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THE HARDBAIT #003 「晩秋のクランク・ローテーション例②」

将監川に入った鈴木美津男さん。なだらかなシャローフラット等を「LC MTO 0.7」でチェックしたのち、障害物やカバーにしっかり絡めていくようなアプローチも試みた。

今回の取材写真

鈴木「このあたりは規模の大きなオダが沈んでいるので、『LC RTO 1.5』に変えてみます。『LC MTO 0.7』でもやれなくはないですが、より浮力があって回避能力の高いクランクのほうがストレスなく巻けるので」

おもにこの2種類をローテーションしていったが、意外なほど反応がない。途中で出会ったオカッパリアングラーによると「朝は水が流れていてグッドサイズが食いました」とのこと。われわれが将監川にやってきたのは10時ごろで、たしかにまったくカレントが感じられない

鈴木「ダメなタイミングで入っちゃったかな(苦笑)。これだけバイトがないということは、フラフラ泳いでいるバスが少ないんだと思う。もっと冬寄りの釣り方に変えてみます」

一般的なセオリーどおりに考えるなら「シャローで食わないときは一段下へ」と、レンジを下げていくのが普通だろう。「LC 1.5 DD」などのミドルダイバーに変えて、水深のあるスポットをチェックするのか。それとも「クラッチMR/DR」のようなスモールタイプのクランクで、よりフィネスに攻めていくのか?

鈴木さんが選んだアプローチは、そのどちらでもなかった。セットしたのは「FAT CB B.D.S. マジック1.2」。ボディーサイズ55mm、潜行深度は最大で60cm前後。シャロークランクから、一見似たようなシャロークランクへのローテーションするというのだ。

ところが、これが大正解! 短時間でグッドサイズを含む2尾をキャッチすることに成功した。反応があったのは、これまで流してきたのと同じようにボトムの傾斜がゆるやかなスポット。もちろん水深は1mに満たない。エリアやボートポジションを大きく変化させたわけでもないのに、わずかなルアータイプの違いだけで、ここまで反応が変わることに驚く

鈴木「『FAT CB B.D.S. マジック1.2』のアクションは、いわば“パタパタ系”。MTOやRTOと比較すると、ロールが強めの泳ぎです。ちょっとした枝や障害物にコンタクトしたあとに跳ねず、まとわりつくように回避してくれるんですよ。これをなだらかなバンクに沿って丁寧に巻くのが、僕の晩秋のセオリーのひとつ。朝から冷え込みが厳しく、霜が降りているようなタイミングで試してほしいアプローチです

記事&写真 水藤友基

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