(空白)、その後

作間くんがHiHi Jetsに復帰した。

作間くんがもし帰ってきたら、文章を書こうと決めていた。実は心の奥底で、作間くんはHiHi Jetsに復帰しない可能性の方が高いと思っていた。望まれて再加入した大事なグループに迷惑を掛けた自分がそこに戻ってくることを果たして作間くんが許せるだろうかと思っていたからだ。しかし表舞台から去る(これが最後かもしれない)機会を見送って作間くんはHiHi Jetsに帰ってきた。

決して作間くんを信じていたわけではない。元々わたしは写真以外の情報の全てをあまり信じていない。カツン担なので、ネットにも週刊誌にも事務所にも、なんなら本人にも散々振り回されてきたし、自担の言葉すら話半分でしか聞かない癖が染み付いた。真面目そうに見えて作間くんが陰では遊んでいるという旨のツイートは以前からツイッターの海でごくたまに散見されていて、矛盾しているようだが火のないところに煙は立たないというし、いつかなにかあっても驚かないようにしようと心がけていた。(にも関わらず、結局かなり動揺してしまった。)

けれどもどうして人は、他人の又聞きのような話やどこからともなく始まった憶測を簡単に鵜呑みにできるのだろう。作間くんの活動自粛は写真以上によろしくない理由があったからだと、さも事実のように共通認識となりかけているのが怖い。〈事実〉を本当に知っているのは一体誰だろう。「知っている」とのたまう人が嘘をついている可能性は?火のないところに煙は立たないと上述したけれど、昔赤西くんが言っていたという「火のないところにも煙は立つ」ということばが、わたしは忘れられない。ファンのネットリテラシーの欠如が、サマステ配信の際のタグ騒ぎを引き起こし翌日のライブのMCでのメンバーの謝罪を招いた。10日後に流出があり、またしても少なからずファンのせいで騒ぎが大きくなってしまったのは、紛れもない事実だ。今後二度と同じことが繰り返さないためにはどうしたらよいのか、分からないまま年が明けた。本当に自粛するほどの話だったのかどうかは、もはや考えても詮無いことだと諦めた。自粛は、既に解かれた。

1/1にHiHi Jetsが発表した作間くんの文章は、必要以上に行間が詰まって読みづらい文章だったり、一人称の統一がなかったりで、大人の介入がほとんど行われてない、作間くんが考えた文章とわたしは仮定している。今までの努力が全て無に還ってしまった虚無感と、狂おしいほどの後悔と、自分への鬼気迫る義憤がそこに詰まってる、と感じた。

作間くんの文章に対して、「この期に及んでまた仕事がもらえると思っているなんて本当に反省してるのか」と嗤う内容のツイートを見かけたけれど、グループの起死回生の転機となることを見込まれて再加入した作間くんは絶対にグループにとってプラスとなるよう自分に課してきたし、この1年半、ファンからすると十分すぎる成果を上げてきた。しかしこうして尋常ではない迷惑を掛けながら復帰した身として「仕事さえもらえれば評価を得られてまたグループのためになれるだろう」という自信から来た言葉ではなく、まず存在価値のない自分なんて在ってはならないし、絶対に汚名返上する義務を感じているのだとわたしは解釈した。作間くんがストイックと一言で片付けられないくらい自分の仕事には厳しいのを、知っているつもりだ。まあ、本当は作間くんが〈何事にも〉厳しいと知っているつもりだったけれど、今回の件を経てそうではなかったことを思い知り、わたしが作間くんについて知り得ることなど所詮限られた一面にすぎないのだと改めて痛感するきっかけとなった。

正直あの日のことを思い出すと、わたしまだ作間くんの本物の寝顔を見たことがなかったんだけどな…と頬が引きつる。作間くんのことを何も知ることが出来なかった無所属の頃だったら、こんなにショックではなかったかもしれない。きっと、以前のような恋にも似た気持ちで(本当にそう思っていた)応援できるほどの熱量はなかなか戻ってこない。

ただ、板の上の作間くんに裏切られたことは今まで一度もない。作間くんなりの美学を基にこだわって追求された動作の全てが、わたしを虜にして止まない。自担は他にもいるけれど、作間くん以上に一挙手一投足の全てが魅力的だと感じる人にはもうきっと出会えない。だから、きっと観に行ってしまう。板の上の作間くんに、わたしは常に飢えている。

以前に一度HiHi Jetsのメンバーから外された経験からか、作間くんがグループや自分の夢をデビューと思っていても実際に口に出すことは数限りなく少なかったのに、1/1の文章や、らいどんたいむでははっきりと覚悟を述べている。つまりものすごく自分を追い詰めていて、差し迫った心理状態なんだろうと推測してしまう。17歳にして自分の人生をグループに捧げると話す作間くんが、またいつか自分を大事にできる日が来たらいい。そうでないと、応援するこちらも見ていて辛い。

110日と少しの間、作間くんの不在に悔しくなることは数えきれないほどあった。作間くんの姿が恋しくて仕方がないと、何度も思った。一生経験できないくらい、12月が長く感じた。帰ってきてくれてありがとうとも、おかりなさいとも言えないけれども、また作間くんをお目にかかれて心から嬉しい。今は、それだけ。

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