【OAK】ランキング圏外のプロスペクト


ザック・ローグ(Zach Logue) SP

マット・チャップマンの対価の一人。スリークォーター気味の出所が見えづらいアングルから4シーム、カッター、スライダー、チェンジアップを散らす。ベストピッチはチェンジアップ。ブレーキングボールは取り立てるほどのクオリティではないが、コマンドが抜群で素晴らしい安定感を誇っている。速球も91-93mphのレンジに留まるが、高めに投じると浮き上がるような軌道を描き空振りを強いる。

ハイフロアーなプロフィールの割に三振も奪えているのは好材料。ローテーションに何かあればすぐにでも声がかかるはずだ。


エイドリアン・マルティネス(Adrian Martinez) SP

ショーン・マナエアの対価の一人。ドミンゴ・アセベドとアダム・オラーを思わせるスペック。最速97mphのシンカーと、スクリューのような変化を見せるプラスのチェンジアップのコンボ。スライダーは発展途上にあり、コマンドは平均から平均以上との評価。

昨年はAAでの活躍後にAAAで苦戦。打者有利の環境でも好成績を残せるかに注目。


コディ・トーマス(Cody Thomas) OF

昨年、わずか59試合で18HRを放ったパワーモンスター。怪我による離脱も長かったが、実戦で残したインパクトは強く、オフに40人枠入りを果たした。

フライを効率的に打ち上げる技術はダニエル・マーフィー(元NYM)に通じるものがあるが、コンタクトスキルは本家の足元にも及ばず、空振りストライク率は16.6%と危険水準を示している。
守備はCFで計算に入れられるレベルとあって問題なし。とにかくもっとボールをバットに当てることが求められている。
今春はアキレス腱の故障で出遅れ。


ミッキー・マクドナルド(Mickey McDonald) OF/3B

俊足巧打の外野手。昨年はAAAでの56試合で打率.333、出塁率.423を記録しブレイクを果たした。

空振りストライク率8.4%の高いコンタクト力、外野に加え3Bもこなせる汎用性、失敗ゼロで18盗塁を決める走塁能力とハイフロアーなスキルセットが光る。
2017年にA'sでプレーしたジェイコブ・ブラグマンと若干被るプロフィールの持ち主で、ブラグマン同様まずはメジャー昇格を掴み取りたいところだ。(追記:4/21に昇格)



マックス・シューマン(Max Schuemann) UT

昨年、3クラスを跨いで52盗塁を決めたプロスペクト。
AAで突如打率.320と打撃開眼したが、A+では.224に過ぎずフロックの可能性も。ただ、どのクラスでも安定して四球を選べており、将来的に悪くない打撃貢献を残せるようになるかもしれない。

マイナーではバッテリー以外の7ポジションを経験している使い勝手の良さもシューマンの強みだ。ウィット・メリフィールドにプロフィールが酷似しており、ヒットツールの成長次第では本家のようになれるかもしれない。悪くてもイーライ・ホワイト(元OAK・現TEX)のように昇格は可能か。



ジェレミー・アイアーマン(Jeremy Eierman) IF

大学のソフモアから評価が右肩下がりのプロスペクト。出世を阻む最大の要因は三振の多さで、昨年はAAで36.1%のK%を記録した。三振という概念が存在しなければ、20-20ポテンシャルの好守のSSとして活躍していただろう。ある意味でマックス・マンシーが転けたらこうなるというリアルな将来像に近い。

ただ、アイアーマンにも光明がないわけではない。守備に対する評価は依然高く、SSの他に2B/3Bもレパートリーに加えた。また目の上のたんこぶだったアプローチも改善してきていると評判だ。AAではここまでOPS820と幸先の良い出だしで、もしかしたら今年がバウンスバックイヤーとなるかもしれない。


マイケル・ガルドバーグ(Michael Guldberg) OF

大学では故障の影響や、パワー不足からドラフトプロスペクトとしての評価は高くなかったが、A'sが2020ドラフト3巡目で指名。初のフルシーズンとなった昨年はソリッドな成績を残し、球団のTop30にも名を連ねた。

