タナー・アンダーソンについての雑惑
現地6/10の今日、AAAから昇格したタナー・アンダーソンが5回2/3を2失点(5回1/3まで無失点)の好投で、MLB初先発を飾りました。
敗戦投手にこそなったものの、今後に期待をもたせてくれる活躍を見せたアンダーソン。
今回の記事は短めですが、アンダーソンのピッチングを見て感じたことを書いていきたいと思います。
なぜ彼はMLBに上がれたのか
いくら先発のデプスが手薄になり、代役候補が皆炎上していたからとはいえ、AAAでここまでERA6.26という残念な成績を残していたアンダーソンの昇格は”谷間の先発”以上の意味を持つものではありませんでした。
OAKはL.A.からテキサス・フロリダを巡る12連戦の真っ只中で、ダブルヘッダーもあったため、ちょうどこの日に中4日で投げられるローテーション投手がいませんでした。
必然的にマイナーから埋め合わせしなければなりませんが、この連戦中に穴埋め要員として既に投げているダニエル・メンデンとポール・ブラックバーンは不快投球を繰り広げ敗戦投手になっていたため、アンダーソン以外に穴埋めできる投手がいませんでした。
こういう場合、オープナーやブルペンデーで乗り切ることを選択していてもおかしくなかったものの、現状のブルペンはトライネン、トリビーノを筆頭に酷い出来のため、そもそも選択肢にはなかったのでしょう。
好投の要因は何か
AAAで炎上していた投手とは思えない好投を見せたアンダーソンですが、その要因はなんなのでしょうか。
一つは彼のスタッフが優れていたことでしょう。
アンダーソンは基本的に93mph前後のシンカーと、それより少し低めのアングルから投げる85mph前後のスライダーの2ピッチです。
特にシンカーは高め、低め、内角のコーナーにビシバシ決まっていてゴロを量産していました。曲がりの大きいスライダーも有効な働きでした。
また、もう一つはゴロ系投手であるアンダーソンはマイナーよりMLBの方がやりやすいところもあるからでしょう。
メジャーはマイナーに比べ、データの量も桁違いでシフトの精度もかなり高いはずです。
実際今日はシフトの正面を突く当たりが多く、正確なシフトはアンダーソンを大いに助けていました。
それにOAKの内野にはプロファーを除き全員がゴールドグラブ級の実力の持ち主が揃っています。それも大きいでしょう。
アンダーソンは救世主になり得るか
故郷タンパでの初先発とあって、球場には多くの友人や家族が駆けつけていました。
“My first dream was to play at this level, and that was awesome; that happened last year,” Anderson said. “My second dream was to pitch in Tropicana [Field]. So it was awesome; a dream come true.”
「私の最初の夢はMLBで投げることだったが、それは最高だった。」とアンダーソン。さらには「私の二番目の夢はトロピカーナ(フィールド)で投げることだった。最高だったよ。夢が叶ったんだ。」
アンダーソンにとっても思い出深く、最高の今シーズンのスタートになりましたね。
今回の好投を受けてメルビン監督はブルペンの負担を減らすアンダーソンのパフォーマンスを絶賛し、次回のチャンスにも明言しています。
次回は恐らくSEAとのhome gameになりますが、その試合でも、またその後もアンダーソンは好調を保てるでしょうか?
恐らく、アンダーソンの2ピッチの単調な投球は慣れられる時がくると思います。その時に鍵になるのが、今日は抜け気味だったチェンジアップなのかなと思います。
今日はブランドン・ロウへの被弾含めて、3被安打は全て左打者に浴びたものでしたが、スライダーと対になるチェンジアップは左打者に有効だと思います。
バレリーナのような美しく特徴的なレッグキックが目を引くアンダーソンですが、レッグキック以上にその活躍で話題を呼んでくれることを祈りましょう。
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