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ポケモンカードゲームClassicは本当にクソゲーなのか?
皆様はポケモンカードゲームClassicをご存じでしょうか?
「ポケモンカードゲーム Classic」は、「普遍的に、いつまでも遊べるポケモンカードゲーム」をテーマに、デザインオフィスnendo・株式会社クリーチャーズ・株式会社ポケモンの三社が共同で開発を行った商品です。
上記のように「普遍的に、いつまでも遊べる」というのをテーマにしている商品になります。
さて、そう言われると皆さん気になるのは、「これ本当におもろいの?」ってところだと思います。
インターネッツの海で本商品の感想を眺めてみると、「ゲーム性が終わってる」だの「エネ&サプライが本体」だの「箱がデカすぎる」だのマイナス意見が目立ちます。
こういうのはどうしてもマイナス意見が目立ってしまうもの、実際にプレイもしないでエアプで評価するのは良くないと思い、私自身何度かこれを使って対戦をやってみました。
その結果思ったことを本記事で書いていこうと思います。いわゆるお気持ち表明です。対戦よろしくお願いします。
ゲーム性について
結論から言うと何度かプレイしてみた結果、ゲーム性が低いのは紛れもない事実だなと思いました。
サーチ札であるハイパーボールやパソコン通信、手札干渉であるロケット団の幹部があるため、ある程度多彩な戦略がとれるようになってはいますが、そもそも各ポケモンが1~2枚しかないため進化に頼った展開は難しく、結局「たねexを育ててぶん殴る」が一番強い大味ゲームです。
ミュウツーやサンダーやカイロスといったようなexへのカウンター札もあるにはありますが、それらも基本的に「exでぶん殴ってその間に育てる」という展開になりがちです。
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また、さながら構築済みデッキの進化後がない進化前を彷彿とさせるような、あまりに弱いカードも何枚か入っています。このゲームデッキの中身変更するの想定してないよね…?
昔のカードパワー低いやつが入ってるのを5兆歩譲って許容したとて、強化版みたいな性能のやつも一緒に入ってるのキッツイな pic.twitter.com/mxU4NhSJkO
— あ4(あし) (@06aaaa24) October 22, 2023
偉い人曰く、ゲーム性とは「リスクとリターン」だそうです。
先ほどのポケカクラシックを例に挙げると、雑魚を壁にしながらexを育ててぶん殴る行為が低リスク高リターンすぎるという点はゲーム性が低いといえるでしょう。ex以外のポケモンの性能が低いし不安定だしで、1度exで殴りだせばサイド3枚以上取ることは容易いため、サイドが2枚とられるというリスクが小さすぎます。逆にあまりに弱いカードは、exを差し置いてエネを貼る、およびベンチを埋めて負け筋を増やすというリスクに対して、リターンが小さすぎます。
もしかしたら私の考察が浅いだけでもう少し詰めれば様々な戦術が出てくるのかもしれませんが、少なくとも往年の「〇〇(任意の環境デッキ)ミラー」や「PJCS〇〇〇〇(任意の年数)」のような複雑なゲーム性はないと思います。
ゲーム性が低い=つまらない?
ゲーム性が低いということはさぞかしつまらないんだろうと思うかもしれませんが、少なくとも私はそうは思いません。というのもゲーム性と面白さは必ずしもイコールにはならないからです。
先ほど参考資料として挙げた偉い人の動画の最後で、「ゲーム性が上がると一般性が下がる」という言葉がありました。高度なゲーム性はプレイヤー層を限定してしまうというわけです。
JCS〇〇〇〇やA~Cレギュみたいに「どこか特定の時期の環境デッキを再現してバトル」みたいなのをやるとゲーム性が上がりすぎて前提知識が増えてしまい、かじった程度の知識では天地がひっくり返ってもやりこんでいる上級者に太刀打ちできません。カードプールが広すぎるエクストラor殿堂もこの類。
「いやいや前提知識がどうこう言っているけどポケモンカードゲーム自体ルールを覚えていないとできないゲームじゃん!」と思うかもしれませんが、この製品はそもそも「皆さんポケモンカードゲームのルールは当然ご存知だとは思いますが…」を前提にしたものになっているのでそこはしょうがない気がします。説明書は「『サポーター』と『サポート』は同じものです。」と書いてある紙しかありません。なんてったってみんな大好き超大人気ゲームですからね。
逆にスタートデッキはゲーム性が低いけれども一般性の高い商品と言えるでしょう。あれもゲーム性はお世辞にも高いとは言えませんが、エネを貼って殴るというゲームの基本的な動きがわかりやすく、様々な人に最初の一歩として楽しんでもらえる商品になっています。ガッツリやってるプレイヤーの中にも、スタートデッキ同士の対戦はデカブツで殴るのが鉄板戦術になりがちだけどそれはそれとしてそこそこ面白いと感じたことがある人も多いのではないでしょうか?
