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連作短編集 猫を狩る

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1 猫を狩る 猫が原因でママ友から孤立してしまった郁子は、ネット掲示板で繰り広げられる不倫ブログウォッチに嵌ってしまい…。 2 予告 高校生の娘の葉月と再婚相手の直之と暮らす早苗… もっと読む
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2024年1月の記事一覧

短編小説 猫を狩る1/7

登場人物と猫 谷村郁子 34歳の専業主婦  谷村裕二 郁子の夫。趣味は世界の王室の家系図作…

10centswriter
4か月前
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短編小説 猫を狩る2/7

最初から読む 2  ねねが谷村家にやってきたのは、花梨が幼稚園の年中の頃のことだった。ず…

10centswriter
4か月前
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短編小説 猫を狩る3/7

前回のお話 最初から読む 3  家に帰ってからもう一度、早紀のブログをチェックした。更新…

10centswriter
4か月前
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短編小説 猫を狩る4/7

前回のお話 最初から読む 4 「ママ、ねねちゃんはお医者さんに行ったの? 手術は終わった…

10centswriter
4か月前
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短編小説 猫を狩る5/7

前回のお話 最初から読む 5  花梨が寝てしまってから、もう一度早紀のブログを開いてみた…

10centswriter
4か月前
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短編小説 猫を狩る6/7

前回のお話 最初から読む 6   土曜日に真奈ちゃんを迎えに行って、坂本さんと少し話をした…

10centswriter
4か月前
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短編小説 猫を狩る7/7(最終回)

前回のお話 最初から読む 7    部屋の中には若い男がひとりいた。二十代の前半に見える渋谷の街にたむろしていそうな雰囲気の男だった。一瞬驚いたけど、参加者は女性だとは限らない。勝手に全員主婦だと思っていたのだ。なんとなく居心地が悪くなる。参加者には男性もいるとなぜ最初に言っておいてくれなかったのだろう。驚いて棒立ちになった郁子に、向かって若い男が話しかける。 「なおくんでーす。ファミレスで店長やってまーす。俺のことはよく知っているだろう」  絶句する郁子の腕をゆりママが