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【#web3school】 cluster加藤さんが語るメタバースの変遷と最新トレンド

-メタバースについて

岡山)ブロックチェーン技術の発展とNFTとメタバースは、隣接してるし隣接してないようなところがあって面倒くさいです。

加藤)一応整理としては僕の中であります。そもそもメタバースって言ったときにどういった切り口で語られてるかというと、何個かの切り口で語られていて、それが混ざっているから面倒くさいんですよ。1個目の切り口はSFでメタバースが語られてたことです。

メタバースと言ったら古くは92年のスノウ・クラッシュがありますけど、その前からSFではコンピューターの中で生活する世界観が描かれていましたね。それこそ映画「トロン」はゲームの中に入ってゲームするという内容だったけど、1980年代で既にありましたね。その世界観は現状にかすりもしないあまりに先を行き過ぎた話ですね。

もう1つが、VRなどのゲームの技術を使いながらその中で生活しましょうっていう切り口です。これ今原住民って言われてるけど、バーチャル空間、ゲームを使って生活をしようっていう思想ですね。これはこれであっていいよね。

もう一個が色々な業界がメタバースっていう言葉を便利に使っている現状があります。VR業界もゲーム業界も、最近だとSNSでも言い始めています。皆が便利に使っているから、この人がとか業界がとかがメタバースじゃないと言うのはナンセンスです。

岡山)マーケティングの際に今流行っているというパッケージにするためには、そのような言葉を使わなきゃいけないときもありますしね。なのにそういう発言をツイッターで揶揄しちゃだめだよね。

加藤)何のツイートの話かは分かりませんけどね。


-岡山さんと加藤さんの出会い

岡山)僕らの関係は4,5年前くらいですかね。

加藤)2014年の僕が会社を作る前ですね。

岡山)僕の加藤さんの最初の印象はオフィスで謎の携帯ゲーム作ってやらせてくる人でした。

加藤)Clusterをつくる前の引きこもっていた時代です。岡山君がベンチャーキャピタル業をやっていた時ですね。僕が東京に出てきた時に出会って、出資に至りましたね。それ以来Cluster社がバーチャル空間サービスを提供するようになった時から知り合いです。

岡山)創業期はお手伝いなんかしてたけど、大きくなってからは半年に一回くらい話す感じですね。


-自己紹介と会社紹介

加藤)Cluster株式会社の代表をしている加藤です。2016年にVRのブームが起こったんですけど、それの直前位に会社を作ってその頃からバーチャル空間をインフラにしようというビジョンを掲げてやってきました。気づいたらメタバースという名前になっていました。

岡山)元々VR上における仮想空間を作ってサービス展開していこうというのが、ベースの価値観としてありました。そこから事業モデルを変えたり、メタバース的な文脈が世間で言われるようになってきて、今では世間を代表するような企業になられました。

-加藤さんのメタバースとの出会い

岡山)加藤さんは起業されたということなんですけど、そもそもメタバースとの出会いは何がきっかけだったんですか?

加藤)Googleトレンドで調べたらすぐわかるんですけど、昨年の7月の後半ぐらいから一気にメタバースっていう単語が盛り上がりました。トリガー引いたのは、現Meta社の旧Facebookがメタバースの会社やるぞって言ったのがきっかけでした。

メタバースいきなり初めてとち狂ったのかと思った人も多いと思うんですけど実はそうじゃないです。2014年の3月にOculusという会社を買収しています。OculusはVRのヘッドセットを開発している会社でした。

その会社を20億ドルで買いました。当時はできて1年半くらいの会社をその金額で買ってかなり話題になりました。話題になった時はまだコンシューマー版が売られていなかったんですけど、デベロッパー版は売られていていたのでそれを買ってみて、凄いってなったのが一番のきっかけではありました。

元々オンラインゲーム大好きだったっていうのもあって、バーチャル空間の中で生活したりそれがインフラ化していくっていう未来絶対あるなと思っていた感じですね。


-事業立ち上げ期の苦労について

岡山)最初はバーチャル空間の仮想世界がここまでフューチャーされることが予想できなかったと思います。そういった中で事業をやっていたときに、正直PMFも分からないじゃないですか。そういう中での事業立ち上げ期の苦労は何がありましたか。

