『魔法の読書法』感想

読書初心者なので、読書法については「まゆつば」だとしてもまずかじってみようということで本書も手に取ってみた。

内容は…なんというか引用をもとに語るのが好きな人なんだなあという感想で、「著者自身は何をしている人なんだろう?」と思ってしまった。読書法自体は『すごい脳の使い方』とかのほうがよかったので、気になった点をピックアップ。

紙と電子書籍

私はこの読書活動をはじめる前後とも、紙の本を読んでいる。はじめる前は特に考えずに紙の本を選んでいたのと、はじめた後はボールペンでガツガツ書き込めるから、という理由だ。

本書では「速読のトレーニング向きの本の3つの条件」のセクションで、「実学的な」「紙の本」を推奨している。
(例によって実証実験の引用があって)結果をもとに以下のように述べている。

私達は本の内容量を、その本の大きさや重さで推測しています。また、左右の手でそれぞれ既読と未読のページをおさえることで、今自分が本という空間のどこにいるかがわかります。本の空間がそのまま物語の場面の空間に連動しており、指でめくるごとにその進行が運動として認識できるのです。
紙媒体では、「あの話はあの辺りにあったな」という読み戻しがラクにできます。しかし、電子書籍媒体では均一的なフォーマットなので、直観的に本の全体像や現在地を把握にしにくいのです。

「速読のトレーニング向きの本の3つの条件」

動画の話になるが、youtubeではシークバーで「動画の中で最も視聴された部分」を表示できるようになっている。これは視聴者全体がリプレイしたとかシークバーを移動したとかの集合体で、pornhubの形式が持ち込まれたとも話題になった。
ビッグデータ(ということばはもう古いかもだけど)を活用してこうしたガイドの役割も持たせられるので、たとえばメジャーな電子書籍についてはこうした盛り上がりポイントが明示されて要点を掴みやすくなるんじゃないかなと思う(ざっと探してみて無かったが、実装されていたらごめんなさい)。集合知にはそれを実現できる力があるはずだ。

物理的な重みとか紙をめくる感覚が良くて~とか、厚みによる地理的な把握というのは確かにわかる(し、自分もそれが好きだ)けど、そのアナログの感覚も吹っ飛ばせるイノベーション自体は起こりうると思っている。たとえばタブレットの左右重みが可変になるとか、めくりにくくするとか。ハイブリッド車の徐行時に出る音みたいな無駄をあえて設けることで、こうした課題がクリアできちゃうのではと思い、紙の本の優位性が永遠に変わらないとは限らない気がするのだ。

とはいえ、現状は全然紙の本を選ぶ
電子書籍のプラットフォームは未だに確固たるものが無く、ラインナップとサービス終了のリスクぐらいでしか差別化できていない現状を見るとあまり食指が伸びない。また先述のように、紙にペンで刻むように書く感覚が私は好きなので、やはり紙の本を選んでいる。

また電子書籍を毛嫌いはしない。
期間限定配信や話題性を集めるなど電子の強みはじゅうぶん活かせる時代になっていて、その恩恵を受けられるスマホも持っているので食わず嫌いはせずにいることは大事だろう。

あと、オーディオブックも若干気になる。『すごい脳の使い方』でもあるように聴覚系を用いたインプットは有効と感じていて、ポッドキャストのラジオなどは気軽に聞けて継続もできている。
それを書籍レベルのボリュームにするとどうなるか…紙の本のようなメモのスタイルとは異なるがトライしてみる価値はあると思う。
あとこれはライフスタイルにもよると思っていて、長時間運転する人には向いている…というのもありそう。

速読?

本書を読んでも「うおお速読すごそうやってみよう!」とはならなかったので、マイペースに読むのは変わらないと思う。
ただ、目的意識を持ったり、「3つの情報を質問の形にして」読書に臨む手法は参考にできそうだ。

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