写真_2019-03-12_10_08_45

8連勝中のA's!急に調子を上げた要因ってなに?

噛み合わない日々の続いていたA'sにようやく上昇の兆しが出てきました!!

なんと、なななんと目下8連勝を記録しております!!

地区順位も一気に最下位から2位にUP、首位アストロズの背中はまだ遠いもののプレーオフ圏内に着々と迫っています。

4月の時点では何もかもうまくいかず苦しんでいたチームがなぜ上昇の一途をたどっているのか?今回はそこをまとめてみました。


要因その1 マット・オルソンの復帰

やっぱりこの人の存在が大きかった...一塁手でチームの主砲のマット・オルソンの復帰は目に見えるA'sの最大の変化です。

オルソンの復帰が与えている好影響は計り知れません。

復帰初日の5/8には好守でマイク・ファイアーズのノーヒッターを演出するなど、オルソン復帰以後の勝率.750はそれ以前の.333を大きく上回ります。

では、オルソンがどのようにチームに貢献しているかを見ていきましょう。

まず最大の貢献は守備でしょう。

4月のレビューでは、昨年までの強みであった守備力がむしろ足を引っ張っているないしは弱まっているということ、その原因はオルソンがいないことにあり、オルソンが帰ってきたら改善する課題だということを書きました。

5/3時点でのチームDRS+1はMLB全体18位という微妙な数字でしたが、オルソンの復帰した現在は+11の13位と数字を伸ばしています。

また、チームの顔であり最高級の守備で鳴らしているチャップマンの守備力にはオルソンの有無が大きく関わっていることがわかります。
5/3時点でのチャップマンの守備指標はDRS+1、UZR/150でも4.9と低調でしたが、現在はDRS+7、UZR/150でも5.1と上昇傾向にあります。

打撃専門の選手が入ることもあり、軽視されがちな一塁手ですが、守備の良い一塁手がチームにどれだけの好影響を及ぼすのかというのがよくわかるでしょう。


また、オルソンの与える影響は守備にとどまりません。

彼が2017年に新人ながらもホームランの量産で話題を呼んだことからわかる通り、オルソンはスラッガーとしての資質も高く評価されています。

オルソンは打率こそ昨年とはほぼ変わらないものの、他のほぼすべての成績で昨年を上回っています。

中でも目につくのがOPSの上がり幅です。
昨年も29本の本塁打を放ち、70四球もリーグトップ20に入る高数値でしたが、OPSは0.8を切る.788と物足りない結果に終わりました。

しかし今年はこれまで.869で、出塁率.350&長打率.500越えと言う好成績です。

打撃に影響のある右手有鈎骨の骨折を負ったオルソンはなぜ打撃で向上を見せているのか?

その要因の一つは「バントヒット」かもしれません。

オルソンは極端なシフトを引かれることの多い選手でしたが、今年はセーフティバントをすることでそのシフトに対抗しています。バントヒット3本は既にリーグトップタイ(しかもオルソンはわずか19試合のうちに)を記録しています。

極端なシフトが引かれることの珍しくないMLBですが、それでもセーフティバントを駆使する選手は多くありません。それならゴロなんて打たずに頭を越すフライ、ライナーを打っちゃえ!と言う考えがMLBの主流だからです。

オルソンも本来はそういうタイプのパワーヒッターで、昨年はバントヒットは見られませんでした。今年からセーフティを仕掛けるようになった理由は怪我の影響だと思います。

復帰してから打棒を発揮しているとはいえ、復帰直後は感覚が取り戻せず、スイングの際に怪我した部分を気にするような動作も見せていました(今でも時々ありますが)。
怪我明けであまり無理をしたくない、不調の時期にどうにか出塁したい、と言う思惑が重なってセーフティを始めたのではないでしょうか。

私はオルソンのバントを見ていてその巧みさに驚かされました。
技術的なところでは必ず狙った球を一発で、しかも必ず三塁手前の完璧なところに転がしてきます。投手の前に転がしてしまうミスはよく起こり得るものですが、オルソンは寸分の狂いなくパーフェクトコースに入れてくるので驚きました。まさしくイナイレの雪地のよう。

また状況判断も素晴らしく、自身の鈍足を鑑みてゲッツーにならない場面で行うことが多いのも特徴です。また5/25のSEA戦では相手先発菊池雄星に対してチャップマンが一発を浴びせた直後に虚をつくバントを決めています。

「シフトを利用し続ける」と語るオルソンですが、セーフティの対応をしてもシフトを食い破るハードヒットを打たれてしまっては対応のしようがありません。オルソンはまたひとつ便利な武器を得ましたね...

