劇団しようよ の あゆみ 15 『こんな気持ちになるなんて』スイカver.
せんがわ劇場演劇コンクール。参加団体が広く募集されていました。 劇団しようよもぜひ参加しようと思い、応募したわけです。
今日はそんなお話になります。
当時2015年、劇団しようよでは二度の東京公演を行っていました。東京でどうにか知ってもらう機会を作れないか、どうにか一歩先に行けないか、と考えていた頃、このコンクールの募集を知りました。
せんがわ劇場とは東京調布市の仙川にある劇場です。多数応募団体がある中、審議をされありがたいことに劇団しようよは採択され、コンクールに参加することになります。
そして、参加するにあたって作品を何にするか考えたわけです。
そこで好評を博していた、以前上演したハンバーグを舞台上で焼く『こんな気持ちになるなんて』にすることにしました。
そうなれば、劇団しようよは、劇場さんに伺います。舞台上でハンバーグを焼いてもいいですか?と。
答えは・・・・・・「NG」でした!
なんと!『こんな気持ちになるなんて』を上演するのにハンバーグが焼けないなんて!
いきなりコンクール参加に向けて暗礁に乗り上げてしまいました。ハンバーグが焼けないと、あの肉たちの物語が紡げないじゃないか。そんなの『こんな気持ちになるなんて』じゃないじゃないか。
大原は悩みました。どうすれば『こんな気持ちになるんて』を上演できるのか。いっそ新作で臨んでみようか。そんなことさえ頭をよぎりました。
と、そこで上演される時期を考えたわけです。コンクールの当日は7月。ちょうど夏に差し掛かった頃です。 そうです。夏といえばスイカ。スイカを主人公にした『こんな気持ちになるんて』にしよう!そう思い立ったわけです。
『こんな気持ちになるなんて』スイカver.です。
物語はこうです。スイカ割りで割られたスイカたちが過去を遡り、種だったころを思い出す・・・まさしくハンバーグver.をスイカに転換したものでした。
結果、これがまた好評を得ることができ、コンクールではありがたいことに市民のみなさんの票が多かったのもあり「オーディエンス賞」を受賞することができました。
が。なのです。
劇団しようよには京都には色々ライバル劇団があるのですが、その中で「ドキドキぼーいず」という劇団があります。なんと京都から今コンクールに、劇団しようよだけでなくドキドキぼーいずも参加していたのです。
負けられない・・・!
強い覚悟の上、作品発表に望みました。
話は変わりますが、当時の大原は重度のイボ痔もちでした。こんな明け透けにお話しするのはお恥ずかしいですが、イボ痔を持っていたのです。そしてそのイボ痔は、極度のストレスに襲われると、イボが膨張し、痛み出すのです。
時は、コンクール授賞式。どの団体がグランプリに選ばれるのか、ドキドキしながら待っておりました。結果僕たちはオーディエンス賞を受賞することになるのですが、オーディエンス賞だけに止まらず、グランプリもなんとか受賞したい。そう強く願っていました。
そして、グランプリ発表の時が迫ります。
「グランプリは・・・・・・・・ドキドキぼーいずです!」
「あ痛たたたたたたたたたたたたたたた!!」
そうです。ドキドキぼーいずの受賞を聞いて、僕のイボ痔は極度のストレスを瞬間的に膨張したのでした。
あの時は、痛くて、悔しさでいっぱいでした。
ともあれ、劇団しようよはせんがわ劇場演劇コンクールにて「オーディエンス賞」をいただくことになりました。たくさんの方に見ていただき、ありがたかったなと思っております。
せんがわ劇場では、コンクール参加団体が、コンクール後も劇場の公演やアウトリーチに関わらせていただく機会を設けてくれている劇場でして。大原もありがたいことに、このコンクール受賞をきっかけに海外戯曲リーディングの演出を担当させてもらえることになります。
悔しい思いも、楽しい思いも詰まった良い機会になったと思います。
また明日書きますね。
お楽しみにしていてください。
劇団しようよ 大原渉平
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