【みやまる】たけし映画、ばんざい!3回目だコノヤロー

ーHANA-BIとたけし映画の女性-

 「台詞が少ない、ロードムービー、女性が幸せにならない」。年上の知人から俺はこういう映画が好きなんだけどおススメはないか?と聞かれたことがある。みやまるはちょっと悩んで『HANA-BI』を薦めた。

  たけし映画の女性はあまりしゃべらないのである。しかも感情をあまり表に出さない。じっと強いまなざしでそこにいる、静かだけどタフな女性が多い。男がバカヤロウコノヤロウやっているのをひたすらに見守る。本作はその点が徹底され、病気になってしまった妻はラストに一言「ありがとう」としゃべるだけ。むしろこれを言わせたいがために、という古典落語に通じるような構成である。

 「キタノブルー」とはたけし映画の青みがかった画面を指す言葉だが、気持ちが「ブルーになる」にも通じる。憂鬱の色の映画なのだ。しかしブラックやグレーではない。あくまでブルー。爽やかさも持った色だ。情熱の赤と対を成す北野映画には静かな女性が映えるのかもしれない。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?