【みやまる】のほ本!12冊目-フフフの歩-

 将棋ファンの方には「今さら紹介するまでもない」くらいに先崎学九段のエッセイが面白いことは有名らしい。らしいと書いたのはみやまる自身はあまり将棋に詳しくないからである。駒の動きと入門書に必ず紹介されてる「棒銀戦法」が出来る程度。ただこの本を読む上では全く気にならない。どころかこの本以来、他の将棋の本を読むようになったくらいである。

 伝統的な棋界においても麻雀も競馬もお酒も大好きという「古風な」先崎九段。こうして書くと近寄り難い無頼漢というイメージを持ったひとも少なくないかも。しかし前回の大槻ケンヂさんのエッセイと同じであくまで今回も「のほ本」。爆笑爆笑とちょっとほろり。打って、酔って、怪我して、賭け碁に勝って800円という少額に浮かれていたら、ファンとの交流イベントで『第九』を合唱することになってさあ大変というような、「ひょうきん」という言葉が似合うにこやかな随筆。本著ラストの京都大学将棋部に学生へ指導へ行くシーンを始め端々に勝負師としての矜持をうかがわせる部分も。

 加藤一二三九段や株主優待の桐谷広人元七段など最近将棋界からバラエティで活躍する人が増えているが、次は先崎九段じゃね?と勝手に思ってます。

 



 

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