JR松山駅が変わる前にJR松山駅から旅に出る【前編】
旅のきっかけ
今年、JR松山駅が変わる。
高架化されて新駅舎となり、2024年9月29日に新たに開業。
以降、西口・東口の駅前広場も順次整備されていく予定らしい。
確かに、松山駅は古かった。
良いように言えばレトロ、悪くいえば古ぼけた建物で、他の県と比べれば県庁所在地の駅なのにさびれているな、と思うかもしれない。
少なくとも、生まれてこの方 松山で育った私はそう思っている。
そんな私だが、住んでいる場所の立地もあってかJRの電車に乗る機会はほとんどなく、これまでに乗った回数は両手の指で足りるくらいだ。
けれど JRに乗る機会が少ないからこそ 、乗るときには特別感があり、いつもとは違う改札や駅のホームの景色にわくわくしていた。
子供の頃に乗ることもあったので、「いつかこの電車でもっと遠くまで行きたい」という漠然とした憧れもあった。
そんな風に思っていた、昔から馴染みのあるJR松山駅が変わるという。
新しい駅舎になれば、漠然と感じていた憧れも、もう感じられないかもしれない。
この駅から、旅に出られるのは今しかない。
思ったが吉日。
数週間後に、私はその駅に立っていた。
特急に乗る
少し前に御朱印帳デビューしていたため 神社を巡ってみたかったこともあり、目的地は今治にした。
特急があるらしく、日帰りでも余裕をもっていけそうだ。
前述した通り、私はほとんどJRに乗らない。
というのも、松山市内には「伊予鉄道」という私電があり、こちらに乗ればある程度行きたいところには行けるからだ。
更に一人でJRに乗るのは今回が初。
…… 切符の買い方が分からない。
不安で事前にネットで色々と調べたものの、買えて当たり前のことなのか 具体的な情報はほとんど出てこなかった。
特急の切符は窓口で買うらしい、ということは分かったので、券売機ではなく窓口へ向かう。(なんとなく「ここが窓口だろうな~」という場所は知っていたのでそこに行った。)
「今治の特急をお願いします。」
「往復でよろしいですか?」
「はい。」
みたいな会話をして、お金を払ってチケットを受け取り、帰りのチケットは財布にしまう。なんとか買えた。
ホームが分からなかったので窓口の人に聞いたら「改札でまた聞いてください」とのこと。
不安。
ひとまず時刻表を確認。
ネットで調べてはいたものの、チケットの買い方が不安で早めに駅に来ていたこともあり、乗ろうと思っていた時刻よりも早めに乗れそうだ。
改札で駅員さんに先ほど窓口で買った切符を渡す。
「手前の○番ホーム、○~○号車にお乗りください」
と言われたと思う。
恐る恐る車両に乗り込めば 、先客が何名かいてすでに席が埋まっていた。同じように空いている席に座り、一息。
しばらく待つと、電車が動き始めた。
思ったよりも速くて揺れたので、スマホはカバンにしまい、酔い止めを飲んだ。
流れていく景色を眺めながら、ぼんやりと座る。
いつもならスマホを見てしまうが、あいつはカバンの中。
なんか、いいな。この時間。
うとうとしたりしながら、景色と共に流されていれば、途中で車掌さん(?)が切符を見に来た。
切符を見せると、軽く確認したあと、特に何か言われることもなく去っていった。
…乗り方は間違ってなかったみたいだ。よかった。
アナウンスを聞いたところ、この電車は岡山まで行くらしい。
来年は岡山に行こうかな。
おおよそ1時間の乗車時間も意外と早いもので、ぼんやりしていたらすぐに今治駅についた。
今治駅で朝食を
朝から何も食べていなかったので、食事にすることに。
改札を出てすぐのところにあるパン屋さん。
予定をあまり決めていなかったこともあり、次いつご飯を食べられるか分からなかったので、がっつりめに食べた。
松山駅にも同じ系列のお店があるけど、開発でなくなってしまうのかな~。
今の松山駅には、全国チェーンではあるが松山駅にしかないお店が何店舗かあり、ニュースを見る限りでは もうなくなってしまいそうだ。
せめて新しくなった駅舎にも残してくれれば… 、と思いながら カツサンドを食べ終えた。