『禅マインド ビギナーズ・マインド』・『禅は、今ここーZen is right Here』

『禅マインド ビギナーズ・マインド』
『禅マインド ビギナーズ・マインド2』
『禅は、今ここーZen is right Here』

まだ戦後さめやらぬ頃、アメリカに渡り坐禅を伝えた鈴木俊隆師という僧侶の講話とエピソード。

『禅マインド～』は、アメリカで坐禅の合間にした法話集の邦訳。
帯にかのスティーブ・ジョブズのバイブルとか書かれていて、逆にどうなのかなとも思うけど…（彼が相当坐禅や東洋的なことに関心を持っており、この本を読んでいたのも事実らしい）

今思えば病気がほんのわずかに上向いてきた頃、偶然が重なって手にとった。

偶然を感じたのは確かだが、少し前から仏教や禅（他の宗教的なものにも）に興味があり本を読んだりしていたが大抵は難しくて、それを外国の人々に伝えたものの邦訳（逆輸入）なら判りやすいかもと思ったのが正直なところ(^^;)

当然だがそんなに甘くはなかった(笑)
でも全てを理解できるかは別として判りやすい言葉で、一番は全編に何とも言えぬ温かさ・優しさがこもっていること。

タイトルは、彼の｢初心が大事。エキスパートにはほとんど可能性はないが、初心者にこそ可能性がある｣という台詞からきている。
これはかなり逆転の発想でインパクトを受けた人が多いらしいが、正直なところピンとこなかった…

当時のアメリカは太平洋やベトナム戦争、商業主義の反動と言われるヒッピー文化の頃で、ジョブズ氏含め既成の感覚に合わない人も多くいたらしい。
元々は日系人のためのお寺に赴任した鈴木師はこうしたアメリカ人向けの禅の施設を造った。
相当な反響や苦労があっただったろうと思う。

でも数々の写真に残る面影などにそれを伺わせるものはない。
後半には重い病になりながら、死すら静に受け容れている様子が伝わってくる。

凄いと思うのは鈴木師の影響。
『禅マインド～』はベストセラー（アメリカだけでなく）で、仏教に帰依した人、鈴木師のアーカイブを運営してる人（『禅は、今ここ』はその人の著）などがいて、今もその教えを継いでいる人がいる。

『禅は、今ここ』は、そんな師と坐禅に来た人との会話などを集めたもので、もっと人柄に触れたくなって購入。
禅問答のようなやりとりやエピソードが収録されている。
写真も豊富で、やっぱりとにかく温かい。

病気の快復にはいろんな要素があるが、この出会いと坐禅には大きなものがあったと思っている。

個人的にはかなり影響され、これからも続くだろうと（期待もしつつ）思う。
何よりこの方の優しい表情と言葉が好き。

たぶんそのおかげで、あるお寺の坐禅会に通うようになったり、ほぼ毎晩家で坐ることの助けのようなものになっている。

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