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『アルケミスト 夢を旅した少年』

パウロ・コエーリョ著

表紙に惹かれ前から何度か書店で手に取り棚に戻した記憶があるが、今回はすっと買った。

表紙の絵がとてもステキ。

分量も多くないが、出だしから引き込まれすぐに読み終えた。

ストーリー自体はとてもシンプルで、羊飼いの少年が宝探しの旅に出ていろんな経験をする冒険譚。

登場人物の会話がとても深い。
暗示的で普遍的。
『星の王子さま』や『ジョナサン』のような。

一番響いたのは少年がピラミッドへ向かう旅の途中、らくだ使いが紛争の影響が迫る中、過去でも未来でもなく今の大切さを語る場面。

人は過去のことを材料に先のことを心配しがちなとこがあるようだ。
確かに備えることは大事だけど、どんな状況であれ一番は“今”を大切にすべきだと気づかせてくれる。

とてもいい作品。
そっと置かれたギフトのような。

ただ後から相当なベストセラーと知ったが、今のところそこまでベストセラーの理由が判らなくて、判る人がうらやましい。
自分にはたぶん3分の1も理解できていない気がする。

判りやすいのに本当のことは難しい。

どうしたって生きていたらいろいろあるけれど、よくないことばかりではないと思わせてくれる。
きっとこれから何度も読み返すだろうと思う。

とりあえず時々気になっていて自分と同じような病気の話のため躊躇っていた同著者の『ベロニカは…』を今なら読めるかなと思った。


#アルケミスト
#パウロ・コエーリョ

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