番外編「オバマ大統領のはなしかた後編」
前回の続きです。
オバマ大統領の「はなしかた」で我々が真似できるものとして「テンポ」を上げました。
オバマ大統領は、非常に文節を短くきって、「間をあける」のが特徴です。
いや。
特徴というより、大勢の前での演説を効果的にするための「基本」といってもいいかもしれません。
言葉というのは「距離」によって到達スピードが変わります。
これはボールを遠くに投げるのと同じです。
なるだけ飛距離を長くし、遠くボールを飛ばそうとすると、ボールを高く投げるでしょう。
当然、目標とする地点が遠くなればなるほど、到達時間は遅くなります。
したがって早口でたくさんの言葉を投げかけると、距離が出なくなり、相手に理解させることは難しくなります。
文節を短くきって、ゆっくりはなす。
そして、間をあけて相手が理解する時間をとる。
これが演説のような大勢の前ではなす「基本」なのです。
とはいえ。
人間は緊張もすれば、興奮もします。
ですから、実際には、はなすスピードは早くなりがちですし、言葉数も増えます。
オバマ大統領を「天才」と評したのは、そういった「緊張」とか「興奮」というようなものが全く見受けられないのです。
「天性」、そういうことができる才能に恵まれたのでしょう。
ただ。
「基本」であるだけに我々も意識をして「練習」すれば、オバマ大統領に近づくことはできます。
英語と日本語の違いがあるので、全て同じというわけにはいきませんが、オバマ大統領のスピーチを見て、同じような組み立てで「台本」をつくり、同じような「間」で「はなす練習」をすることによって、オバマ大統領に少しでも近づくことはできます。
ただひとつ難しいのは、オバマ大統領の文節の区切り方は、ちょっとだけ独特で、意味ではなくリズムや韻できる場合が多いのです。
これが、聴く側にいい意味での「違和感」を与えて、聴く集中力を高めさせられます。
これに関しては「法則」というより「センス」なので、無理に真似しないでいいかもしれません。
我々が意識するのは
短く
間をあける
ぜひ試してみてください。
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