加藤)2015年に会社設立して、2016年はすごくVRのハイプだったんですよ。2016年にOculus Riftのコンシューマー版、HTC Vive、Playstation VRが一気に出てきて世間が今のメタバースみたいにVR一色だったんですよ。
そこは良かったんですけど、どうせハイプサイクルでバブル崩壊するだろうなと思っていて実際2017年くらいに落ちました。そこがプロダクトとして本当に無風でした。

2014年のOculus買収に合わせてスタートアップした企業が軒並みその凪で死んでいきました。それこそセカンドライフの創業者のローベルもメタバースやっていたんですけど、2018年くらいの記事でバーチャル空間儲からないよっていう言葉を残して業界を去りました。

日本は実は環境が少し違っていて、2018年にVtuberブームが起こりました。2016年にキズナアイ、2017年後半にカグヤルナが出てきてすごく盛り上がりました。僕の考えとしてはバーチャル空間を生活に役立てていく世界は、何年かかるか何十年かかるか分からないけど来るだろうというスタンスでした。

時間かかると思っていたらVtuberのブームが来たのが2018年です。それである程度売り上げも上がるようになってビジネスの種もできるようになりました。

岡山)始めてバーチャル空間のCluster上でやったのは確かカグヤルナが、エビフライに乗って宙に舞っているみたいな感じだったと思うんですけど、チケットの売り上げとかの反響はどうでしたか。

加藤)僕らイベントの主催者じゃないからチケットの売り上げ枚数とか金額は言えないんですけど、反響という観点で言うとすごかったです。チケットの値段が5000円だったんですけど販売して1分以内で即完売でしたね。

開催までに売り切れて欲しかったんですけど一瞬で売り切れて一同でビビりました。VRのヘッドセットを使って有料で音楽ライブやるという事は世界でもなかったです。

岡山)僕も詳しくは知らないですけど当時走りでやっていたと思っていて、そういうのを周りで見てて此処に行けるんだというのはありましたね。

加藤)そういうことがあった2017年は、多くの会社が死んでいった中で何とかお金を集めて生き延びました。これから多くの流行がそうなると思っています。NFTとかWeb3とか、メタバースもハイプサイクルたどると思っています。

ここからいろいろなプロジェクトが死んでいくと思う。普及機に入った時が一番重要だと思うので、今から仕込んでおいて普及期に入った時にちゃんと良いポジションにいられるかというのが大事です。


-Cluster社が今やっている事

岡山)最近Cluster社として加藤さんが主に時間を使ったり、テーマにしていることは何ですか?

加藤)一番は採用ですね。どこまで行っても組織作って増やしていくというのが大事です。Clusterも新しいことをどんどんやりたいと思っていて、僕今一番興味あるのハードウェアなんですよ。
Clusterでハードウェア作りたいなと思ってやっているのと、Web3.0です。最近はCrypto界隈とメタバース界隈のSNS上での断絶が本当にもったいないと思っています。Clusterとして何か形を作りたいと思っています。

とはいえ今のWeb2.0とWeb3.0のプロダクトの狭間はすごく大きいです。Clusterは言っても従来のWeb2.0プロダクトです。インターオペラビリティは無いですし、サンドボックスがWeb3.0かと言われると若干怪しいと僕は思っています。

実際にメタバース上でNFTを絡めたプロジェクトで本当に価値あるものって何だろうというところを探っているんですけど、難しいですね。

-Web2.0 vs Web3.0の断絶

岡山)加藤さんが思うWeb2.0、Web3.0 の断絶ってなんですか?

加藤)先ほど一番時間を使っているのは採用だという話はしましたけど、組織作ってプロダクト作ってと言うあり方自体が分散型を基にしているか否かですね。

本当にプロダクトの価値を分散型にしていけるのかところが一番大きいと思います。eb3.0は哲学だから何とも言えないけど僕は組織の作り方だと思う。

岡山)断絶が起こっている理由で行くとWeb2.0、Web3.0って2から3になって1増えている感じじゃないですか。だから段階的進化という前提で入っている人が多いと思っています。Web2.0のサービスはUtility提供じゃないですか。

これがWeb3.0になった時に銅が見たら金がもらえるみたいになっちゃうからここで断絶が発生していると思っています。

加藤)僕はそれは居所的な話でしかないと思っています。分かっているところほどファイナンス資料にUtility大事だみたいに書くけど、結局気付いている人たちからしたらUTPが大事だってなるんだと思います。

岡山)UTPも大事なんだけどUtilityと金銭的インセンティブのバランスが違うと思っています。ユーザーが期待してサービスに来る理由が直線的な課題解決じゃないからこその、違いがすごい生まれていると思っていてそこがやってみないと分からないところだと思います。

