【みやまる】通ぶれる野球バナシ 23球目

ー川崎宗則のストレンジ・ラブー

 野球選手は当然のことながら野球が好きで好きでしょうがないという人の集まり。その中でも今回紹介する川崎宗則は「1日1試合では足りない」という程の野球ヲタクである。その野球の中に、彼は過剰な愛情を注いでいる存在がある。イチローだ。イチローの魅力を訊かれたときこう答えている。「強いて言うなら、イチロー選手はおにぎりみたいな感じです。毎朝出てきてもOKですよ」

 11年オフFA宣言。盗塁王1回、最多安打1回という成績からのメジャー挑戦は順当といえるが、川崎の米挑戦には前代未聞の条件が加わる。

「イチロー選手と同じチームを希望しています」

 なんとまさかの逆指名!年俸は日本(ソフトバンク)時代の1/10以下という条件だったが念願のイチローのいるシアトルマリナーズへ。背番号は61にだが「逆から読めばイチロー」という説も(日本でもイチローの次という理由で「52」を着けていた)。キャンプではイチローがいることを想定した「エアイチロー」練習を披露するなど川崎にとって幸せな時間が流れた。ネット上ではそののめりこみ具合に川崎の愛称「ムネリン」に引っ掛けて「ホモリン」とも呼ばれるようになった。

 しかし7月24日、川崎に衝撃のニュースが。最愛のイチローがNYヤンキースへ・・。川崎もイチローのいないシアトルを離れトロント・ブルージェイズへ。ムードメーカーとしてトロントのファンにも「KAWASAKI」の名前が定着してきたころ、ヤンキースとのゲームでイチローと相見えることに。イチローはレフトへ打ったヒットは日米4000安打目のメモリアルヒット。幸か不幸かレフトからそのボールは2塁の川崎に返球されたのであった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?