見出し画像

今日の医学部ブームに物申す

1.恐るべき人気の急上昇

日本では現在、大学受験での医学部ブームが巻き起こっていて、頭のいい層は、東大京大早慶などの名門大学だけでなく、医学部を目指すという風潮もあります。

30年以上前は偏差値50を下回る医学部もありましたが、最も簡単なレベルの3校でさえ、現在では偏差値60を超え、早慶の理工学部のレベルに匹敵しています。

また、倍率(特に私立)も格段に増し、特に倍率トップ3の金沢医科大、藤田医科大、日本医科大では、それぞれ89.2,57.4,53.9という脅威的な倍率を叩き出しています。

海外では頭が良ければ起業などするのが常識のようなものであるため、頭のいい人がこぞって医師を目指す日本はどこか特殊なのかもしれません。

今回は医学部ブームのメリット、デメリット、医者という職業のメリット、デメリットについて見ていきます。


2.医学部ブームのメリット

○倍率や偏差値が高くなる分、優秀な人材が多く入る。

→昔は、親が医者のため息子も医者のような受験生が偏差値50を下回るような医学部を受けると、「医者のボンクラ息子」などと呼ばれた。

その偏差値が示す通り、あまりにも低レベルな人材が、命を扱う職業に就いても良いのかと、社会問題にもなりましたが、現在では医学部の難化により解消。


○日本の医療がより発展する。

→先述の通り、医療業界に厳格な選別を受けた優秀な人材が多く入るため、さらなる発展が期待できる。


3.医学部ブームのデメリット

○使命感が足りない。

→頭がいいから取り敢えず医者的な受験生は、実在している。

勿論、大学で学ぶ間にやりがい、モチベーション、人を救いたいという確固たる思い、を付けられたら結果オーライなのだが、もしそれが出来ないと、後述するが、この先の茨の道のような人生に耐え抜くのが困難になる。

だが、昔も医者の息子だから自分もという医者はいるため、ここは昔と変わっていないのかもしれない。


○受験合格が困難を極める。

→全82校を平均すると、医学部の合格率は僅か7%であり、2浪以上は当たり前の世界で現役合格は奇跡に近い。中には4浪.5浪をした学生まで実在している。

入学後の実習、国家試験に向けての勉強等も、他学部よりかなりきつく、医者になってからも職業の特性上、科によっては1日10~15時間勤務、病院にもよるが、大抵の病院では当直後の勤務もあるあるで、残業年2000時間とも呼ばれる過酷な労働環境なのに、そこに大学受験という苦難が加わるのは医者の敷居をさらに上げる原因となっていると思われる。


○「ものづくり」の分野に優秀な人材が行かない。

→各大学は、優秀な人間は皆医学部に行ってしまうため、理工学部、工学部に優秀な人材があまり入らないと悲鳴を上げている。

このままでは日本の産業の発展の遅れに繋がりかねない。

個人的意見になってしまうが、優秀な人材こそ理工に行くことも薦めたい気もする。


4.医者という職業のメリット

○就職が安定している。

→医者の就活はマッチングと言うシステムを使って行うが、就職率は96%と安定性を誇る。そのため、医師国家試験に合格しさえすれば、どこかしらの病院への就職がほとんど保証されている。


○民間病院勤務や開業医なら年収が高い

民間病院の医師の平均年収は1300万円、開業医なら2500万円と、全職業でトップクラスに高いので、少し豪華な生活が出来る可能性が高い。


○幅広い選択肢

→医者と言っても、外科・内科・産婦人科・精神科・皮膚科・整形外科・麻酔科・病理医・研究者など様々な科があり、医学部で学ぶ際に色々な選択肢が与えられているのが魅力。


5.医者という職業のデメリット

○急な呼び出し

科によっては患者様の容態が急変すると、電話で呼び出され、否応なしに病院へ向かわなければならないので、とても優雅な休日など送っていられない。当然小旅行どころか少しの遠出もなかなかしづらい。


○人生が基本茨の道

先述の通り、超高倍率高偏差値の大学受験に加え、医学部でのきつい実習、勉強量、若い頃などは病院にもよるが基本ブラック。など辛い点を上げればキリがない。

医者になろうと決意した瞬間人生がガラッと変わってしまうのは事実だ。高校生のうちにその決意をしなければならないとは、実に世知辛い世の中であると思う。


○過酷な労働環境

先述の通り、科によるが残業年2000時間とも呼ばれていて、1日10~15時間ほどの勤務時間の医師の方も実在しているのが現状。また、当直後の勤務などもあり、地獄の様とも呼ばれる。

恋愛なども満足に楽しめず、家庭を築けたとしても家族と触れ合える時間は少ないのかもしれない。


○精神的疾患に陥るリスク

→アンケートによれば36%の医師が、離職したいと思ったことがあると判明。さらに、研修医の4分の1が抑うつ状態になっているとされ、医者の6.5%以上は中程度以上のうつであり、3.6%が精神的に自殺リスクに晒されているという。「現在の医療はおかしい」という声も多く上がっている。


6.医者に対する偏見

○医者はモテる

→人柄次第でありその肩書きはほとんど関係ない。とyoutubeなどで、医師の方は仰っている。モテるために医者になるのは、はっきり言ってやめた方が良い。


○医者は高収入

→大学病院勤務だと年収平均800万で、民間病院だとしても、勤務時間で割り算すると、決して効率がいいとは言えない。収入目当てだと、それ相応以上に仕事が激務で苦労すると思われる。


7.医者のデメリットに対する希望

○働き方改革

→厚生労働省では「医師の働き方改革の推進に関する検討会」というものが開かれた。この通り、政府も医者の働きすぎだという現状を改善する気はあるようだ。


○年齢、科による

→それらによって仕事のハードさも変わってきたりするものだ。若い内は激務をこなす医者も多いようですが、経験を積む内に、仕事量が減り、楽になる医者もいる。先述の通り、医療業界は選択肢が豊富なので自分のライフスタイルに合った科を選ぶのが大切だと思う。


8.最後に

様々なネット上の記事を切り貼りして書かせて頂きましたが、それでも医師になる覚悟があるならば、精進なさってください。

流れや親が医者であるから、成績が良いから、という理由だけで医師を目指すのはお勧めできません。この記事でだけではざっとしか説明できないので、ご自身でネットサーフィンもなさってください。

医者は生半可な覚悟で目指せる職業ではないと言うことを下手な記事ですが、主に伝えたかったのです。

先程も言った通り優秀な人材が理工に流れないという深刻な問題もあるので、頭が良く医者への強い欲望がない方は、寧ろ理工学部、工学部に進学することをおすすめします。

ありがとうございました。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?