【２番弟子】今日の小話 #11　「バレンタイン、その後日談」

今年のバレンタインデーは奇跡的に気持ちの余裕があった。ある既婚の女性から、嬉しい義理チョコを進呈していただいたからである。あれから約一週間が経過した。その女性から送られてきたひとつの小包。実はその女性、まだ新婚一年目くらいの新妻さんで、先輩の奥さんでもある。中身はクッキーと、再びチョコレート。手にとったら手紙がクッキーの下から、はらりと落ちた。目を通すと、こんな一節が添えられてあった。

「作りました。あの時、アタックして来るの、待ってたんだよ(笑)！　お笑い、頑張ってね！　またクッキーでも作ってやるから(笑)(^-^)」

俺は手紙を手に掴んだまま、

俺も、好きだったんだぜ。

と、独り言を周りの目も構わずつぶやいた。そして、クッキーを食らった。
しょっぱい涙の味がした。

「これ、誰得（だれとく）な文章だよ！」って思ったでしょ？

気持ち悪いとか言わないで～。

ね。

なーんてっ。