障害給付と障害年金
障害者として『補助』だの『給付』だのという事に否定的な考えがあるのは承知の上で、『どのような給付や補助が有るのか』という事をまとめました。
基本となるのは『障害者手帳』です。
障害者手帳
オストメイトは、『身体障害者福祉法』に基づき『膀胱・直腸の機能障害』もしくは『小腸の機能障害』として、身体障害者等級表による等級4級2種として『障害者手帳』の交付を受けられます。
私の場合、病院のソーシャルワーカーが申請を行ってくれた為に入院中に手続きが行われ、手術から20日後には交付され、退院後に印鑑を持って手帳を取りに行くだけでした。
市区町村によって異なりますが、法律に基づく申請ですので差異は少ないと思われます。
窓口は福祉事務所福祉振興係、名称に差異があるかも知れませんが、母子家庭、保育園等を担当ている係です。
申請時に必要なもの
① 申請書 福祉事務所にあります。
② 指定医師の診断書
③ 本人の顔写真(横3㎝☓縦4㎝) 1年以内に撮影された、脱帽上半身のもの。
主治医の診断書を福祉事務所の指定医が審査します。
手帳受領時に必要なもの
④ 印鑑
⑤ 本人確認書類
障害者手帳は障害者の身分証明書のようなものです。オストメイトは内部障害であり外部からはわかりません。ですが、災害列島日本に住む者としていつ被災するかわかりません。その時、身体の一部である装具の提供を受ける際にも障害者手帳は必要です。
日常生活用具給付
ストーマ用装具代金の給付が受けられます。
給付の流れ
① 前回の『地域生活支援日常生活用具給付決定通帳書』と同時に『日常生活用具給付申請書』が送付される。福祉事務所に障害者手帳を持って給付申請。
② 福祉事務所から装具販売店に見積依頼。
③ 装具販売店より発注を確認。
給付対象には『ストーマ装具』という制限が有り、『ストーマ以外に使用不可能な物』とされています。パウチ、皮膚保護剤、パウチを身体に密着させるものという定義です。
④ 装具販売店から福祉事務所に見積を送付。
⑤ 装具が給付されて来ます。
⑥ 同封された受領書を装具販売店に送付。
⑦ 装具販売店が受領書を福祉事務所に送付。
⑧ 福祉事務所から装具販売店に代金振込。
という流れです。
但し『世帯員に市民税所得割額』46万円以上の人が居る場合には給付の対象とはなりません。
所得控除割額とは、(所得-控除額)×税率であり、税率は10%程度です。控除額にもよりますが年収5百万円程度、そこそこの収入です。 月額8,600円、年額103,200円分給付されます。
中2日でパウチ交換するとして月10枚、1枚単価860円のパウチで全額という事です。
装具販売店の通販サイトでも装具の購入は可能です。購入に際してポイントが付与される場合も有ると思います。
ですが、近くの装具販売店では災害時の装具提供を始め、新商品情報、サンブルと何かと相談ができます。
障害年金
法律が異なり障害年金受給に障害者手帳は必要ありません。
⑴ 障害基礎年金 (国民年金)
① 国民年金に加入中(60歳以上65歳未満で日本居住中)に障害状態になった時。
② 20歳未満で障害状態となり20歳になった時
オストメイトは年金等級2級。
780,900円+子供加算 224,700円
⑵ 厚生年金
用件は国民年金と同じ。厚生年金ではオストメイトは3級。
最低補償額 585,700円、個人差あり。
厚生障害年金は基礎年金合わせ 1,366,600円。
金額はあくまで1例に過ぎません。
年金事務所の一般的見解
★ 障害年金は、年金加入者の障害に対し支給されるものであり、勤務状況等は一切関係はありません。
オストメイトの厚生障害年金受給例はまだ少ないが『厚生年金保険法施行令別表第1』の12に該当し受給例はあります。年金事務所では障害年金を扱う事例が少なく、
『各種問い合わせに関しては年金事務所に電話するより日本年金機構に電話して欲しい』
との事です。 年金ダイヤル 0570−05−1165
⑶ 特別障害給付金
国民年金任意期間未加入により障害基礎年金未受給者に対する給付金。
市区町村市民保険年金課ヘ問い合わせを。
その他の助成・割引
障害者手帳を提示して受ける事の出来る補助です。オストメイト、4級2種の場合です。
⑴ JR旅客運賃の割引
本人だけがが101キロを超えた旅客運賃の5割引を受けられます。定期券、急行券等は対象とはなりません。
⑵ 航空旅客運賃の割引
本人だけが国内線に限り割引対象となります。割引率は航空会社に問い合わせて下さい。
⑶ 高速道路通行料金の割引
通行料金の 5割引を受けられます。事前に福祉事務所で手続きが必要です。
⑷ フェリー運賃の割引
旅客運賃の割引を受ける事ができる場合があります。自動車運賃は割引の対象とはなりません。
市区町村で差異がある助成や割引
⑸ バス運賃、路面電車の割引
運賃・定期券の5割引を受けられます。但し割引の対象とならないバス会社、路線もあります。
⑹ タクシー運賃の割引
運賃の1割引を受けられます。運転手に確認して下さい。タクシー利用券を発給している市区町村もあります。
⑺ 公立施設入場料の減免
都道府県立や市区町村立の美術館や博物館、温水プール等の公立施設の入場料が減免されます。
駐車場料金の減免もあります。
⑻ 自動車運転免許取得費の助成
取得費の3/5、10万円を市税完納を条件に助成を受ける事が出来ます。
⑼ 市営住宅への優先入居
その他助成・割引は市区町村に存在します。
私の居住する市区町村の福祉事務所では、すべての助成・割引に対し解り易く説明をします。
助成・割引を受ける受けないは本人の選択であり、『受けたくても知らずに受ける事が出来なかった』という事案を防ぐ為です。
私もその考えに同意します。
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