またバントヒットだけではなく、持ち前のハードコンタクトも健在です。規定打席には届いていないものの、今年のHard% 53.7%は昨年リーグ上位1%に入った52.2%を上回り、Barrel%は12.2%➡️23.9%とほぼ倍増。
そして驚くべきは故障の影響からか、打球速度は昨年より2マイルほど遅くなっていることで、打球速度が本調子に戻ってきたらもうどんな数字を残すのか分からない状態なのです。

オルソンが離脱中は絶不調のケンドリーズ・モラレスが代役でしたから、攻守での大きなグレードアップを果たせています。

やはりwMattは二人揃わないとダメなんですね。早く契約延長して😓

要因その2 先発ローテが大健闘

4月は開幕投手のファイアーズがパッとせず、マルコ・エストラーダもIL入りと上手くいかない部分が多かったローテでしたが、5月はローテの面々の活躍が光ります。

4月の先発投手のERAは4.96と言うなかなかに残念な数字でMLB全体21位でしたが、5月のERA2.93はMLB5位と一躍MLB屈指のローテへと変貌を遂げました。

キーマンはフランキー・モンタスとクリス・バシットの二人です。

開幕からエース然と言う投球を続けてきたモンタスの安定感・支配力は5月に入っても衰えないどころか、スプリットの運用が向上して奪三振を増やすなど進化を続けている状況。

4月下旬からローテに入ったクリス・バシットも速球系の球速が上がったことで奪三振力が目覚め、K/9は10.90をマーク。7イニング以上投げる試合が登板の半分以上を占めているのも心強い点です。

またその二人の脇を固めるブレット・アンダーソンも小さい怪我の悪影響がありながらも毎試合ゲームを作り、マイク・ファイアーズもノーヒッターから息を吹き返して5月の3先発でQSを達成しています。

あとは先発5番手、、、と言いたいところですが、4月に入っていたアーロン・ブルックス、そのブルックスの代わりに投げているダニエル・メンデン共にピリッとしない状況です。

そこの試合でオープナーをやればいいじゃないか、という考えもありますが、勝ち試合が増えるとリリーフの負担も増えるのが常。下手にオープナーを打つことはできません。

メンデンの代わりにバックエンドスターターを勤められそうなのは、目下AAAラスベガスで好投中のグラウンドボーラーのポール・ブラックバーン、そしてAAミッドランドから春先にAAAラスベガスに昇格したパーカー・ダンシーの抜擢も面白いかもしれません。

もっとも、既にマイナーでのリハビリ登板に入っているジャレル・コットン、リハビリ順調の知らせも入ってきたショーン・マナエア、A.J.パック、ヘスス・ルザードなど彼らよりも期待値の高い投手の復帰も近づいてきているので、そこまでは我慢のやりくりを続けるでしょう。


要因その3 息を吹き返し"始めた"ブルペン

4月はブルペンの”脇役”たちの不調が目立ち、勝ち試合を落とすこともあったA'sですが、5月は本来のドミネートな姿を取り戻しつつあります。

今季新加入のセットアップ、ホアキム・ソリアは4月はERA6.28という目も当てられない状況でしたが、5月に入ってからはERA1.93と完全に復調。

ブルペンの虎の子のレフティーとして期待されていたライアン・バクターは4月に不調でマイナー降格すら経験しましたが、ERA1.13と好投。

他にも4月は良い場面での登板が少なかったユスメイロ・プティートも5月はERA1.64でミドルイニングで相手を蹂躙。

4月も好投していたリアム・ヘンドリクスは5月は未だ自責点0と好投。

脇役たちの復調がありながらも、まだ足りていないピースがあります。

トライネンとトリビーノというブルペンの核2人です。

トリビーノは審判の謎判定に泣くこともあり、度々失点を許しています。
ただそれ以外は球も来ていますし、問題は特にありません。

問題があるとすればトライネンの方で、負けこそ付いていませんがヒットなどでランナーを許すことが増えています。ERA0点台だった昨年の面影は薄れ、むしろ劇場型クローザー的な登板が増えています。

トライネンといえば、4月下旬に肘の故障で一回day to dayになったことがあり、肘の故障がいまいちな出来に繋がっているのかもしれません。

トライネンが故障している可能性があるとすれば、今よりもさらにリリーバーのトレード補強が必要不可欠になってきます。まだ5月の下旬ですが、今年から8月のトレードがないことを考えれば、早めの動きには注視すべきでしょう。

まとめ

今回はA's好調の要因を3つに絞って取り上げました。

もちろんこれ以外にも注目すべき要素はありますが、特に影響の大きい要素ということですね。

また、好調なチームにあってまだまだ伸びしろを残す(といえば聞こえは良いもののまだ本領を発揮しない者共)選手も多くいて、これからさらに調子をあげる可能性も高いのです!

また、期待の高まる連勝街道の中、ひっそりとフェルナンド・ロドニーがDFAされました。

残当、と言ってしまばそれまでですが、少し寂しい。。オプションを行使されてチームに残留したものの、開幕から爆発炎上続き。負け試合など大差の試合を任せられることが増えましたが、そこでもピリッとせずDFAとなってしまいました。

昨年もハッチャー、ヘンドリクス、サンティアゴ・カシーヤらのDFAがありましたし、代わりの投手が活躍してこの寂しさを埋めてくれることを祈りましょう!もちろんロドニーがアウトライトされて復活というのもアリですが!

最後はロドニーに締めてもらいましたが、このくらいピシッととライネンにはゲームを締めてもらいたい!ということでさようなら。

よろしければサポートをお願いします