プリフロップについて思うこと

今回はポーカーにおいて基本となるプリフロップについて考えます.
このレンジ表を覚えよう!とか,このポジションではQJoはオープンしない!とか,そういった話じゃないです.
本当はPLOにおけるプリフロップの話をしようと思ったんですが,前提としてNLHにも共通する認識がないと話がうまくまとまらないので,導入として用意しました.
NLH,PLO,ともに適応できる考え方で,個人的には基本の「き」だと思っています.

ちなみに内容は「参加するハンドやその方法(call or 3bet)は相手や状況によって変わる」ってことをつらつら書いているだけです.たぶん本当に初心者くらいにしか需要がない記事だと思います.うまい人で読んでくれた奇特な人はぜひフィードバックください.駄文長文なのでどうしても眠れないときとか暇なときに読んでください.

■ポジションとハンドセレクション

突然ですが,あなたが使っているハンド表はどうしてそのようになっているのでしょうか?snowieがそう言っているから?solverで計算されたpreflop solutionだから?

まず,前提としてポーカーは対人ゲームです.機械ではありません.ましてやGTOが相手でもありません.相手の傾向に合わせてプリフロップも変える必要があります.当たり前のことですが,レンジ表にとらわれすぎている人がいるので改めて強調しておきます.

それを理解した上で,ハンドセレクションをどうするか?
まず基本として,アーリーポジションからはタイトにオープンし,レイトポジションになるにつれてルースにオープンします.当たり前ですね.
…なんで当たり前なんですか?UTGで22をopenしちゃいけないんですか?A2oをopenしちゃいけないんですか?

例) flop AQJr
UTGのあなたは22を持っています.オープンしたらBTNがCall.
チェックして打たれたらどうしますか?
フロップ打ったとしてコールされたらターン,リバーはどうしますか?

一般的にこれらのハンドをUTGからopenしない理由は,ポストフロップが戦いにくいからです.アウトオブポジションだと更に戦いにくいですよね.上手な人ならこの状況でも戦えるかもしれません.ただし多くの人はそうではないですし,自分は上手く戦える気はしないですね.
こういった状況になってしまった理由を考えてみましょう.
それは22やA2oが参加してくる相手のハンドレンジに対して極めて弱い&SBとBB以外にはポジションがないからです.スタートの時点で勝ち目の薄い戦いをしています.
特にポジションは大事です.相手のアクションを見れるかどうかは大きな違いです.こうした理由から一般的にアーリーポジション(ポジションの優位性がない)の場合はタイトに,レイトポジション(ポジションの優位性がある)の場合はルースにオープンします.
*例えばCOでopenした場合,BTNがfoldすればSB,BBしかいないのでポジションの優位性は確保されます.同様に,極論を言えば,UTGでopenしてHJ,CO,BTNがfoldすればポジションの優位性は確保されます.HJ,CO,BTNがタイトでfoldが期待できるなら,UTGから22, A2oでopenしてもポジションの優位性が確保されることもあり,BBが弱くてポストフロップでスキル差を発揮出来るならポジションの優位性を発揮して戦えるので,openしてもよい,ということになります.これは相手の傾向を踏まえてオープンレンジを変えた一例になります.

次の例を挙げます.

UTGからopenが入りました.
あなたはBTNにいて,ポジションの優位性は確保されています.
手元には56s.どうしますか?

preflop advisorによると,56sはほとんど場合3betです.
では3betが正解ですか??
UTGのオープンレンジが極めてタイトで,極端な話AA, KK, QQ,  AKs, AQsくらいしかopenしないなら56sのエクイティは28%くらいしかありません.preflop advisorのUTG openレンジに対してなら35%くらいです.
もちろん実際は自分(BTN)側のレンジにもAA,KKなどの強いハンドもあるので,そこと混合することで自分のレンジ全体のエクイティは保たれますが,相手がポストフロップでかなりのスキルがあるような相手だったらどうしますか?56sでうまく戦う自信がありますか??
(まぁ実際は56sは僕はかなり参加しますし,あくまで例として,です)
ポストフロップで自分がスキル差が出せるならむしろ少し広めに参加してもよいでしょう.逆にスキル差がない(もしくは相手のほうが上手)なら,参加するハンドレンジを狭めて,参加時点でのレンジ全体のエクイティを優位にしておく必要があります.
この例はポジションはあるけど,相手のスキルやオープンレンジを考慮して,こちらの参加するハンドを調整する必要があるかも,ということになります.

