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【OAK】ヤン・ゴームズ、ジョシュ・ハリソン獲得

デッドライン直前にレンタルのベテラン2人でチームの弱点を埋めました。

総括

一言でいえばソリッドなトレードです。チームの目立った穴を埋めたチェイフィンとマーテのトレードに続いて、目立たない弱点の補強にも乗り出しました。過去3年には見られなかったタイプの細かい所にも気を遣ったディールだったので、改めて今季にオールインする姿勢なんだなと感じました。心象も良いです。

パッケージとなったプロスペクト3人はいずれもA+ランシング所属で今季ブレイクを果たした選手たちです。(個人的にはお気に入りの選手だったため、寂しい気持ちも)
ややオーバーペイのようにも感じますが、キャッシュを含めたトレードであることを考えれば、妥当な見返りかと思います。

ゴームズとハリソンについて

 A'sの控え捕手はアラミス・ガルシアが務めていましたが、攻守に実力不足を露呈し、正捕手マーフィーの負担を軽減させられていませんでした。控え捕手は明白な補強ポイントでしたが、金銭的事情から補強は諦めかけていました。まさかゴームズほどしっかりした選手を引っ張ってこれるとは…と驚いているのが正直なところです。

かつてのスターだったゴームズは今でも正捕手を務めるのに十分な実力を保っています。平均以上のパワーに加え、打率.271やK%:20%などアプローチも非常に優秀です。守備面も未だ衰えはなくDRSは+5を記録(しかもこれもフレーミングによってやや足を引っ張られての数値。ゴームズはフレーミングよりブロッキングに長けたタイプですから数字以上に見た目の安心感はあるでしょう)

控え捕手としても厳しいレベルの選手から、レギュラーとしても十分に使えるベテランに化けたのですからアップグレードなどと言えるレベルは超越しています。

ただ、これまでアンドルースのトレードのおまけだったガルシアに控え捕手をやらせるほど、控え捕手はローコストで最低限の守備力さえあればいいという無頓着な姿勢だったOAKが急にゴームズを獲得したのには何か理由があると勘繰ってしまいます。それはマーフィーの健康状態が思わしくないのかなということです。マーフィーは元々怪我がちな選手で、昨年も故障を抱えながらプレーしていました。今季もここまで離脱はしていませんが、先発を外れた休養日にも終盤から代打で出場することも多く、負担は非常に大きかったはずです。今も故障を抱えているのかは分かりませんが、 A'sが今の捕手体制に不安を感じていたのは間違いないと思います。

そして良い意味でのサプライズだったのがジョシュ・ハリソンの獲得です。

ハリソンはベテランのユーティリティで今季は打率.294とバウンスバックイヤーを送っています。目を引くのは高打率と通算K%が15.1%という三振の少なさです。この高いコンタクトスキルは多くのA'sの選手に備わっていないスキルですから、ハリソンはA's打線にとって素晴らしいフィットになるはずです。

ハリソン獲得がサプライズだった理由は、ゴームズと同じくA'sには右打ちの内野の控えに回すリソースが無いと思っていたからです。ハリソンに期待される役割はチャド・ピンダーが担うはずのものでしたが、今季は故障と不振でその役目を果たせず、彼の離脱以降はジェイコブ・ウィルソンを急遽コールアップするなどして糊口を凌いでいました。まだピンダーの復帰時期には目処が立っていませんが、デプスの薄さには目を瞑って誤魔化していくだろうと思っていただけに、ハリソンほどの選手を補強してくれるとは驚きました。ハリソンは左投手相手に.308/.407/.474のスラッシュラインを記録しており、主に左相手の2Bで先発するのではないでしょうか。これによってジェド・ラウリーを対左の時はDHで使えることになり、ラウリーの負担軽減&2Bの守備力向上に繋がりそうです。

2人ともクラブハウスでの評判も抜群の選手でプレーオフでの経験も十分なベテランです。10月に向けてチームの士気を高める補強になってくれるでしょう。

交換要員について

交換要員となったのはいずれもA+から捕手ドリュー・ミラス(#28)、セス・シューマン(圏外)、リチャード・ガッシュ(圏外)の3名。ソリッドなターゲットにはソリッドなパッケージということでしょうか。3名とも好素材です。

一番の”大物“となるのが23歳の捕手、ミラス。2019年ドラフトではトップクラスと称えられた守備力が最大の武器で、反面打撃は課題とされてきました。しかし、今季は41四球/39三振と素晴らしいアプローチを見せていて、スイングプレーンの綺麗さからも伸び代を感じさせていました。守備力、両打からの優秀なアプローチという点はジョナ・ハイム(TEX)を彷彿とさせるプロフィールで、ミラスもハイムのレベルに達するポテンシャルは持ち合わせてると思っています。

セス・シューマンは今季のOAK傘下で最も跳ねた選手と言っていいでしょう。元々コマンドの良い投手でしたが、今季は球速を95mph程度まで伸ばし、奪三振力が大きく向上。決め球スライダーはシャープに、12-6のカーブも使えるようになり、チェンジアップのクオリティも上がりました。将来的にはバックエンドスターターとの評価ですが、メジャーには辿り着けるのではないでしょうか。

リチャード・ガッシュもシューマンと同じくブレイクした選手。97mphに達する速球とワイプアウトのスライダーが武器で、K/9が11を超える奪三振力の高さが持ち味の素材型です。ガッシュは相手打者のタイミングを狂わせる偽装の効いたフォームから、既にメジャーリーグレベルと言われる速球とスライダーを投じます。今年は調子を崩すまでは防御率1点台のパフォーマンスでした。悪くともリリーバーとしてメジャーに昇格できるのではないでしょうか。

この3人は個人的にも気に入っていた選手でしたから、惜しい気持ちはあります。しかしシューマンとガッシュに関していえば、A+には彼ら2人意外にも好素材の投手が多く、2人の埋め合わせは難しくないこともまた事実。元々注目されていなかった選手ですし、ブレイクしてトレードのメインピースになってくれたこと自体が大きな儲けものかもしれません。投手育成が上手くいくとトレードで巧みに立ち回れるということを実感させられました。
対してミラスに関していえば、邪推ではありますがOAKがタイラー・ソダーストロムの捕手守備に手応えを感じていることの裏返しなのではないかと思いました。捕手からの転向は時間の問題とも言われていたソダーストロムでしたが、捕手守備が大成長していると専らの評判。私も先日マイナーリーグの試合のクリップを見ましたが、確かにレシービングもスローイングも見違えるほど良くなっていました。ミラスの放出により、ソダーストロムが一個上のA+に昇格する可能性もあるかもしれません。

最後に

双方にとってwin-winとなりそうな良いトレードだと思いました。ゴームズとハリソンには渋い活躍を期待したいですし、交換要員の3人もWSHで化けて欲しいですね。

また、この2人の獲得によって持ち上がるのがスティーブン・ピスコッティの処遇問題です。現状のロスターで控え野手の中でオプションを持っている選手はおらず、もはやピスコッティをロスターに残す方法はないように思われます。このままDFAとなってしまうのでしょうか。発表はこれからでしょうが、ここは気になりますね。

これで喧騒に満ちたトレードデッドラインも終わりました。デッドライン全体のレビューもまた書こうと思います。個人的には今年のデッドラインには満足しています。この補強でブーストをかけて、ワイルドカード2枠目なんてしみったれたことは言わず、大まくりでの地区優勝に期待しましょう。

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