番外編「スティーブジョブスのはなしかた前編」
「最強のはなしかた」は基本的に「日本語」をベースにしているのですが、
前回ビジネスにおける「はなしの達人」で孫正義さんをとりあげたので、
どうしてもこの人のことを書きたくなりました。
そう。
世界最高のプレゼンテーターと称されたあのひとです。
スティーブジョブズ。
1分話せば36億円稼ぎだす。
なんて伝説がまことしやかに伝えられるほどのプレゼンの天才です。
スティーブジョブズのプレゼンにまつわる本は山のように出ています。
勿論、ワタシもそれらの本のほとんどに目を通しました。
いずれの本も大変よく研究され、ためになるものばかりです。
ここでワタシがスティーブジョブズの「はなしかた」についてとりあげたいのは、それらの本と少し違う視点です。
それは。
「スティーブジョブズのはなしかたは決して上手くない。むしろ下手なくらいである。」
ということです。
これは孫さんのところで書いた
資質×意図=演出という公式に当てはめてみると、
スティーブジョブズは資質に関して言えば、そんなに高くないのです。
特に、
資質の中でもパフォーマンスを司る「表現力」は一般の人よりも低いのではないかと思われるくらいです。
その人がもつ「表現力」の才能というものはあります。
声や外見や仕草、姿勢など、「スター」と呼ばれる人は、練習しなくても最初から備わっている人がいます。
例えば前回とりあげた孫正義さんには天性、そういった「スター性」が備わっていると思います。
つまり、他人が真似しようとしても真似できないものが孫さんにはあるのです。
海外に目を向ければ、スティーブジョブズが率いたAppleの対極ともいえるマイクロソフトの現CEOのスティーブパルマー氏なども天性の表現者としての才能に恵まれていると思います。
その人たちに比べると。。
ワタシは熱狂的なスティーブジョブズファンですが、
演出家としてスティーブジョブズを見たとき、「表現者」としての天性の才能というものをあまり感じないのです。
むしろ「発声」や「タイミング」「間」などはどうみても「下手」と感じることが多いのです。
それなのに。
やっぱり。
スティーブジョブズのプレゼンは魅力的なのです。
とんでもなく。
その秘密をあれやこれやと考えてみたのですが。
ひとつの結論に達したのは。
スティーブジョブズは「アドリブ」をしない。
このひとことに尽きるのではないかと考えました。
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