加藤)視点の違いとしては凄い面白いですね。サービス作る側からしたらどうやって組織を作っていくのかっていうところが一番主眼になるから、難しさを感じています。プレイヤーサイドから見た時の断絶はそこが大きいですね。

だからこそNFTファーストのメタバースと、Web2.0的なメタバースで、すすんでいる人たちの間でいざこざが起こりますね。

岡山)凄い治安が悪いですね。新しい概念と作る時って自分たちの信じているものを正当化するために自分たちと世界の境界線が必要になるから、そういう風になってしまうところはあると思います。

加藤)だから僕はその境界を技術で融かせればと思っています。例えばClusterでウォレット接続して売れたNFTを3Dで表示しようというのも考えたらできると思っています。ただそこにもハードルはあります。

例えばウォレット接続するときにブラウザベースじゃないと接続しにくいという問題もあります。そうなるとブラウザで3D を動かす必要性が出てきます。今はWebGLという技術でブラウザ上での3D は実現されていているけど実際やった時に、ネイティブで動いているバーチャルプロダクトとブラウザ上のプロダクトは全く体験が違います。

昔ブラウザ上でARを実現するというプロジェクトがあったんですがやはり体験が弱いです。その辺も今の技術だから微妙なだけで、これから発展していったら、ラウザベースでのメタバース体験であったりウォレット接続であったりも容易になると思っています。そうなると垣根も狭まってくるんじゃないかと思います。

岡山)今の話はメタバースとクリプトエコノミーの融合の話だったと思うんですけど、中長期的に見てその融合は起こると思いますか?

加藤)凄い大事だと思っているのがこの3DCGにあふれた世界の中で生活するってどんどん普通になっていくと思うんです。10年、20年、50年というスパンで言ったときに、当たり前のように3DCGに溢れた世界の中で生活すると思います。

それが1企業によって運営されているのってリスクが高いと思います。今のWeb3.0の分散型で運営されるべきじゃないですかというのはすごく分かります。それでその方向に技術が発展すべきだとも思っています。
だからうまく実現したいというのは、僕の思いです。


-メタバース世界を実現させる上での障壁

岡山)実際に分散型組織できるのかとか、技術がそこに追いつけるのか、色々要素があると思うんですけど加藤さんが一番ボトルネックだと思うのは何ですか。

加藤)それは明確で組織ですね。なぜかというとWeb2.0ベースの組織のほうが強いし早いです。DAOって本当にいいのかみたいな話とか、プロジェクトを運営するうえで皆で決めていくのはいいのかみたいな話は良くされてます。

Utilityだけを突き詰めていったらそれはそっちの方が便利になります。サンドボックスみたいなNFTファーストのメタバースのUtility性と、ClusterとかのUtility性の違いは、結局は組織とかの構造的な体制が理由だと僕は思っています。

岡山)持論を言うと今Web3.0の中で本当に分散的に運営されているものはどれだけあるんだという話があって、ビットコイン、ステーブルコイン系が今あると思っています。今色々なガバナンストークン問題が出てきていて、Daoっていう概念の拡張が起こっています。

例えば上場企業の株式運用とかもそうなんだけど、挙動がシンプルな完璧なDaoが全体の数割で完全分散されていくと思います。そうじゃないものは細かくトークンのUtilityが変わっていってDaoっていうものが拡張されて行くと思っています。

加藤)言いたいことは確かにわかります。最後までピュアなDAOを目指すべきでそうならないとピュアな分散型メタバース社会が実現できないかというと僕はそんなことないと思っています。確かに組織の運営の仕方はもっと慣れていくと思います。

岡山)例えばPolygonとかは皆が海外に散らばりすぎてよく分からないんですよ。でも普通に回ってるじゃないですか。そういう感じの分散組織は現存すると思っている。

加藤)それはそうですね。意思決定のところとかUtility制を積み上げていく上に置いてみたいな感じですね。例えば、Facebookというプロダクトを完全にDAO化していくことはやりうると思っています。

逆にありうると思う。例えばメルカリとか、あそこまで大きくなって安定運用しているときのほうが分散型がしやすいと思います。大きく体験を損ねる方向に行くことが損になってしまうから、大きくなっていると分散型にもっていきやすいと思います。

バーチャル空間でそれくらい大きくなって自己発展性の高いメタバースはまだないですね。ロブロックスとかがいるけど、結局小学生のゲームみたいな感じですね。


-参考にするサービス

岡山)加藤さんは自律分散的な組織にしてDAOに近い運用をすることで、サービス上で人々を生活させることを目指してると思うんですけど、その方向に向かうために参考にしているものはありますか?


