ニコニコメドレーの動画を分類する

この記事は、『ニコニコメドレーシリーズ Advent Calendar 2022』に参加しています。

なんとニコニコは動画サイトです。(!)
ニコニコメドレーをうpするにあたって、動画制作と向き合わざるを得ません。
そこで、既存のニコニコメドレーの動画にどのようなものがあるかを大まかに分類し、その効果について考えたいと思います。
あわせて今年投稿のメドレーではどのような動画が作られているかを紹介します。

私個人の考察になるので、異論もあると思いますが目を瞑っていただけると幸いです。

黒画面

早速矛盾するようですが、「ニコニコ動画に上げる」ことに意味があるニコニコメドレーでは、黒画面も一つの選択肢だと思います。
ただし、視聴者に優しくない(後述)ことに変わりはないので、アレンジに自信があってそれ一本で勝負したいとき以外はあまりおススメできないです。

WMP

WMP動画をつけるだけで"""なぜか"""ニコニコオールスター感が出るので、簡単にオールスター感を出したいときにおススメです。
「空気の読めるWMP」なんて言葉があるように、少しでも画面に動きがあると視聴者も反応する余地が生まれて嬉しい…はず?

曲名つき

こんな感じのイメージ

曲名がついたことでユーザーフレンドリーになりました。蓑虫さんの記事と重複する部分もありますが、一般人が原曲とキーもBPMも違う曲の、ましてや重ねなんて聴き取れるわけがないので、曲名を入れてあげると優しいです。
また、曲の切り替えが早い・多い場合(いわゆる駆け抜けなど)は全画面で動画像を切り替えると目に悪い恐れがあるので、文字のみにとどめておくのも有用だと思います。
以下今年投稿の動画での例と感想

【メドレー合作】駆け抜けるメドレーコラボレーション 10th Anniversary ダイヤ Ximco パート (5:48~)

そもそも構成がうまいというのはあるんですが、『黒塗り世界宛て書簡』から動画を白黒にし、いわゆる"界隈曲"ゾーンに入っていきます。すべて界隈曲で統一されているわけではないにもかかわらず、統一感を出せているのはひとえに動画の演出によるところが大きいと思います。


CHAOS_ / ウボァー

歌ってる音声合成ソフト名だけでなく、表曲/裏曲を曲名の大きさで表し、鳴ってる方向を△印で表示することで、カオスメドレーでも視聴者が聴き取りやすいよう工夫がなされています。


動画・画像つき

こんな感じのイメージ

メドレー動画のデファクトスタンダードともいえる、曲名+関連動画の図式です。関連動画が表示されたことで曲を知らなくてもMVで楽しむことができるようになりました。
以下今年投稿の動画での例と感想

2022年1月のまとメドレー / ナポリン

選曲理由である「1月に伸びた動画」が表示されており、視聴者は選曲理由を動画を見るだけで知ることができます。ピンとこない曲が来た時にも曲名で検索する手間が必要なく、画面を見るだけである程度の情報を得ることができるのは動画像付きの利点だと思います。また、記事のコンセプトとは少し外れますがこのメドレーはコンテンツツリーにて元動画への動線も確保されているので、興味を持った動画へすぐ飛べるというのも素晴らしい点です。


【音MADニコニコメドレー】FOMini / 蓑虫

音MADの動画に合わせて、曲名ではなく音MADの方を強調表示されており、「好きな音MADを意識したメドレー」というコンセプトが前面に押し出されています。アレンジも意識した音MADに準拠したものとなっているので、音ハメが行われやすい音MADの動画を流すことで耳だけでなく目でも楽しめるようになっています。


【らぶてん】好きな曲だけでミニメドレー【8bit REMIX】 / らぶてん

ちょっと変化球なこちらのメドレーは、デスクトップの録画が動画になっており、曲切り替えの際の動画像の切り替えが一部手作業で行われています。動画像の切り替えに動きが生まれて、曲の重ねや切り替えをより楽しめるようになっています。


一枚絵軸

コストというか難易度はめちゃくちゃ高いですが、一枚絵を軸に動画や曲名を表示する形式です。動画全体を通して統一感が生まれるうえ、コンセプトも表現できるので、自由度も表現力も高いフォーマットです。もっとも、絵を描くのが大変なことが問題なわけですが…
以下今年投稿の動画での例と感想

【ニコメド15周年】2021ニコニコメメメドレー / かれは

絵の中に元メドレー名・動画・サムネイルと曲名を落とし込んでおり、統一感のあるデザインになっています。特に、メドレーごとに曲名の出し方が違い散らばっているところを、絵の中に落とし込むことで曲名の認識が簡単になっている点が視聴者に優しいと感じました。


S.S mode-VIOLENT / (・.・)

初音ミク歌唱に合わせて初音ミクが描かれており、ボカロPVのような形になっています。曲に合わせて初音ミクの髪色や表情が変わるので、曲が変わるごとに雰囲気が変わって楽しめます。背景の元動画が全画面でなく9分割タイル状になっていることで、前面の初音ミクに隠れることなく動画も楽しむことができるようになっている点が、細かいながらもよく考えられていると感じました。


自作動画

いわゆる"オールスターPV"なんかも含まれる、メドレーオリジナルの動画を作ってしまおうという形式です。一枚絵軸の形式と同じく、「このメドレーじゃないとこの動画を見ることができない」という唯一性は、リピーターを増やす効果も期待できます。とはいえ、こちらも動画の制作は大変なわけですが…
以下今年投稿の動画での例と感想

【メドレー合作】 春夏冬合作 【秋】  シロワニ パート (16:55~)

2曲の重ねに対して、動画もマッシュアップされた形で表現されています。まさにこのメドレーのオリジナルPVといえる動画で、元のPVを知らなくても動画で楽しめる上に、マッシュアップされている部分が分かるとより楽しめるという一粒で二度おいしいものとなっています。


ニコニコ動画CIEL / しゅっぺ

まさにオールスターPV。「ニコニコ動画の人気曲をメドレーに」というコンセプトを表現するうえで、多くの動画を組み合わせるオールスターPVは、その動画の人気さ・流行を裏付け、お祭り感を出すという意味で最適解だと思います。一方で制作が大変なのも事実で、曲だけでなくニコニコ動画での流行に対する知識やそれらをうまく合わせるスキルも必要になってくるので、ハイコスト・ハイリターンな手法と言えます。


Nico Bloom✿ - ニコニコメドレー / シェア

1曲あたり既存の1動画を流しているように見えて、実は動画を制作しているというとんでもない動画です。動画を作ることでネタを詰め込みつつも、1曲1動画のような構成にすることで曲番号や曲名、次の曲などの情報の位置が固定されて視聴者にとって情報がつかみやすくなります。個人的にはせっかく作った動画を全画面で使わず縮小する勇気はないので、すごい発想だと思いました。


以上で紹介は終わりです。ここまで書いておいてなんですが、あくまで動画はメドレー音源の補助輪的な役割に過ぎないので、適度に力を抜きつつ、視聴者に優しい動画づくりを頑張っていきましょう!

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