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両親の葬儀をやってみた(3)

母ノブコが亡くなった後の約3年間、肺炎での入院を半年に1度くらいのペースで繰り返し、そのたびに2週間程で元気になって退院して来た父トヨジローでしたが、最後の入院では絶食対応が続き「腹が減ったよ~」と、とても辛そうにしていました。
訪問医と相談して「これはもう退院させよう!」という事となり、自宅へ戻って2週間後に自宅で息を引き取りました。

そして、自宅での葬儀。

木曜の夜に息を引き取り、翌金曜に葬儀屋さんと打ち合わせをして、父トヨジローの葬儀は自宅で行う事にしました。
母ノブコの時は近くの町内会館を借りて、通夜と告別式を行ったのですが、父トヨジローの場合は、葬儀を家で行ったといっても、いわゆる告別式をやったという訳ではありません。

打ち合わせでは以下の4点を決めました。

  1. 通夜はなし。

  2. その代わりに土日の2日間、家に安置し、いつでも弔問に来てもらえるようにする。

  3. 僧侶はお願いしない。(一応仏教だけどお寺との付き合いはないので)

  4. 月曜日に火葬場へ出棺。

こんな感じでこちらからの希望を伝えると「わかりました、あとはお任せください」って感じで葬儀屋さんが部屋をしつらえてくれました。
葬儀屋さんも「今はこういう感じ多いですよ~」と、慣れたものでした。

その週末の2日間は、ご近所の方や、私の友人達がそれぞれ都合の良い時間に自由に弔問に来てくれ、一人一人とゆっくりと父の話が出来ました。
Facebookで父との生活の様子を時々投稿していたので、Facebookでも父の死去のお知らせとともに「良かったらトヨジローに会いに来てください」と投稿すると、思わぬ友人が遠くから会いに来てくれたりもしました。
一般的な通夜はしていませんが、2日間かけて本当の意味でのお通夜をやれたのかも?って思っています。
普通の通夜や告別式では弔問に来てくれた人とゆっくり話すなんてなかなか出来ないけれど、こんな形なら、お茶を飲みながらゆっくりと故人を偲ぶ事が出来ます。

「グリーフケア」と言うカウンセリング用語(?)がありますが、グリーフとは「親しい人を亡くした喪失の悲しみ」のこと。
葬儀は、まさにグリーフケアだと言われます。遺された家族が、弔問に来てくれた人と「こんな人だったね」「こんな思い出があるよ」と、故人の話をしたり、聞いたりして、そうやって故人を偲び思って、しっかりと別れの時間を過ごす事で癒されていく、とても大切な時間なのだと思います。

そんな、ご近所さんや友人達と過ごした2日間を終え、出棺は翌日月曜日。
家を出る時間をご近所に伝えてあったので、その2時間位前からポツポツと近所の方々が最後の焼香に来てくれ、生前父の訪問マッサージに来てくれていたマッサージ師さんもお仕事の合間に焼香に寄ってくれました。
そして、霊柩車に乗せて出発する際には、家の前にご近所の方たちが、見送りに出てくれていたので、少し挨拶をしてから火葬場へと出発しました。

出棺の日の実際の様子はこんな。

BGMはトヨジローが好きだった時代劇専門チャンネル「萬屋錦之介没後20周年特集」

葬儀も今は自由で何でもアリなんだな。

葬儀で大事な事は「亡くなった人を想い、悔いなく別れの時を過ごす」
そして出来れば「身近な人達と故人の思い出話をいっぱいする」

両親の葬儀を経験してから、友人が身近な人を亡くした時は、私もすぐに会いに行くようになりました。
そして、両親の葬儀や、父と2人で暮らした3年間で経験した事、感じた事をよく人に話すようにしています。皆が悔いなく、幸せなお別れが出来るようにと願って・・・

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