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THE HARDBAIT #004 「水温12℃のシャロークランキング実例」
朝、フィールドの水温が12℃だと判明したら、あなたはどんなルアーを最初に選ぶだろうか。ライトリグ、シャッド、それともメタル系ルアー?
11月下旬、茨城県新利根川を訪れた高橋一夫さんのファーストチョイスは“シャロークランク”だった。このフィールドを訪れるのは1週間ぶりで、前週はまだ14℃の水を湛えていたらしい。短期間で2℃も急降下していることを考えると、いささか強気すぎる選択にも感じられるが……。
高橋「今日の新利根川のバスがどういう場所にいるのか、ヒントが得られるまではひとまず浅いレンジをやってみます。マッディーシャロー系のフィールドでは、1年を通じてこういう展開でスタートすることが多いですね」
選んだのは「LC MTO 1.0」。シャローのボトムを叩きすぎないモデルを選んだ。岸際にはアシやブッシュなどが点在しているが、新利根川でクランクを巻く場合、そこへタイトに投げ込む必要性は低いと高橋さん。巻きはじめてすぐにボトムの泥を巻き上げてしまい、逆効果になることが多いからだ。もちろんバンクの障害物に寄り添っているバスがいるかもしれないが、それはワームでねらうべき魚だという。
高橋「クランクベイトで反応させたいのは、基本的に中層のベイトフィッシュを意識している個体です。だからバスの目線よりも上を通過させることが大事。ブレイクの傾斜がきついところでは急潜行するクランクを選ぶケースもありますが、ボトムノックはあまりやりません」
ギア比5.8:1のリール(スプール径32mm)を使い、1秒間にハンドル3回転程度のリトリーブスピードで巻いていく。水温が低くても極端にスローに巻いたり、ポーズを入れるといった小細工はしない。
高橋「H-1グランプリに出場しはじめたころ、『ハードベイトにワーム的な働きをさせよう』と考えて、いろんな工夫をしてみたことがあるんですよ。カバーを撃てるように改造したり、クランクをシンキングにしてボトムをズル引いたり(笑)。その結果わかったのは、『ルアーは本来の使い方をするのがいちばん』というシンプルな事実でした」
中流エリアにあるセブンイレブン下流・右岸側から流しはじめて、川筋がベンドしたところで「対岸のアウトサイドをやってみます」と一言。風もないため、少しでもカレントが効きやすい地形のほうがいいのでは、との判断だった。
アウトサイド側は濁ってやや水が悪い印象だったが、すぐに反応が出る。岸から3mほど離れたブレイクショルダー付近で、障害物にスタックしたような感触のナイスバイト! リアフックで絡め取ったのは990g、新利根川ではグッドサイズと呼べる1尾だった。
高橋「たとえ真冬でも、コンディションのいい個体はシャローに差してエサを食っています。水温ひと桁台になるとシャロークランクだけで成立する可能性は低くなりますが、それでも今日と変わらないような釣りをしていますね」
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記事&写真 水藤友基
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