【みやまる】大相撲1月場所を振り返る。

 千秋楽が24日だったことを考えると少々遅いネタだが、今場所も振り返ってみたいと思う。

 11年に大関に昇進以来、陥落こそないものの準優勝は僅かに1回、カド番は5回(歴代7位タイ)と大関陣の中でも稀勢の里の1歩後ろ、豪栄道・照ノ富士との2番手争いというポジションが続いた琴奨菊。しかし今場所は尻上がりに調子を上げ、「えっ?!琴奨菊ってこんなに強かったっけ?」と全国の好角家を言わしめ手にした優勝賜杯であった。内容も13日目に豊ノ島に破れこそしたが、前日までの3横綱との取り組みを含め取り口は完璧。特に11日目の白鵬戦では持ち味であるがぶり寄りで横綱にマワシを取らせない、「ガブ」「ガブリエル」というあだ名の琴奨菊にふさわしい白星を得た。年齢的なことを考えると綱取りは今年がラストチャンスだろう。しかし来場所もこの好調を保てれば、地元福岡の土俵を横綱として凱旋するドラマを11月に目撃できるかもしれない。

 琴奨菊以外では、優勝争いのピリピリしたムードが他の力士にもうつってしまったのか、立合が合わなかったり、物言いがつくような取り組みが多いように感じた。そのなかで新入幕の正代(しょうだい)の素早い四つ相撲が見ていて楽しかった。共に学生横綱出身同士になった御獄海(正代より1歳年下だが、新入幕は御獄海に先を越された)との取り組みはこれからも名勝負が生まれるのではと思わせる熱戦だった。2人の好調に対して学生横綱の先輩、遠藤が1勝6敗8休と絶不調だったのが少し悔やまれる。

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