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THE HARDBAIT #005 「クランク・ローテーションの一翼を担うシャッド」

今回の取材写真

1年を通じて、クランクベイトが自分の釣りの軸になっている」と語る高橋一夫さん。前回紹介したとおり、真冬でもシャロークランクが持ち駒になるほどこのルアーを使い込んできた。ただし、どうしてもバイトを得づらい状況ではシャッドにシフトしていくこともある。

それぞれ異なるジャンルに属するルアーではあるが、高橋さんにとってはあくまで「クランクベイトの延長線上にある巻き物」という位置づけ。より弱いアクションでなければ反応してくれないときに活躍するのがシャッド、というわけだ。

ルアーサイズも泳ぎも控えめだが、状況によってはクランク以上のビッグフィッシュキラーになるケースもあるのだとか。秋の新利根川での実例を挙げてもらった。

高橋「10月上旬、友人たちと小規模なトーナメントを開いたときの話です。新利根川を上流へ向かったのですが、その日はかなり水が悪かった。稲渋(稲刈り後の水田から入ってくる水)の影響もあったようで、クランクでドシャローを巻いても釣れるのは小バスのみ。そこで『ベビーシャッド60SP』に変えてブレイク付近を巻いてみると、グッドサイズが船べりまでチェイスしてくるようになったんです」

ここで、もうひと工夫。「巻いてダメなら止めてみよう」という発想で、シャッドがちょうどブレイクショルダーを通過するあたりでポーズ&軽いトゥイッチを入れてみた。これが大正解! キロフィッシュを筆頭にしてグッドサイズで入れ替えに成功、トータル15本もキャッチして準優勝に輝いた。

高橋「そういった小技が効くのもシャッドの持ち味ですね。僕は右利きなので、クランクベイトは右ハンドルで巻いていますが、シャッドはロッド操作も考慮して左ハンドルのタックルを使っています。とはいえ『バスの目線よりも上を通す』というイメージはクランクと変わりません」

シャッドは一般的にクランクベイトよりも浮力が低く、リップの先端も細いものが多いため、ボトムなどに当てすぎると根掛かりが増える。あくまで「しっかりとアクションが出る普通のスピードで中層を巻く」のがシャッドの基本操作。ポンプリトリーブやデッドスローリトリーブを試すこともあるが、圧倒的に差が出るとは感じていない、とのこと。

高橋「シャッドなみに弱くてタイトな泳ぎのタイニークランク、『LC0.5DD』の出番も、冬のあいだは多くなります。ボトム付近をトレースして、ついばむような弱いバイトしか出ないようなときですね。この場合は中層オンリーの釣りではないので、クランク形状のほうがリップでオダやボトムの障害物をかわしやすく、快適に扱えると思います」

記事&写真 水藤友基


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