加藤)まだ存在しないものだから、参考にしながらみたいな観点で言うと存在してないです。

岡山)一時期ロブロックスみたいなこと言ってませんでしたか。

加藤)ロブロックスはベンチマークにしてました。けど最終的に行きつくWeb3.0時代のメタバースの為のベンチマークと聞かれたらそうじゃないです。バーチャル空間内で生活しますと言ったときのメタバースは、今のCryptoの文脈で言ったら、どこまでいってもまだインターフェースです。
例えばClusterで、CryptoをWeb3.0化しましょうと言ったときに一番最初にできるのはウォレット接続とかになると思います。

その時にそれって本当に価値あるのかとなるし、アプリケーションとしての価値がどこまでWeb3.0化によって増えるかといったら分からないので、難しいですね。

最近のメタバースのトレンドで面白いと思っているのは、メタバースを今けん引しているのがゲームやVRのエンジニアが作っているものということです。だからClusterもゲーム系の人たちが集まってそこにWebアプリ系の人がハイブリットに接続されて実現しました。

他のWeb2.0におけるメタバースというとやはりゲーム系でした。その中で面白いのはディセントラランドは2017年当時、Clusterの界隈からすると失敗パターンだったことです。別に悪いことというか、失敗プロジェクトというか胡散臭いプロジェクトでしたね。

それ何故かというとゲーム系のエンジニアがすごく少なかったんですよ。ゲーム的な体験の部分が弱かったので、ブロックチェーンと結合してやりますというのがディセントラランドでした。

Web系によっていたからブロックチェーンに振っていくことができたと思っています。最近のトレンドがWeb系の人たちがメタバースやりますと言ってブラウザで動くメタバースを作っています。

岡山)その界隈で相談のってくださいと言うのがたまにあるんだけど、そこで教えてもらったのが中国系のエンジニアが原神とかのビックタイトルを作ったじゃないですか。そういうのを作った人たちがブロックチェーンゲームを作っています。

凄いと思うのがアクシーインフィニティは数年前に出たばかりじゃないですか。ガラケーからいろいろなゲームがあって進化の流れがある中でWeb3.0というワードの吸引力がすごすぎてジャンプアップのレベルが尋常ではないと思っています。

既にWeb2.0の進化の歴史の10年分くらいがここ3,4年で起こっていると思っていて、だから意外と早く来ると俺は思っています。

加藤)それはそう思います。入り口がWeb系、アプリ系の人たちのほうが前提としてCryptoに入りやすいです。最近はゲーム系の人たちがゲームの延長戦で作ったメタバースが、ブラウザベースでというのが増えてきてます。そこにWeb3.0の引力によってゲーム系の人たちが後から引き付けられるという構造の変化をしています。

僕は組織とかどういう出自の人が作っているかがプロダクトの性質に表れると思っているんですけど、最近メタバースで面白いのがWebアプリ系のエンジニアからスタートして、そこにゲーム系のエンジニアが引っ付いていくっていうような構造になっていることです。

岡山)加藤さんの論だと良いゲームをやってる人じゃないと良いゲームは作れないよねっていう心情がありまして、今のWebゲームはそういう文脈での話です。さらに言うとゲーム系をやってる人たちは良いゲームを作りたいが故に、ブロックチェーンを介在させるか否かの話をすると、迂回するからこそWeb系の人たちがブロックチェーンを取り込みました。

その分ゲームのやりこみ度は加藤さん的にはそこまで高くなかったけど、そこにゲーム系のエンジニアが参入しているからすごく面白くなる可能性が高いよって話をしてるんですよね。

加藤)面白くなる可能性が高いです。皆言ってるけどGameFiは面白くないじゃないですか。だからすごく重要なのはゲームを作る人たちだけが立ち上げたGameFiプロジェクトは失敗すると思っています。

Web系の人たちがCryptoで立ち上げたところに、面白いゲームを作る情熱を持った人たちが参画すると革命が起こると思います。メタバースもそうだと思っていて、ゲームとかARとかVRとかそういうところじゃないところから入ったほうが実現されやすいと僕は思ってます。

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