というかポケモンカードゲーム自体ポケモンを題材にしたキャラゲーなんだからポケモンにエネ貼ってワザ打ってるだけで楽しいです。
つまりポケモンカードゲームClassicとは、ゲーム性を引き換えに一般性を高めることで面白さを獲得した商品と言えるでしょう。商品説明に書いてあった「普遍的に」っていうのは一般性を高めているというアピールだったのです。なのでゲーム性が低いからつまらんというのはお門違い、ゲーム性を求めるやつらは普通に自分の好きなレギュやっててねということです。ところでいつ普遍的に流通するんでしょうね。
また、先ほど説明書が無い点を述べましたが、先攻プレイヤーのワザ、サポート、ドローの制限等の細かいルールについての記載もありません。おそらく詳細なルールはプレイヤーの裁量に委ねられているのでしょう。つまり「ポケモンカードの大まかなルールを知ってさえいれば細かいルールは適当に決めてよい」というわけですね。大富豪のローカルルールみたいなノリでこれまた一般性を高めています。
私がやるときは先1サポワザ禁止の現行スタン仕様で行っていますが、もしかしたらこういう細かい点を変えてもゲーム性が大きく変わらないように構築されているのかもしれません。
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「いつまでも遊べる」とは?
さて、ゲーム性が低いのは悪いことじゃないと苦し紛れの擁護をしたうえで改めて問題になってくるのは、「何でスタートデッキっていう安くて一般性高めた商品があるのにわざわざこんなの作ったの?」というところになります。ここで冒頭の商品説明にあった「いつまでも遊べる」というのが重要になってきます。
「ポケモンカードゲーム Classic」は、「普遍的に、いつまでも遊べるポケモンカードゲーム」をテーマに、デザインオフィスnendo・株式会社クリーチャーズ・株式会社ポケモンの三社が共同で開発を行った商品です。
本デッキの内容自体はスタートデッキと大差ないのですが、一つ大きな違いとして、様々な時代のカードを採用していることがあります。新しいものは完全新規のex、古いものは旧裏の初代連中までさかのぼります。途中にはLegendとかDPとかeのカードもあります。
スタートデッキは一般性の高い商品ではあるのですが、これって結局GXスタートデッキ→Vスタートデッキ→exスタートデッキというようにレギュレーションの枠にある程度囚われている商品です。今スタートデッキ戦をやろうとしてGXスタートデッキを持ち出す人はいないでしょう。そのためいつまでも遊ぶ、というのはちょっと厳しいです。
一方ポケモンカードゲームClassicは全時代のカードが共演しているため、レギュ落ちなんて概念は当然ありません。また、様々な時代のカードが共演しているため、ポケモンカードに少しでも触ったことがある人なら「あーこんなカードあったね」みたいな話でワイワイできるようになってます。
レギュ落ちがどうこう言うと決まって「ADV-PCGレギュいまだに現役でやってます」とか「身内戦でやる分にはレギュなんて~」とか抜かす輩が現れがちですが、一般性を高めてなおかつレギュ落ちを気にしなくてよいポケモンカードというのは今までなかったと思います。たぶん。きっと。おそらく。
つまるところいつまでも遊べるというのは、「しっかりしたゲーム性にランダム要素や中毒性があっていつまでやっても飽きない」というよりは、「ゲーム性はお世辞にも高いとは言えないけど、一般性が高くてプレイヤー間の前提知識による格差を気にする必要が無いため、ポケモンカードのルールさえ知っていればいつでも誰でもそれなりに楽しめる」というようなことを意味しているのではないかと解釈しました。
実際「ポケカのルールは知ってるけど昔にやったきり」レベルの人でも遊べるし、たまに友人と一~二戦やる程度ならそれなりに盛り上がります。カジュアルボドゲみたいな感覚で遊べるわけですね。
結論
本記事の内容をまとめると以下のようになります。
・ポケモンカードゲームClassicのゲーム性は低い
・ただしゲーム性の低さとゲームのつまらなさは必ずしも等価ではない
・レギュや前提知識の枠にとらわれずだれでも楽しめるという点では「普遍的にいつまでも遊べる」と言える
なので、ネット上でボロカスにたたかれているほどのクソゲーではないです。買ったはいいものの値段とデカさと悪評にビビって押し入れの肥やしにしている人はこれを機に一度やってみてはいかがでしょうか。
え?結局35000円(税込)の価値はあるのかって?
うるせ~~~~~~!!!!!!
あるわけねぇだろ~~~~~~!!!!!!
POKEMON CARDG
AME
一般性の高いコンテンツはたくさんの人に遊んでもらうことが大事なのに値段35000円にしたやつ何なの?もっとターゲット層をはっきりさせて商売してほしい。
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