見出し画像

没有黑夜,就没有黎明

「今までの生徒は感謝してくれている。いまだに文句を言って来るのはお前ぐらいだ」

「いまだに…?」

「…」

「なるほど、前にもいらっしゃいましたか」

「…それはともかく」

「はい」

「どれだけ大騒ぎかわかってるのか」

「いや、わからないです」

「そうか」

「はい」

「いい加減先に進まないとな」

「はい」

「お前ひとりでも、ここは変わらないぞ」

「…そうかな?」

「酔ってるのか」

「いいえ、今日はグレープフルーツ(ジュース)しか飲んでいません」

「そうか。先に行け」

「同じことを言った奴は全員消えたけど。大丈夫ですか?」

「…」

「ダメなことはダメですよ。そこキチっとしないと、割喰らうのまともな子たちだから」

「どこまでやる気だ」

「おわかりかと思いますが」

「…。(お前の)学年、覚えている。キャプテンはIとMだったな」

「はい」

「お前とNが副キャプテン」

「…他は覚えてますか」

「うん。Iと、」

「全員の名前、漢字で書けますか」

「…」

「私は2個上から2個下まで、辞めた子も含めて、全員書けます。出身も。剣道も再現できます。今まで、それぐらい見てましたか?」

「…」

「それを変えたいんです」

「お前がやるつもりか」

「いえ、無理でしょう。破壊者を身内には置けないでしょうから」

「そうだな」

「だからできることをやって去りたいんです」

「そうか。でも(ここは)変わらないぞ」

「知ることから変わることもある。とりあえず来年から、確変させます」

「…」

「土台は固めました。それで、私の役目は終わりです」

「…。卒業して何年経った」

「8年です」

「まだやり直せるぞ」

「そうですか。早めによろしくお願いします。先に進みたいんで」

「引かないな」

「まあ、人生懸けてますから」

「何になるつもりだ」

「だから、既に教員じゃないですか…まあ、楽しみにしておいてください。死なないでくださいね。あ、私もたぶん独り身です」

「余計な一言が多い」

「潔く剃って出家するのも検討してます」

「…そうか。まあ、がんばれ」

「はい」