ジョンと出会った読者たち【第14話】
僕の熱い叫びが胸をうち、愛弟子すずきゅうが号泣したところで、そろそろお馴染みの暴走展開。すずきゅうをアメリカへ送り出すために、僕は勝手にブランドを立ち上げてしまいました。
ごく普通の会社員である僕が血迷って携帯番号を誌面に載せたところから始まる、アメイジング・ドキュメンタリー!
自称美術教師ジョン・ヒロボルタ、恒例の暴走により、勝手にこの夏アメリカに行くことにされ、さらにその旅費を捻出すべく自分のニックネーム「ZQN(ズキュン)」を冠したアパレルブランドを立ち上げられ、そこでZQN Tシャツをはじめ、各種ZQNグッズを販売することになってしまった、群馬の高校2年生すずきゅうボルタ(座右の銘:群馬で一番キチッたヤツになる)。誌面を開いて初めて本人もその後の展開を知るこのやり方に、おそらく普通の人ならそろそろ嫌気がさすはず。しかし彼の座右の銘は、やはりダテではなかった。その後の反応を今回はお届けします。
いやー驚きました!
すずきゅう「いやー、驚いたのはジョンさんと僕が考えている事、ほとんど一緒だったって事ですね」
すずきゅう「実はアメリカに行くための資金を稼ぐにあたって、自分のグラフィティを売りに出そうと思ってたんですよ」
な、なにー! 全く同じことを考えていたのか! ちょっと悔しい気もするが、ならば話は早い。早速プロジェクトに着手しよう。しかもこれに勢いづいてか何なのか、彼は最近こんな「ZQNステッカー」まで作って、授業の課題を見せてくれた生徒たちに配っているようです。
なかなかパンクでかっこいいではないか! でも一応言っておくが、これは金正男じゃないぞ。
よし、すずきゅう! ZQN Tシャツのデザインを送ってくれ! アイアイサー!(すずきゅうの声)と、彼から早速送られてきたデザインがこちらです。
ZQN Tシャツ案①
左:表、右:裏
ロゴ部分拡大
作:すずきゅうボルタ
表にZQNロゴ、裏に英語の文章が絵が描かれている。ロゴの「Q」を顔にしたのはナイスアイデア。おばけのQ太郎のO次郎に似ててとてもかわいいし(知らなかったら検索)、女性でも着れる。まあ、まだまだ荒削りな感じはするけど、すずきゅうは自分のブランドなんだし、もっといろんな種類のデザインを上げてくれるよう期待してるぞ! ズキュラッタ!
ZQN Tシャツ案②
作:暁ボルタ
なんと「すずきゅう先輩を尊敬しています!」という、神奈川県在住の中学1年生美術部員、暁ボルタさんからもTシャツのデザインを送ってもらいました。燃えさかる炎の中に、力強く「ズ キュ ン」。暁ボルタさんが抱く、強くてかっこいいZQN先輩のイメージが表れてると思います。彼にとってとてもいい刺激になるんじゃないかな。
ZQN Tシャツ案③
作:よーこボルタ
東京都杉並区在住のよーこボルタさん(38)からもいただきました。職業はグラフィックデザイナーだそうですが、ひょっとして昔スプレーで落書きとかされてた系ですか?
ZQN Tシャツ案④
作:ヒロボルタ
そしてこれは、私、ジョン・ヒロボルタ(32)のデザイン。僕の文章を読んで泣いた時の、感受性豊かなズキュンを表現してみました。 ということで、もっとデザイン案を集めて、ブラッシュアップさせ、夏前には発売する感じでいこうと思います! ズキュラッタ★
●改めてすずきゅうボルタをご紹介!
ところで、埼玉県在住のスプリガンボルタさん(42)から、「すずきゅうがどんなやつかわからないと、読者もTシャツのデザインを描きづらいと思いますよ!」とお電話をいただきました。そこで最後に、すずきゅうのおさらいをしましょう。
属性:群馬県の高校2年生美術部。
性格:基本パンク、一見ひねくれてるが、実は素直で感受性豊かな真面目タイプ。でもノリは抜群。ネタの許容度が高い。
趣味:スケボー、グラフィティ。
乗り物:東武伊勢崎線、ペニー(スケボーのちっちゃいヤツ)。
好きな音楽:ブッダブランド。
家庭環境:母と弟。父はアメリカ在住。
癖:名言を吐く。
「俺の知らないやつが、俺のことを知っている」
「俺に画材は要らない。なぜなら俺のキャンバスはこの世界……このあとすぐ」
「またメディアにハメられた」
「ゆとり世代っていうけどさ、ゆとってない人たちが、勝手に俺らに妬みを押し付けてるだけなような気がする」
ZQN Tシャツのデザイン大募集中!!
引き続き「ZQN Tシャツ」のデザインを募集します!(コンペになりますので、あらかじめご了承ください)。また、Tシャツを安く作れるよ!とか、フェスでぜひ売ってくれ!とか、コラボして!という企業も大募集中です! 宛先はhirotakufr@aol.com または、090-6143-2407まで!
そして非常に頻繁なメールや電話を通して、実に多くの助言や忠告をいただいた、先ほど登場のスプリガンボルタさん(42)へお願いがあります。その異常なまでのすずきゅう愛に私は感動しました。「先生、彼の今の状態はダメになる画家のパターンです」とひどく親身になったご指摘をくれたスプリガンさん。かつては絵のコンクールで日本トップクラスに入賞した実力を持ち、今は映像関係のお仕事をされているそうです。そんなスプリさんの絵を、僕も担当編集も見たいのです! Tシャツを作ってくれる印刷所や、すずきゅう支援に賛同してくれる知人に当たっていただくのは非常にありがたい。でも、僕らはあなたの絵が見たい! 「日曜は女を抱く日」と言っていたスプリさん。その一日を、今回だけは絵を描く日にしてくれませんか? 今なら間に合う、スプリガンボルタ! 絵を送ってくれ〜!!!
(「TVBros.」2013年5月22日発売号掲載)
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