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音声読み上げソフトを入れたら。

会社のパソコンに音声読み上げソフトを入れた。1台にはPC Talker、もう1台にはNVDA。

家にあるのも入れたら、パソコン5台になってしまった。ちなみに1台も使いこなせてないどころか、社内のシステム部門の人に毎日のようにお世話になりっぱなしだ。

音声読み上げソフトになじみのない人も多いと思うので補足すると、おもに視覚に障害がある人がパソコンを使うとき、音声で入力したり画面を読み上げたりしてくれる超絶便利なソフトだ。スクリーンリーダーとも呼ばれたりしている。有料のものや無料のもの、何種類かある。


Windowsには「ナレーター」という標準搭載されているものがあるけど、別途購入したりダウンロードするPC Talkerとか NVDAを知ってしまうと、もう神様かと思えるくらい違う。


ということで、PC  TalkerとNVDAをそれぞれゲットした。

社内のフロアには社員がちらほらいるが、カタカタと作業をする音しか聞こえてこないくらい静かな社内。システム部門の人と音声読み上げソフトのセッティングをする。

そしてソフトがダウンロードされた途端、待ってましたとばかりに勢いよくけっこうなボリュームで読み上げだすPC。

「はい、了解。わかった。ちょっと静かにしてぇ〜」とボソボソ呟きながら全力で音量ボタンを連打する。

赤ちゃんが電車でいきなり泣き出したら、こんな感じになるのかもしれない。

しかしこれに全力で抵抗し、その存在をおしげもなく主張してきた、わたしのソフト。頑固なところ、わたしとそっくりだ。


「音量ボタン…音量…おん…オンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオンオン」


音量ボタンを連打しまくる。静かな社内のあちこちから「クッ…」と笑いを堪える声がする。
よく見たら経理部長なんて、肩を震わせて笑ってる。

「オンオンオオオォォォ…」

「失礼しましたぁ!!」

「オンオンオオオォォォ…」

フロア中に響き渡るソフトの音声をかき消すくらいの大声で謝るわたし。うっかり音声読み上げソフトのPRをしてしまった。出社する人が少ない日でよかった。

帰宅時だって「忘れんなよ」と言わんばかりの存在感を放っていた。

カバンからなんか変な音がする。聞き覚えがある声がする。

嫌な予感がする。

シャットダウンせずにパソコンを入れたから、何かの拍子にパソコンがひとりで喋り出していた。
しかもここは電車の中。わたし、ちょっとした不審者。

家でパソコンを開く。マウスを使わず操作するから、使い方がやや特殊らしい。決定の方法もわからず、戻る操作すらできない。泣きそうになる。

ダウンロードしたらすぐ使えると思い込んでいた私。完全に甘く見ていた。これを使いこなせる人、本当にすごい。本当に本当にカッコいい。

絶対仲良くなってやる。

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