このように「絶対」ということはありません.参加するハンドレンジはポジション,相手のスキル(自分との差),あとはスタックなど,様々な要素に影響されます.ハンドレンジは流動的に変化しうるものだという認識が必要だと思います.
*ではpreflop solutionやpreflop advisorに意味はないのか?という疑問が出るかもしれませんが,そうではありません.例えば相手がプリフロップでバランスが取れていて,かつ,こちらのリーク(3betが多いなど)に容易に対応してくる相手に対してはこちらもバランスをとる必要があるので,一般的なハンドレンジが参考になります.また,相手がほぼ初対面で情報がない場合は相手のレンジを推定するのにpreflop solutionやpreflop advisorのレンジで代用することも必要になるので,代表的なハンドレンジは覚える必要があります.

また,上記を読んで気づいた人も多いと思いますが,自分のハンドレンジと同じくらい相手のハンドレンジの推定が極めて大事です.そうじゃなければ対応することも難しいですし,ポストフロップもうまく戦えません.自分のハンドレンジに拘るのと同じくらい,相手のハンドレンジに拘りましょう

ここまで読んで当たり前だよ!って思う人が大半だと思います.
ただもしあまり意識してなかったという人がいたら,ぜひ今後は意識してください.
最後に参考になるリンクを張っておきます.

まずISTNさんの2020年ポーカーツイートまとめ.
このnoteの,「■ タイトな相手から3betが来た時、QQはどうするか」以降の内容が勉強になりますし,相手の特定のレンジに対してこちらがどう反応するか示しているものです.さすがです.

あとはLillianさんのnote.
ここまで書いて思ったけどLillianさんのnote読んでおけば僕のnoteは不要だった.

さて,唐突ですがPLOについて少し書きます.
PLOにはハンドレンジという考え方はNLH同様存在しますが,一般的に具体的なハンドレンジ表は存在しません.(upswing pokerというサイトにPLO matrixというものがあってレンジ表だと思うんですけど,広まってはいないですね.たぶんサイト独自のものだからだと思いますが.)
よって,レンジ表が使えない分,相手のレンジの推定を「必死に」行う必要がありますし,相手のレンジに対して自分のハンドがどのくらいエクイティがあるのか「必死に」推定する必要がありますし,相手から見て自分のレンジがどう見えているのか「必死に」推定する必要があります.
なんとなくじゃダメです.なんとなくだと負けます.
「どうせAAxxでしょ~」とか思ってると負けます.
「AKKxは4bet返していいんでしょ?いっけぇ~」とかやってると負けます.
「AKQJdsは降りれないだろJK...」とかやってると負けます.
あとは「スターティングハンドとかエクイティ拮抗してるし関係ないだろ~」とかやってると負けます.
「ポストフロップゲームっていうし,BBからはオッズがいいからほぼ参加!」とかやってると負けます.
まぁ全部僕やったことあるんですけど.
PLOの勉強を始めて,プリフロップの重要性が身に沁みました.
もちろんポストフロップも大事なのは間違いないんですけど,プリフロップは絶対に避けられないので勉強する価値があると思います.

みなさんもこれを機にプリフロップを考え直してみませんか?
駄文失礼しました.間違っていることあれば訂正するので教えてください.

ポーカーについてつぶやきます.サポート頂けると記事を書く際のコーヒーの消費量が増え,効率が増しますので,出来ればよろしくお願いいたします.