辛ってひとつの宇宙じゃないですか。下手な肉料理より美味いじゃないですか。

1本ネタとしての羅列には「セトリ」という概念があり、これはたかだか2年見てるだけ(しかもそのうち1年はコントの形を調整していたしな)の自分にはもう到底理解が追い付かないんだけど、とにかく羅列にうまいこと緩急がついている。知らない技法で知らない文化。だからギャグを見るという土壌が備わってないとついていけないってこともあるんじゃないかと思う。寄席形式のライブで、漫才、コント、漫才、コント、という香盤の中でアキトが出てきてギャグの羅列を披露してるのを見た時、あっこれ私今、違う脳を使っている、と思った。
この喩えはよく考えてしまうとあんまり適切じゃなくて、でもこれがしっくりくることもあるので使っているんだけど、コントの一番最初のバラシでドカンとウケるところ、アキトのギャグはこのバラシのところだけをドンと見せてくるような情報量とエネルギーがあるな、と思う。なので寄席の中でギャグの羅列を見るとき、さっきまで大きくてスパンの長い波を受信していたのが、早いテンポで押し寄せてくる、みたいな。シチュエーションが次々変わるのについていかなきゃいけない、さっきまでと見方が違うぞ、となる。

ピン芸とは別枠の1ジャンルに計上されるギャグ

アキトひいては怪奇は、ギャガーであると同時に、ギャガーの見方を人々に伝播する存在だよな~と思っている。
怪奇のYouTube、2人が野次を入れながら1人を撮るというスタイルが多く、これが本当に見やすい。
極端な例だとこれ↓

(わ、わかいな……)
ピンネタとして成立しているけど、二人の笑い声と野次があると、ここを面白がるのかというのが大変わかりやすい。それは野暮でもあるのだが、この世には必要な野暮もある。と思う。
怪奇は世に『どんぐりたけし』を提示したという功績もデカく、

これはサツマカワとアキトの笑い声が入りすぎているという動画。のちに怪奇のトリオネタとして界隈を席巻し、サマンサタバサ案件を獲得するまでに至るムール貝、の原型、後半マジで二人しか笑ってない時間がある。
サツマカワとアキトがどんぐりで笑うから、我々もどんぐりたけしの楽しみ方を覚えた、という節が少なからずあると思う。

アキトのギャグを見る動画もそうで、「面白すぎる」「あーいいですねw」「(客に)委ねすぎだろ」などがあることで、視聴者はそういう味わい方を自然と覚えてしまって、野次がなくてもギャグを120で楽しめるようになる。
というかサツマカワはアキトのギャグが好きすぎる。

好きだから負けたくない(光る文字)

これがねえ撮り手にサツマカワRPGがいるというのも重要だと思っていて、やっぱり俺たちは、サツマカワRPGが面白いと思うものを、面白いと思いたいじゃないですか。という言い方はちょっと乱暴だけど、サツマカワがこんなに床転げまわって笑ってるということで、少なくとも未知のものに対する入り口が、懐疑的じゃなくなると思う。面白くない人に俺の好きなお笑いを見てくれよ!と言われたら、ふ~んどんなもんか見てやろうじゃんと到底笑う準備なんかできてない人の態度になってしまう、その逆。

Yes!アキトのギャグは面白すぎる、1本1本がネタとして強すぎる、これはYes!アキトのファンのみんなたち、怪奇を見る者たち、アキトのことをそのように褒める芸人一帯をよく見てるお笑いのオタクたちにとってはもう既知の事実なのだけど、これがちょっと外に出ると、全然「所詮一発ギャグは一発ギャグ ネタではない」と思われているので、全然思われてるんかい!とびっくりすることがある。お笑いをそんなに知らない層の話ではなくて、めちゃくちゃお笑いとずぶずぶの人たちも全然そう思ってたりするので、ギャグを評価する価値観が伝わってないんだ、と思う。けっこう勇気をもって「伝わってない」と書いた。ギャグというジャンルのレベルが低い、あるいは好みの問題でギャグを高く位置付けない、ということではなくて、それ以前に、一本ネタとしてギャグの羅列を見ることにまだ人々は慣れてなさすぎる、と思っている。
それでもアキトや怪奇はギャグをここまでの地位に持ってきたわけで、まだまだ、まだまだもっとこれから伝わっていくんだろうと思う。

ピンネタを見るのは難しい。見る側の鍛錬がいるだろこれ、といつも思っている。そして時々全然いらないピンネタもあり、すごすぎる。
街裏ぴんくが何をやっているかわかりますか?『ツッコミというボケ』をやっているんですよ、一人で。面白すぎて忘れがちだけど、なんて高度なことをやっているの。それがこんなに大勢に伝わっていて、すごい。

