見出し画像

美しいパステル画を描くために...光と絵具と基底材の関係(暗い色から描き始めることについて)

見る(シーイング)とは・・・

©︎TOUICHI WATANABE

光の 3 つの性質

©︎TOUICHI WATANABE

透明絵具と不透明絵具
絵具には透明絵具と不透明絵具があります。これは光の反射、屈折、透過という3つの性質による違いです。透明水彩絵具のように光が透過あるいは屈折する絵具を透明絵具、光が透過せず反射する絵具を不透明絵具と呼びます。
パステルは不透明絵具です。

光と絵具の関係

A、透明絵具、透明描法 と 不透明絵具、不透明描法

©︎TOUICHI WATANABE

B、絵具と基底材の関係

©︎TOUICHI WATANABE

・白い紙に絵具をのせた時、透明絵具の場合は、光が透明絵具を通過して白い紙に反射し、再び絵具を通過する美しさが見られます。(図B-a)。

・白い紙に不透明絵具をのせた時は、光は不透明絵具の表層に反射しますが、周りの白い紙の反射光の方が強く目に訴えるため、絵具は暗さを帯びます(図B-b)。

・黒い紙に透明絵具をのせた時は、光は全て吸収され、絵具の色が見えません(図B-c)。

・黒い紙に不透明絵具をのせた時は(図B-b)と同じく、光は絵具の表層に反射し、周りの光は、黒い紙に吸収されてしまうため、色は明るさを増します(図B-d)。

結論
透明絵具あるいは透明描法の場合は、明るい基底材あるいは地ぬりを用意する。
不透明絵具あるいは不透明描法の場合は、暗い基底材あるいは地ぬりを用意する。

塗り方の順序

このように光と絵具の関係を考えると、透明絵具は、明るい色から順次暗い色へ、不透明絵具の場合は、暗い色から塗り始めて順次明るい色へと塗っていきます。
パステルは不透明絵具なので、暗い色から描き始めます。

©︎TOUICHI WATANABE


ブルーテラス  渡辺藤一


#絵具の塗り方の順序  #光について #光の性質 #反射  #屈折  #透過
#パステル


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?