短編小説 猫を狩る7/7(最終回)
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部屋の中には若い男がひとりいた。二十代の前半に見える渋谷の街にたむろしていそうな雰囲気の男だった。一瞬驚いたけど、参加者は女性だとは限らない。勝手に全員主婦だと思っていたのだ。なんとなく居心地が悪くなる。参加者には男性もいるとなぜ最初に言っておいてくれなかったのだろう。驚いて棒立ちになった郁子に、向かって若い男が話しかける。
「なおくんでーす。ファミレスで店長やってまーす。俺のことはよく知っているだろう」
絶句する郁子の腕をゆりママが