私だけのマイ銀河

R-1の情報を追う道中、いろんな人のnoteを読んだり、YouTube見たり、各種ラジオを聴いたりする中で、戦士側の書いてること喋ってることの方が圧倒的に面白かった。何が特に面白いかというと各々が「R-1グランプリ攻略法」に近づいていく感じが。面白いピンネタとはこうである、という話ではなく、R-1グランプリはこう戦ったら勝てる、の部分。審査員が勝ち方の話をするわけはないので当たり前なのだけど、攻略法方面の話がかなり面白いのと、ネタが面白いのはもう全員面白いだろ(そう…)も相俟って、審査員コメントもまあ、攻略本の一ページでしかないなあと思えてきてしまったり。外野の批評はなんかもう違うゲームの話をしている。波動拳波動拳(アキトが決勝で"やらなかった"ギャグ)。

有力戦士が去年でごそっと卒業し、その上吉住が不出場の今年は「ガバガバ」だと、去年の年末誰かが言っていた。
で、来年はよりガバガバになって、いよいよどんなメンバーがファイナリストになるんだ!?が高まっていきそう、保守的選出もしてらんないくらいじゃないのか。

R-1グランプリ、今までの3回とも、ファイナリストという集団が相当良くてそこに惚れている。
1回目はこう

復活枠はマツモトクラブ

個性豊かで勿論ネタの強さが間違いなく、若い若い大会にするんだという気概も伝わってきそうなめちゃくちゃ良い10人。今見るとこの年誰もラストイヤーじゃないのすごいよな。
若すぎてアフタートークで賀屋がたった一人で全部を喋っていて、これ以来私は賀屋のことをとても頼りになる男として見ている。
ZAZYがいるおかげで男性楽屋は殺伐としていたが女性楽屋は穏やかで仲良しだったみたいな話があってかわいい~♡と思ったのを覚えている。
フリップ工夫大会の趣があり、R-1グランプリが見せ方工夫大会であるという無視できない軸はここから既に。
というか普通目を引くフリップじゃないと勝てないのにシンプルに大喜利が強すぎて毎年勝ち上がっている寺田先生がちょっとすごすぎるとかもある。

2回目

復活枠はアキト

8人に減ってすこし寂しい…けど2時間の決勝も意外と見やすいですねとなった。
本番当日の楽屋でサツマカワ(とアキト)が一生SNSをやっていたことでだいぶわちゃわちゃできる良い空気になっていたような。
優勝準優勝の二人の対立構造が素晴らしかった(そして1年間素晴らし続けていた すごい)のはもちろん、最終決戦に全く興味のない6人、という自由人だらけのR-1らしい関係性が楽しかった。8人それぞれからそれぞれに関係性の矢印が出ていて楽しすぎる。
セミファイナリストの裏話が全部良すぎて相関図を作りかけたが、30人の縦横無尽相関図は流石に無理だった。

マイ銀河(頓挫)

R-1に勝つためのネタと向き合っていたkfがラストイヤーを終えてまさに「卒業」みたいな前向きな捉え方をしていたのが印象的だった。

3回目の今年

やっぱりこんなにファイナリストがぎゅっとできているのはサツマカワとアキトがいるからなんじゃないかと思う。
アフタートーク良かったですねえ。延長にもなって良かったです。
マンゲキの方のアフタートーク(R-1グランプリにはアフタートークが2個あり、片方しか"R-1グランプリ"アフタートークを名乗れず、もう片方には嘘の名前がつくという謎のシステムがある)も見たんですが、真輝志の話が上手くて足が長かったです。
そういえば去年のマンゲキの方のアフタートークで理音のフリップネタについて喋る時間があって、そこから一年でバトリオンを仕上げて優勝まで駆け上がったのか~とエモい。
準決勝~復活ステージの裏話が東西の奇人たちのクロスオーバーって感じで楽しくて大好きなのですが、今年は村民が銀行印投げた話が一番好きでした。

俺と、結婚してください。

プロポーズは成功したはずなのに、ここはフェアリーテイルライフじゃないから、ハピリーエバーアフターで終わってくれない。
これからもギャガーは頑固にそして時に変容しながら己の道を突き進んでいくのでしょう。
そしていつまでも幸せに、あ、椅子こっちか。


ボーナストラック

●R-1グランプリ2023関連動画を闇雲に再生リストにぶちこんでいます
(2回戦あたりは特に私が知ってるかとかで入れてるので偏りがある)

2022年版は何故か前後編に分かれている

一応2021年版もあったけどすごいちょっと

●銀行印
徳原目線(43:25くらいから その前後も楽しい話)

村民目線

●2020ラストイヤー不戦敗の曇天三男坊(希望の光の擬人化みたいな相方にドジされた結果長らく苦しんできたR-1からフェードアウトすることとなるの物語として美しすぎる←TCクラクションの大ファンの人格)

●2021追加不合格の浜村凡平太(追加不合格て)

●コンビ解散してピンになったと思ったら突然芸歴制限に行く手を阻まれた人たち何を思う2023




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