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ただ、話をきいてもらうだけの時間

12日月曜日は、いつものように野外で活動をしていた。雪がよく降った日で子どもたちと雪遊びやドッジボールを楽しんだ。とっても寒くて疲れたけど。

そんな活動もおわり、スタッフでふりかえりをしていると、FBメッセージが入ってきた。

「今日か、明日、15分間話してもらえませんか。」

という内容だった。


???


と、なった人は多いと思う。

メッセージの送り主は、円坐*¹(非構成エンカウンターグループ)やミニカウンセリング*²を全国で開催するファシリテータ―の池澤良子さん。

近く、東京での橋本久仁彦さんのミニカウンセリングの講座に行かれるとのことで「聞き役」の録音をしたいとのこと。

正直、「しんどいな~。断ろうかな。」と思った。

でも、ただ、私もミニカウンセリングをしたい、したいと思いながらも日々忙しさにかまけてできていないのも事実だったので、「これは何かのいいタイミングかも」と思い、その日の仕事終わりに自宅に向かった。

出迎えてくれた良子さんと少し話し、ミニカウンセリングの時間になった。
疲れていたこともあり、「ちゃんと話せるかな」という不安もあったが、口をついてどんどんと言葉が紡ぎ出された。

ミニカウンセリングでは、「聞き役」と「話し手」に分かれ、15分間聞き役は聞くことに徹し、「話し手」は話すことに徹する。その15分間は話し手が自由に過ごせる、自由に話せる時間。これを逐語録に一語一語、一息一息ずつ起こしていき、「話し手」と「聞き手」の間に起こったことについて知り合っていく一つの聴くトレーニング。

良子さんの聞き手のもと、僕はひとつひとつの言葉と自分が感じていることを確かめながら、15分間じっくり話すことができた。

そこで味わったのは「これまで全然話せていなかった」ということ。仕事と家の往復の生活の中でゆっくりする時間もあったが、こんなに自分の感じていることに目を向けながら話す時間は最近なかった。

心がゆっくりほどけ、広がっていき、体は疲れていたが、心はとっても解放的になり、とてもいい「発散」になった。

そして一番変わったのは、家族への接し方。

すこしゆっくり今まで聞く「余裕」が持てていなかった妻の話にゆっくり耳を傾けれるようになったし、2ヶ月の娘にゆったりと関わることができた。


「自分のことを聞いてもらえないと、他人のことは聞けない」

この言葉は、NPO法人自然スクールトエック伊勢達郎さんがフリースクールセミナーの時に言っていた言葉。
この言葉が全てだなとおもった。


みなさんは、「話せて」いますか。

みなさんは、「話」を聞けていますか。

みなさんは、自分の声を聞けていますか。



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*¹円坐・・・時間と場所だけを決めて人がただ円になり座り過ごす場のこと。
守人(ファシリテーター)は、空間を守る人としてその場に在り、その場にいる人の声を「辿る」(語尾や言葉を復唱するように聞く特別な聞き方)という聞き方をする。

*²ミニカウンセリング(ミニカン)・・・「聞く」ことに特化したトレーニング法の一つ。治療行為ではなく、何かの病状や疾患を直すこと等が目的とはされていない。「話し手」と「聞き手」にわかれ、15分間過ごす。その音声を逐語録にお越し、レビューを行いながら2者に起こっていたことや、感じていたこと、言葉や、話の流れなどを見ていき、聞くことについて学ぶ方法。2016年に私も高知で開催。

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