前川ほまれさん「セゾン・サンカンシオン」ポプラ社

人間というのは実に弱い生き物である。依存性なんか典型的。依存性は病気です。一度発症したら完治するのはむずかしい。この小説は女性だけの依存性回復共同体施設「セゾン・サンカンシオン」に関わる人々の葛藤を描いている。アルコール、ギャンブル、覚醒剤、万引き窃盗など数多くある。多くの人は無縁ゆえ理解出来ない。意思が弱いとか甘いとかと考え接する。でも当人からすればわかっちゃいるけどやめられないのだ。そこに軋轢を生む。そもそも依存性になろうとしてなったわけではない。環境なり道を誤ってなったのだ。誰もがなりうる可能性はある。今、新型コロナウイルスで自由がなくなり生きる環境が厳しい。みんな心がいつ折れてもおかしくない。陽性になり闘病生活いつ始まっても。そんな中で依存性になりまわりも巻き込んでいく。希望の灯火はあるのか。こんな世の中だからこそ光を見つけたいものである。令和3年4月15日


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