【みやまる】通ぶれる野球バナシ 27球目

ーカープの天才ー

 「男気移籍」の黒田博樹同様、広島にはとんでもなくかっこいい選手がいた。前田智徳は90年から2013年までプロ野球人生の全てを広島に捧げ、野球に対するストイックな姿勢から「天才」、「侍」と呼ばれていた。通算.302、2119安打という大記録を持ちながらも松井秀喜、イチロー、落合博満と大きく異なる点は彼ら独自のフォームを編み出したなか前田はシンプルそのもの。落合らOBも絶賛した。

 野球への厳しい姿勢は他球団からのファンからも愛された。高校時代には甲子園でタイムリーを打ったにも関わらず本人からすれば打ち損じだったのか号泣。ある試合では自らのミスでランニングホームランを許してしまうが試合後半に自らもホームランを打ち逆転。ヒーローインタビューに選出されたが「ミスした自分がなるのはおかしい。逆転してもミスは消えない」とこれを固辞。95年に右アキレス腱を切る大けがをしてからは「前田智徳はもう死んだんです」「今は弟が打ってます」。こうした前田の発言には彼の「マイナス思考じゃない人間は超一流になれない」という考えあってのことという。


 まさに男が惚れる男。イチローがオリックス入団時「51」を選んだのは前田の番号だったからと言われている。天才が惚れる天才なのだ。


▲ゴルフの腕前も超一流。

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