耐量子計算機暗号・秘密計算のePrintウォッチング(2023年6月第1・2週)

@0917laplace です.

暗号理論の中でも特に進展が早い(と思われる)耐量子計算機暗号と秘密計算の分野に絞って,週次単位でiacrに投稿されたePrintを整理します

今回は2023年6月第1・2週(5/28-6/10)に投稿された(厳密にはapprovedされた)耐量子計算機暗号・秘密計算のePrint(2023/757-2023/864)を対象に整理します

まとめ方の雰囲気としては,前回の記事を参照してください


耐量子計算機暗号

分野の分類としては

  • 格子

  • 符号

  • 多変数

  • 同種

  • ハッシュ

  • 全般

  • その他

とします
*格子暗号を用いた準同型暗号方式は,こちらではなく次の秘密計算の章で集計します

↓読み込むまでに時間かかるかも?ですので,URL埋め込みもしておきます
PQCのまとめ表

面白そうなのはnumber 777ですね.
LWE問題をLLL基底簡約アルゴリズムで簡単に解くことはできないけど,どのくらいの付加情報(hint)があれば,与えられたLWE問題を解けるのか,というところに注目したePrintのようです.
筆者が Alexander May ということで,符号ベースでも有名な方ですから,そのうち読んでみようと思います.

秘密計算

分野の分類としては

  • 準同型

  • MPC

  • GC(Garbled Circuit)

  • TEE

  • カード

  • ハードウェア

  • 全般

  • その他

とします

↓同じくURL埋め込みをしておきます
秘密計算のまとめ表

こちらで面白そうなのはnumber 827です
post-quantum (LWEベース)な one-way や ZK を利用して,耐量子性を持つ coin-flipping や MPC を構成するようです
結構重厚だなと思っていたら,CRYPTO2023のmajor revisionのようですね面白そうです
あと,準同型関連でnumber 767, 771も読んでみたいですね


今回の内容はここまでです.ここまでご覧になってくださった方々ありがとうございます!

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