見出し画像

笑うコロナ 洗うコロナ


夫が新コロナウイルスに感染して入院した。1月8日のことだ。

その前日、夕方帰宅すると、「熱がある」と言い、すぐベッドに潜り込んだ。
「え〜どうしたの?」と、
何でもないように返事したが背筋がぞっとした。

コロナ対応の電話番号を調べた。
まず、住民票がある保健所に8回ほどかけたが、テープの声だけで繋がる可能性はなかった。
次に、東京都の24時間発熱外来に電話してみた。
3回ほどベルを鳴らしっぱなしにして、やっと出てくれた女性は、意外にも親切な対応で、早めに掛かりつけの病院の発熱外来にいくようにアドバイスしてくれた。

翌朝、診察券がある総合病院で予約を取った。
午後2時までに1階の発熱外来に来るようにとのことだった。
罹患していても昨今、入院は難しそうなので、自宅待機になるだろうとタカを括って、夫は携帯と財布だけ持って家を出た。

病院に着くと体温を測り、緊急発熱外来に行く。
患者と家族の待合室は簡単なカーテンで仕切られていた。
15人ほどの患者が診察を待っていて、ほぼ同じ人数の家族が
暗い顔をして反対側の待合室に静かに座っていた。

私が座って3時間ほど経った頃、患者の誰かが「もう4時間待っているけど、どうなった?」と、側を歩いている看護師にクレームを出しているのが聞こえた。
PCR検査に時間がかかるということで、結局、夫は最後に診察室に入っていった。
熱は37.5度だったが、しっかり歩けたし、顔色も悪くなかった。

しばらくして、私も診察室に呼ばれた。
「ご主人は肺が白くなって大変危険な状態なので入院になります」と告げられた。
私は驚きで言葉が出なかった。
医師はそっと部屋を出て行き、私たちは2人になった。
これって、どういう意味だろう?
これが見納めになるのだろうか?
コロナ患者の死者の映像がよぎった。
「気をつけてね」「うん」

ところで私は、濃厚接触者と宣告されたが、PCR検査は陰性(マイナス)で、
2週間の自宅待機を申し渡された。

感染した夫は何しろズボラな奴だった。手洗いをうるさく言うと怒り出すこともあった。
そんなふうだったので、ウイルスに関しては、たとえ夫でも信用していなかった。
私は危険を感じると頻繁に洗面所に行き鼻をシュッと洗った。

もう一つ、私には軽い鼻アレルギーがあり、
排気ガスや乾燥に過敏に反応すると鼻腔が痛くなることがあった。
しかし、手洗いをしながら塩水でシュッと軽く洗うと治るのだ。
寝る前に歯磨きの時にもシュッ。

何のテクニックもいらない。
シュッのボトルがない時は、手にぬるま湯をとって片方の鼻でずるーっと吸う、そして出す。
面倒くさがり屋の夫に比べて、私は神経質だった。多分、
夫から浴びたコロナウイルスは何処かへ流れていったに違いない。

手洗い、うがい、マスクの着用は、厳しく言われているが、鼻洗いについてはあまり聞かない。
PCR検査は、鼻の粘膜にコロナウイルスが付着しているかどうかを調べる。
なら、鼻の中を洗浄することが、
感染を避けるのに効果があるのではないだろうか?
みなさん鼻を洗ってください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?