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【2番弟子】今日の小話 #15「真夜中に竜田揚げ」

久し振りだった。真夜中にコンビニ。それはいつもフェスボルタに共連れして行くコンビニのあんちゃんに会いに行くための買い物とは違う道。

お久しぶりー!

いつもの挨拶を交わし二人連れでコンビニの外へ。今は客と店員という関係ではなく、だだの友達として一服しながら。雑談から次回のフェスボルタに行く話を取り付けるまでに至り、話は僕らが二人して行ったあの初めてのフェスボルタ出演時の事までさかのぼり。えらく盛り上がったが、いつもよりちょっぴり元気が無いのに気付かないはずもなく。俺は励ますのはやめて理由も聞かず、わざと明るく振る舞った。今までいつだってそうだったように。やっと笑顔が出たよ。

客が入って来た。今夜もまた別れる時間が来たようだ。

「じゃ、またな!」

笑顔で俺は捨て台詞を言うかのようにギャグをかまし、去ろうとすると、

「今日、揚げ物捨てちゃったんだ、わりい!」。

0時頃くればやるから。そう約束してくれたのは前回来た時鶏の唐揚げを包んでくれたから。次回は0時に来よう。そう決心は固まった。優しさだよ。わかってるって。帰り道買い物袋をぶら下げて帰る道すがら、唐揚げの代わりに少しあったまった心でいつもより少しばかり美味くタバコを吸えたのは気のせいだったか。



じゃ、またな! ってのはギャグじゃないですよ。

唐揚げの代わりに〜のくだり、おもしろかったでしょ。

え?

つまらないって?

なーんてっ!



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