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ジョンが出会った読者たち【第4話】

今まで変な人からしかかかってこないこの電話ですが、今回はさわやかな読者(一部そうでない読者もいますが)からの電話がありました。しかし僕が暴走してとんでもない事態を巻き起こすことに……。
ごく普通の会社員である僕が血迷って携帯番号をTVBros.誌面に載せたところから始まる、アメイジング・ドキュメンタリー!

群馬県の高校でボルタ増殖中!?

—— こんばんは! お名前は?

「たろおみボルタです! 高校1年です」

—— 若いですね~。ブロス読者歴は長いんですか?

「中学の時に、姉が買ってきたブロスに大好きな志磨遼平さんのコラムがあるのを見つけて、それから立ち読みするようになりました。今はお小遣いをやりくりして毎号買ってます!」

—— クラスのみんなもブロス読んでくれてますか?

「……友人に勧めてるんですが、今のところ僕だけです。みんなはジャンプ読んでます」

—— 頼みますよ! みんなをこっちの世界に引き込んでやってください。

「はい」

—— たろおみさんは音楽好きなんですね。

「趣味がギターなんで。海外だとイギー・ポップが好きです」

—— 渋い高校生ですね。部活は軽音部とか?

「美術部です。部長をしています。将来は絵描きになりたいと思ってるんですけど、やっぱりそれで食べていくのって難しいですよね…?」

—— まだ1年生なのに美術部部長になれるくらいなんだったら、結構行けるんじゃないですか?

「……部員が2人なんです」

—— えー、まさか廃部寸前とか?

「はい。なのでスズキュウボルタという親友を誘って2人でがんばってます」

—— 藤子不二雄みたいでいいですね~。もしよろしければ、僕も入部させていただけませんか?

「ぜひ! 顧問の先生にも言っておきます!」

数日後、再びたろおみボルタから電話がかかってきた。すっかり“ボルタチルドレン”と化している。

「今日はヒロボルタさんに紹介したいやつがいるんですよ! いつも一緒にいるクラスメイトなんです。ちょっと電話代わりますね」

—— (なんかテレホンショッキングみたいだな)もしもし~。

「はじめまして。グメンバボルタです!」


読者ブロファイル⑦ 高1ボルタ:群馬県在住の高校1年生。元々のブロス読者は中央の「たろおみボルタ」。大学1年の姉、ヘビメタ好きの父がいる。身長181cm、体重62kg。美術部部長。左は同じく美術部部員のスズキュウボルタ、右は新聞部部長のグメンバボルタ。—— あれ、スズキュウじゃなくて、ぐ…グメンバ?

「はい!」

—— 何部ですか?

「新聞部です!」

—— まさか、部長さん?

「はい! 部長です!」

—— まさか、部員は…?

「2人です! 絶賛募集中です!」

その後、再び、たろおみボルタから電話が。

「グメンバくんは、ジャズとYMOと井上陽水が好きで、カメラを愛してやまない僕のクラスメイトなんです! 彼は学校の新聞作りをほぼ一人でやっていて、その仕事に命を賭けています!! とても誠実ないいやつなんです!!!」

友達をなぜか僕に対して猛烈にアピールする、たろおみボルタ。ちなみに僕にも、君たちのように、いつも一緒にいて、毎日ウンコ中に電話している友人がいます。五反田の中国エステを愛してやまない男で、彼は雑誌作りをほぼ身内だけで行い、その仕事にこれといって命を賭けることなく、「テレビ雑誌は終わりですよ」って言ってる、とても正直ないいやつです。ブロス編集者の木下って言います。

最後に、若いボルタたちに、僕のお気に入りの熱い言葉を捧げたいと思います。

I look around and I see these young faces and I think. 
I mean I made every wrong choice a middle age man could make. I pissed away all my money believe it or not. って全然書ききれね~!!!

刑務所関係からの電話!? そして衝撃の展開に!!

—— もしもし〜。お名前は?

「コンボルタです。札幌からです」

—— ご職業は?

「今は旅行コンサルタントのような仕事をやっています。あとはデジタル関係の仕事を個人でやっております」



読者ブロファイル⑧ コンボルタ:北海道在住男性。旅行コンサルタント。元刑務所勤務。サンリオの「いちご新聞」好き。

—— もうお仕事長いんですか?

「以前は某刑務所におりました」

—— え!? 何の犯罪で入られたんですか?

「違いますよ! 勤務してたんです! 公務員ですよ!」

—— あ、びっくりしました(と、ここでは書けないような刑務所話が続く…)。コンボルタさん、喋るBPMがオランダのクラブみたいなスピードですね。

「よく友人には『歩くジャパネットたかた』って言われます」

—— たかたさんは普段から歩いてる気がしますが…。

「今は函館と札幌をメインに個人旅行のサポートをしているので、ガイドブックにも書いていないようなこともご紹介できますよ! (と、ここで函館の裏観光話が続く)」

—— いやー、その夜景は知りませんでした。ぜひ見てみたいです。

「それにしても、このページに電話かけてくる人って個性的な人が多いですね」

—— コンボルタさんも個性的っていうか、ぶっとんでますよ。

「いやいや、私なんか… 070-5613-1946」

—— え——!!!

「ここはひとつ、私の電話番号も晒してしまうくらいしないといけませんよね!」

—— 落ち着いてください! そこまでしなくても大丈夫ですから!

「いや、定期購読者としてはそれくらいしないと!」

今回も続きが書ききれません!!!

ということで今回も語りおろし! 話の続きは090-6143-2407へ! スペースの都合上書ききれなかった各ボルタのエピソードをお話します。ジョン・ヒロボルタ(平日は21時以降におかけください。土日はいつでもOK)。メールはhirotakufr@aol.comまで。

さらに! 高1ボルタたちとイベント開催!!

高1ボルタ&恋愛増殖炉うぉんちゅ&照夫展を12/22土13時よりデザイン・フェスタ・ギャラリー原宿(EAST 203)にて開催! 高1ボルタたちの作品展示したり、反原発男女の出会いをプロデュースしたり、ベトナム人スター照夫さんも来日します。入場無料。




という構想を立てて、自腹でギャラリーをおさえて、たろおみボルタに連絡したところ、断られました。
もう遅いよ! もうやるしかねぇんだよ!! 塾だとかテストだとかいろんな理由つけて断るってどういうことだよ! そもそも何のための”美術部”なんだ!? 芸術家の目指す場所ってどこよ!? 少なくとも今、お前に必要なのはテスト勉強じゃないだろ!? 「あれこれ準備していくうちに過ぎていくのが人生だ」ってジョンも言ってるぞ! レノンの方がな!!! あの時電話かけてくれた勢いはどうしたんだ!? 電話の後、俺のイラスト描いてくれてすごく嬉しかったよ! たろおみボルタ!!! お前のイラスト気に入ったからもっといろんなもっといろんな人に見て欲しい、廃部寸前の美術部にスポットを当てたいと心から願っているだけなのに、どうしたんだよ!! あまりに俺がお前らに肩入れしてるから怖くなったか!? 俺はホモじゃないぞ!!! 大丈夫、今ならまだ間に合うから絵を送ってくれ!!!(ジョンより)

(「TVBros.」2012年12月5日発売号掲載)

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