カセットテープについて
■ カセットテープのブーム
「なぜ今さら? 若者がカセットテープに注目する理由」
カセットテープがブーム…という記事を半年に一回くらい見かける気がする。本当かどうかは知らないけどぼくもテープが大好きだ。あの音質、あの巻戻し・再生・早送りの操作感、あのガチャコン・キュルルルという音。あのパッケージ。どれをとっても魅力的。
今やデータで音楽を持ち歩く時代。CDは買ってきてリッピングしたり、bandcampやsoundcloudでダウンロードしたりしたmp3やらwavやらflacやら・・・・それら全てをスマホ等に突っ込む!
そうなってしまうと当然ながらフィジカルの存在意義は希薄になる。どうせデータにするのだから、DLコードさえあれば正直なんでも良い・・・なんて風に。現にDLコード付きのフィジカル作品が増えてきている。面白いもので言えば、Open Reel EnsembleのDLコード付きオープンリールアルバムの"Tape To Tape"。思い切ったものでは、ThePOPSのDLコード付き「骨」の"BONE EP"なんて物までリリースされている。
フィジカルの存在意義が希薄になった時、それでも欲しいものは何か。
それは迫力のあるジャケットの12インチであったり、逆にキュートな佇まいの7インチやテープだったりするのでは無いだろうか(※個人の感想です)。
作り手としても、他の媒体と違い、テープは小ロットからプレスできる上、手作りも容易で大量の在庫を抱える心配は無い。サイズも小さく、収録可能時間も選べるので規格としても適度だ。
そんな訳でテープのリリース及びその消費者が増えているのではないだろうか。
■ カセットテープ愛に溢れたblogの紹介
さてさて、そんなカセットテープだが、昨今のブームに関わらず、昔からテープを愛して止まない!!!って人々も沢山いる。そんな中でぼくが愛読している2人のblogを紹介します。
・Dirty Dirt
もう凄い。
1か月30本以上のペースでテープを購入し・紹介している方。世の中こんなにテープのリリースがあるのかと思い知らされる。主にbandcamp経由の物が多く、海外のロック、エレクトロニック、ドローンなんかがメイン。
・Mix Tape Troopers
もう凄い。
タイトルのとおりミックステープを中心に紹介されている方。昔から各地のレコ屋をまわり新旧テープを中心にディグされており、造詣が深い。所謂レアテープやシリーズ物の紹介等、参考になるポストが多く、大変参考になる。ヒップホップ、レゲエがメイン。
■ 最近のカセットテープの紹介
リリースが数あるカセットテープ。もちろん僕は上記blogの方ほど購入していないが、たまたま先週今週、通販やオークションで買ったものが続々と届いた。
新旧含む計28本!!
この中から上記blogで紹介しなさそうなジャンルで良かったものを紹介します。
・Bugseed & Illsugi - PIER 7
ジャパニーズビートシーン最注目株BugseedとIllsugiによるビートテープ。
Bugseedは、Wiz Khalifaのフリーミックステープ“Taylor Allderdice”でノンクレジットでビートを使用されてしまう事件で話題になったが、もちろんビート自体も素晴らしく、ビートメイキングイベントEN TOKYO(これまた注目株のPigeondust主催)の主要メンバーとして良ビートテープを量産しています。
また、Illsugiは、自身のグループCOCKROACHEEE'zでMC & ビート製作をしており、これまた超スピードで良テープを連発。近年では仙人掌のREMIXアルバムを"Be In One's Element The Remix"でBUDAMUNKYと肩を並べ製作するなど、シーンでの注目が急上昇しています。
両者ともまだ20代前半であるのにド渋なサンプリングネタにロウなドラムでBPM80台のCillinなビートを作り上げています。
今作はベルギーのレーベル"Urban Waves"からの逆輸入品であり、両者による計12曲が収録されている。また、テープ自体は片面ずつノンストップ・ミックスが施されており、DLコードではトラック分けされたものがダウンロードできます。テープはクロームテープで良音質であり、パッケージも隅から隅まで格好良く拘りを感じる作品!
・eouzen - I Go To Sleep
よふかしレコード第1弾はeouzenによる夜更かしのためのミックステープ。
「ベッドの横に、作業机の上に...いつも近くに置いておきたくなります。そんな"モノ"としても価値のあるミックステープをコンセプトに制作しました」とあって、アートワークは金沢美術工芸大学の島小織の柔らかみを感じる可愛いパッケージ。楽曲はジャンルも国籍もバラバラだが、やはりリラックスできる気持ち良い曲ばかりで、大音量で聞いても小音量で聞いても疲れないピースフルな選曲。音源は全てアナログレコードを使用した一発録音で、人間味のある暖かい仕上がりでまったり。。。
・植野隆司 - 植野フォーク100
テニスコーツの植野隆司によるテープ6本組み計100曲の超大作。この人かなり良い歳のはずなのに高校生時代のみうらじゅん並の創作意欲!(参考:このDVDはマストバイアイテム!)
そして更に凄いのは、これだけの曲数あるのにも関わらず、どれもちゃんと楽曲として成り立っていること。基本的にはギターの弾き語りスタイルだが、オーソドックスなフォークからミニマル、アシッドといった風に曲調に幅があり、歌詞もしっかり作られている。聴いてる内に好みの曲が出てきて、それを巻き戻して聴いたりしてるからまだ全部聴ききれてません。でもそれだけ次の曲がどんな感じなのかという楽しみがずっと続いてるので最高。そしてBOXのデザインも(フォントがクソダサいのも含めて)最高!!!
■最後に
今は毎日のように新作テープが世界中でリリースされています。作り手側の話を少し書きましたが、テープは本当に簡単に作れます。かく言う僕もビートを作ってはテープに録音して遊んでいます(本noteのtop写真のもの)。本当は曲をテープに落としこむ際にはテープ用のマスタリングをしたりしますが…まあ、細かいことは気にしない。テープに録音してジャケットを入れてあげるだけで何とも言えない味わい深い作品に早変わりするからです!
つまり何が良いたいかというと、"みんな音楽を作ってテープで売ると良いよ、という話"でした。
(noteでも振り込んでくれた方に個別に連絡とればテープ販売出来ると思うんだよなあ、誰かやらないかなあ。。。チラ)
以下tipです。
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