メタバースの文脈について

メタバースはVIVE世代のVR技術の出現によって登場したぽっと出のコンテンツと思われているかもしれないがその文脈は意外と古い。
UCCの作成、利用が可能なデジタル上の仮想社会というのはMMORPGとシームレスに繋がったコンテンツとして発展してきており、気軽にアクセスできる隣の世界としての立ち位置は2、3年程度ではなくもっと前から得ていたものだ。
更には仮装をすることで素性を隠したもの同士が規範による抑圧から解放され、互いに交流を図るというのはマスカレードなど、15~18世紀頃の文化にも見られ、決して現代に特有の事象では無い。
メタバースというコンテンツが持ちうるクリエイティブ性や構造というのは文脈や要素としては古くからあるもので、それがVR技術によって繋ぎ合わされたものに過ぎず、そういった文脈を無視して表面的なものだけを模倣してプラットフォーム作りに勤しんだところで顧客獲得は満足にできないだろう。
TGSVR2023での「あなたもエスケープ」などと言ったフレーズからしてテレビ朝日はその事をろくに理解していないであろうことが窺える。

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