【みやまる】通ぶれる野球バナシ 56球目

ー天才たちの球宴ー

 オリンピックを漢字で「五輪」と表すように野球のオールスターゲームは「球宴」と書く。年に1度のお祭り、『野球狂の詩』ならぬ「野球狂の宴」なのだ。そしてそんな大事な日にオイラは熱出して寝てたのだ。これじゃあ「野球狂のうたた寝」である。今日はオールスターゲームの名エピソードを紹介しよう。


★幻のイチローVS松井

 96年のオールスター、9回表2死で全セの打者は巨人の松井秀喜。全パの監督仰木彬(オリックス。球宴は前年の優勝球団のリーグの監督を務める)がはここにとんでもないリリーフエースを送り込む。

▲ICHIRO!

 最近イチローネタ多すぎ?(汗)。まあ、天才は話題に事欠かないということだ。高校時代投手だったイチローをなんとプロのマウンドへ!イチローVSゴジラと思われたが全セの野村克也監督(当時ヤクルト)は代打に高津臣吾(ヤクルトの投手)を起用。夢の対決に代打を送った野村采配は今でも賛否両論あるが松井や他の打者の立場を尊重したものとされている。

★お祭り男の盗塁。

 04年のオールスター。開会前から「MVPを獲る」と豪語していた日本ハムのSHINJO(新庄剛志の日ハム時代の登録名)。1番で出場しいきなり天を指さし予告ホームラン!かと思いきやバントで出塁とのっけから大暴れ。3塁ランナーになると、

▲なんとホームスチール!

 普通の試合でもそうそう決められない、最難関の盗塁をやってのけた。グラウンドのエンターテイナーは宣言通りこの試合のMVPを獲得。「これからはパリーグです」というヒーローインタビューは昨年球界再編問題で揺れたパ・ファンを大いに励まし盛り上げた。

★イヤミな副賞?

 この話はいわゆるひとつの「長嶋伝説」のようなもので真偽が定かなものではないのだが、ある年(83年か95年)落合博満はオールスターで試合MVPに輝いた。当時主催だった家電メーカーから賞金の他に副賞をもらったが、これにはオレ流大打者も苦笑い。扇風機だったのだ。「扇風機」とは「スイングしても空を切るばかり」という意味で三振の多い選手を揶揄する言葉。落合は王貞治も成しえなかった3冠王3回という大記録の保持者。球界に「落合旋風」を巻き起こしたのは確固たる事実だが・・・。


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