傘下随一のピュアヒッターであるガルドバーグは、コンタクトスキルとゾーン理解に秀でている。パワーレスとの触れ込みながら、昨年は206打席で5HRと伸びしろも感じさせた。大学時代は故障からDHが多かったが、プロではCFをプレー。プラスのランツールを活かして、堅実に守る(昨年はノーエラー)。


デビン・フォイル(Devin Foyle) OF

2018ドラフト17巡目で入団以来、ソリッドな成績を残し続けAAに到達した。

プロ入り後、常に10%以上のBB%を記録してきた出塁能力が売り。空振りストライク率9.1%とコンタクト力も伴っており、アプローチは優秀だ。昨年はパワーも成長し、投手有利なAAで12HR。上手くいけばマット・ジョイスのような選手になれるスリーパー。


カイル・マッキャン(Kyle McCann) C

2019ドラフトでも評価の高かった強打の捕手。「逆方向に右打者のように飛ばす」パワーが最大の持ち味で、打率は望めないながらも四球を量産できるアプローチもプラス。
反面、守備は苦手で一塁転向のリスクは拭えない。

初めてのフルシーズンとなった昨年はいきなりAAにアサインされて大不振に陥ったが、今季は2年目のAAで何かを掴んだ様子。ブレイクもありえる。


ブレット・ハリス(Brett Harris) 3B

守備に高い評価を得るタレント。メインポジションの3Bを中心に、大学では内野全ポジションを経験している汎用性も魅力。一方で打撃も悪くなく、ドラフトイヤーにはxwOBA.440かつK%:10%をクリアし、洗練されたアプローチを発揮。

全体的にジョナ・ブライドを彷彿とさせるプロフィールの持ち主で、DJ ルメイヒューのような成長に期待したい。


ホルヘ・フアン(Jorge Juan) SP

昨年ルール5プロテクトのためにロスター入りした怪物候補。6'8"の巨大なフレームから100mphに達する速球と大ぶりなブレーキングボールで三振を奪う。

アップサイドだけでいえば、ライアン・キューシックにも匹敵し、もし先発として大成せずとも、リリーフでバリューを出せるだろう。怪我の多さが気がかり。


グラント・ホルマン(Grant Holman) SP

90mph半ばの4シームを軸に4球種を織り交ぜる昨年のドラ6。大学時代は打者としても、他競技のアスリートとしても知られた存在で身体能力は一級品。それゆえ、クリーンなデリバリーの再現性が高いとも言われている。

今年は3者連続3球三振も記録。


その他の選手

先発投手

ブライアン・ハワード(Brian Howard)
ジャレッド・コーニグ(Jared Koenig)
ジャック・キューシング(Jack Cusing)
デビッド・リール(David Leal)
スティービー・エマニュエルズ(Stevie Emanuels)

ハワードは6'9"のフレームを誇る大型技巧派右腕。常時90mph前半に留まるが、カッターと縦割れのカーブを交え、投手地獄のパシフィックコーストリーグでERA3.00を記録している。
技巧派左腕のコーニグは昨年のAAのERAリーダー。今季はAAAでも好投。
AAのローテを回すキューシングはコントロールアーティストの右腕。
デビッド・リールのスタッツをまず確認してほしい。驚くべきはこのスタッツを彼が平均球速84マイルで成し遂げているということだ。
2020ドラフト5巡指名のエマニュエルズはスペック十分だが、リリーバーに落ち着く可能性大。

リリーバー

チェイス・コーヘン(Chase Cohen)
ジャック・ワイゼンバーガー(Jack Weisenburger)
ギャレット・アクトン(Garrett Acton)

いずれもAAでプレーするリリーフプロスペクト。スペック十分で、ネクスト・トリビーノとなる可能性も。


野手

TJ スコフィールド-サム(TJ Schofield-Sam)
カルロス・アマヤ(Carlos Amaya)
エンジェル・アレヴァロ(Angle Arevalo)
セザー・ゴンザレス(Cesar Gonzalez)

スコフィールド-サムはAでプレーの三塁手。昨年のローレンス・バトラーのようなブレイクのルートを辿るとしたらこの選手だ。
アマヤとゴンザレスはそれぞれ一昨年と昨年のクラスのInFa。どちらもヒットツール自慢の捕手だ。
遊撃手のアレヴァロもInFA上がりで、年齢の割に成熟されているともっぱらの評判。


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