見出し画像

お天気とお値段付けの話

 とうとう梅雨に入ってしまいましたね。
 うめさんの中の人です。

 『おやつのうめさん』で販売を始めて四か月、『もっとパッケージで高級感を出して値段を上げれば?』などのお声をいただく機会があったので、お値段付けの話を一度書いておこうと思います。

 お店やさんをしようと決めたとき、一番悩むのがお値段付けだと思います。原価、人件費、相場等を考慮して決めましょう、とは、よく言われるところでもあります。(とはいえ、洋菓子店の焼き菓子だってピンキリなお値段です、難しい)

 『おやつのうめさん』は『洋菓子と和菓子と駄菓子の間』を目指しています。(中の人にとって)大事なのが『駄菓子』というところ。わざわざお取り寄せしていただくけれど、『ハレ』のお菓子ではなく、普段のおやつにしていただきたいのです。

 以前別の仕事をしていた頃のことです。深夜の仕事帰りにコンビニで甘いものを買っては、車の中で食べながら罪悪感に囚われていました。薄給なのに割高なコンビニスイーツを買ってしまう罪悪感、パッケージのわりに中身が小さくて思ったほどおいしくないような気さえして、なんでこんなしんどい思いをしなきゃいけないんだろうと泣いてしまう日も結構(かなり)ありました。今思えば、ちょっと病んでいました。

 そんな体験から、コンビニスイーツくらいのお値段で、ク〇アア〇ヒが家で冷えてる♪くらいの気持ちで家におやつが届いてる♪と思ってもらえるようなお値段にしたいなと考えたのです。

 手作りだし無添加だし、お取り寄せでちょっとぜいたく感あるけど百貨店のお菓子ほどじゃない、日々のぜいたく感がほしいときに頼りにしてもらえるくらいのお値段。

 とはいえ、ミンネで設定できるお値段の下限が300円なので、安易にそれに合わせたところも、あるにはあるのですが、まあ、そんなふうに決めました。

 そんな値段設定でやっていけるのか(※)、と言っていただくことがあったのですが、(今のところまだやっていけてはいないのですが)、相場と比べて安いとも思わないし、パッケージで盛って発送するなら送料も上がるし、ギフト用のかわいいお菓子なら、いくらでも他にもっと洗練されたものを作る方がたくさんいらっしゃるし、きっと今ほどたくさんの方にご購入いただいて食べていただくことも、できなかったのではないかと思ってしまうのです。

(※1個300円、10個3000円、100個30000円、1000個300000円、と言われると、そんなに作れるのか?!とは思うのですが、それは努力のしどころなのかもしれないなと思ったりしています。中の人が好きなお店はこれくらいのお値段のところが多いので、みんなすごいんだな…とあらためて実感したりもしています。)

 元々、月二回ほどイベント出店することを想定していたので、新型コロナウィルス感染拡大の影響といえなくもないけれど、自粛期間は『おうちでお茶のお供に』と購入してくださった方も多かったように思います。

 ありがたいことに、売り上げは途切れないし、四か月の間に中の人も設備に慣れてきて、おいしくたくさん手早く作ることができてきました。今ならたくさんイベントに持っていって衝動買いしてもらえるんだけどな……

 四ヶ月やってきてみて、次のことを考えなければならない段階に来たのだなとしみじみしています。

 そう、夏が来るのです。

 『おやつのうめさん』の人気商品といえば、甘酸っぱいこはく糖ですが、近年の夏は人間でも溶けそうなほど暑いですし、ご存じの通りゆずこはくは早いうちからそもそも糖化しない、べたつきやすい、という問題を抱えていました。

 犯人がクエン酸であるらしいということまでわかったので、ここまで譲れなかった『酸っぱさ』のないこはく糖を作ってみたところ、拍子抜けするほどすぐに糖化してくれたのです。真夏の琥珀糖、もしかしたらこのシリーズでならつづけられるかもしれないなと。

 あとは真夏の暑さに耐えられるかですが、乾燥機の設定温度は40度前後ですし、これはむしろ湿気の問題なのかもしれません。とはいえ、宅配の荷物が熱々になって届くことを思えば、不安はのこります。飴だってとけるのだから、いはんやこはく糖をや。

 今のところ、真夏はさぶれとらむねを中心にしようと考えていて、らむねは食べやすくリニューアル予定です。研究中です。

 らむね、加熱をしないので賞味期限を短めにさだめていたのですが、しっかり乾燥させれば長めの賞味期限でも大丈夫だと考えています。パッケージも変更予定だったりします。

 試行錯誤で心が折れそうになることもあるけど、遠くから届く『おいしかった!』の声を励みにがんばろう、と思う日々です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?